誰か　誰か










不気味な黒い羽が、おちてくる。


－　result03 Duel Battle　－





まだ消化しきれない現状に

まだ自分はいっぱいいっぱいで

一時間ごとにくる馬鹿みたいなノリのチャットにも構う余裕も無いってのに



次から　次へ　次へ　次へと　移る状況に追い立てられる。








黒い羽の、巨大なカラス。

その中から出てくる、怖気の走る気持ち悪さを感じる女。

剣を持った暗い眼の男。



二人はアンジニティの奴らで、そして、女の方はユウタの知った顔のようだ。







「百葉箱のしぃらさん、ですよね」――と。

対話を諦めないようにユウタが揺れる声を紡ぐ。







応える白い女は無邪気そうに笑い――――



―――だけれど、

猫が獲物を戯れになぶるように

幼児が虫のためらいなく千切るように


にこにこと　にこにこと　容赦なく俺らを追い込んできて






俺たちは徐々に防戦一方に追い込まれていく。

追い詰められていく。




あっと思った時には、もう遅く、男の方がもつ剣に斬り伏せられる。

熱い。痛い。熱い。

一度地面に転がってしまうと、すぐには立ち上がれそうになかった。





命までは取られなかったのは、恩情か、それとも眼中に無いのか。







やつらの前にユウタが一人で残される。



「………わりぃ、ユウタ」

「いずる？…いずる！！」




ぱちり、ばちり、と、地面の小石が弾かれたように跳ねるのはユウタの力の影響だろう。




ユウタの異能が、ユウタの手を離れて爆ぜている。

今のすべてを否定するように拒絶の言葉を吐きながら

形の無い力を周囲に撒き散らす。




ああ――こういう状況で力を暴走させんの、ユウタが後で凹むやつじゃん。

しかも、俺からしたら相手の奴らがかなりアレだし、こっちも武力行使やむなしだと思うけど。

あいつ、それで開き直れるタイプじゃねーし。



でも、これで、なんとかならねぇかななんて、甘い期待もあって











だけど

どうやらそれすら効かなくて



いや、効かないだけならまだましで。








ユウタの力の爆発に、

白い女がごめんなさいと、あらそいをやめましょうと、このタイミングで言い出すから。







ユウタの異能が効いた思うし、油断もするし、一縷の望みもみちゃうじゃん？


で。

見せてからのだましうちとか。

くそ性格わりぃ…。





ただ、その『遊び』を相手がしたおかげで、じわじわじと回復が体に効いてくる。


道中に同陣営らしき人にもらったヒール効果ありとかいう栄養ドリンクは

戦闘不能の回避にこそ及ばなかったが、立って走って逃げれる程度には傷を塞いでくれた。





それはぎりぎり、ユウタが倒れる瞬間に間に合って―――…



「ごめん、いずる」

（――それはこっちのセリフだろ、馬鹿！）



異能のコントロールを失って、倒れるユウタの腕を掴み、逃げる。

制御不能の異能がおこす爆発と土煙が目くらましになってはくれないか。




誰か　誰か　どうにかしてくれと、頭の中で叫んだって

誰もどうにもしてくれないから

この手と足で足掻くしかないんだろう。

こいつとおれとでなんとかするしかないんだろう。



死にものぐるいで必死こくしかねぇんだろ。



死にも狂いたくも無いんなら。

走って走って ENo.446 ユウタ ENo.757 石動

ハザマに生きるもの 歩行軍手 歩行石壁

『A-Z ＆ XYZ』 ENo.1301 “憑魔” ENo.1362 XYZ

走って走って ENo.446 ユウタ ENo.757 石動

たくさんの声が聞こえてきます！

騒乱と空とタイツ ENo.446 ユウタ ENo.757 石動 ENo.1148 クオウ ENo.1155 泉ノ守 りり花

ハザマに生きるもの 大黒猫 大黒猫 歩行軍手 歩行軍手

656

332

防衛がんばるぞい ENo.3 一穂 ENo.11 シエ ENo.51 アクドイナー ENo.546 不幸喰らい

騒乱と空とタイツ ENo.446 ユウタ ENo.757 石動 ENo.1148 クオウ ENo.1155 泉ノ守 りり花

141

212

チナミ区 H-16

チェックポイント《瓦礫の山》

騒乱と空とタイツ ENo.446 ユウタ ENo.757 石動 ENo.1148 クオウ ENo.1155 泉ノ守 りり花

立ちはだかるもの 守護者《DEER》 守護者《DEER》 守護者《DEER》 守護者《DEER》

642

241