［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

夜のショッピングモールを二人の少女が駆ける。
少女たちの行く手を阻むのは異形の怪物。
向こうはふたりを敵としてーーーあるいは軽いおやつのスナックとしてーーー既に認識しており、到底無視して進むことなとできない。
ふたりは互いに力を出し合って協力し、辛くも怪物を撃破することに成功する。
されど手持ちの物資はとうに尽きかけ、疲労も無視できなくなりつつあった。
少女たちはやむなく一度探索を切り上げ、適当なサ店で駄弁ることに決めるのであった。




＊＊＊＊








「みたいな」
「はあ」
「入りにするとか」
「いや、ええ…？」

藪から棒に何の話ですか？
前の席の椅子に後ろ向きに跨がった先輩がにやにや笑いながらそんなことをのたまってくる。
今が冬ということを差し引いても生っ白い肌、長めに切り揃えた前髪は目力つよめの大きな瞳からくる圧力を和らげるのに一役買っていた。膝丈の紺のスカート、濃い暗色のスクールパーカーの下から半端にはみ出した白いシャツの裾が少しだけルーズに印象づける。
日凪学園中等部三年、唄ヶ丘いろはさんだ。ぼくにとっては美術部の先輩でもある。


「おいおい、キリくんノリ悪いなー。
そこは『なるほど』とか『そうきたか！』とか返してくれないとー」
「ていうかいろは先輩。ここ、二年の教室なんですけど」


ほんとに何でいるんだこのひと。


「だからさ、こういう入りなんだよ」


いろは先輩が目の前ーーーつまりぼくの目の前でもあるーーーにホログラムめいたウィンドウを表示する。
未来的な技術とかではない、彼女の異能の効果だ。
幻視と書いて【ゴッデス・ガイドライン】と読むらしい。仰々しい。
頭の中で考えたことを静止画、もしくは動画として自身の視界範囲内に投影する能力である。日凪の結界の中なのであれだけど、本来は拡大縮小自由自在で任意の場所へ移動させることも可能。…なのだが、結界の中では決まったサイズを決まったところに移すのがせいぜいのようだ。シンプルながら使い方次第では天下も取れる能力、らしい。
実際に能力を使って同人業界で栄華を極めたひとが言ってたので間違いない。いろは先輩のことである。口が禍してものすンごい炎上したけど。


「誰が炎上芸人か」
「いえ言ってませんが」
「いいさ、見てるといい。

アタシは必ず壁サの花に返り咲いてみせるからね」
「在学中は無理では？」


炎上が方々に飛び火して、関係各所に平謝りして回るなど散々迷惑被った両親によってこの人が転入扱いで日凪学園に放り込まれたのが昨年のこと。ちなみに寮住まいだ。規則正しい生活を強いられて辛いとか前に漏らしてた気がする。
あとこの人現役時代は無差別に同業者煽りまくって廻りに敵しかいない状態つくってたから、卒業（しゅっしょ）しても返り咲きは無理なのでは？


「そこはほれ、"コレ"でちょいちょいと根回しして」
「指で￥マークをつくるな。
ていうかさっきからナチュラルにヒトの思考読まないでくれます？」


読心系の異能は持ってないはずなんだけどなあ。


「でさ、さっきの話の続きだけど」
「あ、戻るんですか」
「おいおいもっと興味持ってこーよ。アタシらのサークルの新刊の話だぜー？」
「それぼく関係ないですよね？」


ナチュラルにぼくを仲間に入れようとするんじゃない。
訳あって今この人は孤立無援の状態にある。
本人の性格（なれなれしい）もあり、友達がいないとかではないのだが、趣味の活動を一緒にしていく仲間がいないのだ。
『訳あって』というか前述の理由である。
サークルの仲間も煽りの対象とか狂犬かよ。
最後の方は常時ギスギスした戦場みたいな状態になってて、先輩が離脱したとたん自然現象みたいに空中分解したらしい。オタサーの姫かよ。
そんなわけで自業自得の現状なのである。


「なんだよーキリくんリアクション辛いなー。おねーちゃん泣いちゃうぜー？」
「誰がおねーちゃんですか誰が…」
「おいおーい、いろはさんは知ってるんだぜェ？」
「は？」
「キミィ、ノジコチャンのことおねえちゃんって呼んでるんでしょォ？」



















は？


















＊＊＊＊




「………ぼくは しょうきに もどった」


狂気度がうんぬんな状態だったわけではないのでダイスとか振ってないです。
何か気が急いて正気ではなかったというか、えー…
つまり、まあなんだ。




そうこれだ、【Cross＋Rose】。


どういう原理なのか、上空におおきく見えている【LOGIN】表示を強く意識する。
なんだかわからないが"繋がった"という感覚があり、視界内に複数のウィンドウがポップした。




ふうん、周りに誰がいるかわかるのか…あれ、このひとって確か高等部の先輩だ。学年どころか校舎も違うから話したことないけど。メッセージとか、送ってみる？どうしようかなあ……じゃあないだろ。
ええとノジコおねえちゃん、ノジコおねえ、先輩は、と。


「あー、やっぱりノジコ先輩から通信来てる…しかしどういう原理なんだろこれ」


ノジコ先輩への返信を送りながら、なにがなんだかよくわからないものを使う恐ろしさってのがどうしても滓のように頭から離れない。
でも便利だなこれ。…便利なんだよなあ。




あんまりこの状況に慣れちゃわないように気をつけよう…











□□人物紹介□□


唄ヶ丘 いろは（ウタガオカ・イロハ）

日凪学園中等部三年生。美術部に所属していてきりんにとって（一応）先輩にあたる。
よく言えば人懐っこい、悪く言えばうざ馴れ馴れしい性格のため、同部員からは適当にあしらわれることもしばしば。
【異能：幻視（ゴッデス・ガイドライン）】を保持。かつてこの異能をあk応用した同人活動で栄華を窮めたが、幼さゆえに口が災いとなりネットで大炎上を起こし、ほとぼりを冷ますまでという名目で親に日凪という名の監獄（本人視点）へと放り込まれた。
【幻視】は脳内の思考を映像として、視界内に投影するというもの。一度投影した映像は本人の意思でOFFにするまで消えることがない。この映像は平面的で自在に動かすことができる。ペンを持った状態で紙か何かに沿ってすぐ真上に映像を投影すると…………
あとはわかるな？

響鳴LV を 5 UP！（LV0⇒5、-5CP）
料理LV を 5 UP！（LV20⇒25、-5CP）

モドラ(730) により ItemNo.5 不思議な石 から防具『安全靴』を作製してもらいました！
　⇒ 安全靴／防具：強さ35／［効果1］防御10 ［効果2］－ ［効果3］－／特殊アイテム

ItemNo.7 不思議な食材 から料理『タピオカバナナ昆布ティー』をつくりました！
　⇒ タピオカバナナ昆布ティー／料理：強さ35／［効果1］器用10 ［効果2］敏捷10 ［効果3］耐疫10

ノジコ(456) の持つ ItemNo.7 不思議な食材 から料理『タピオカクリームおいなりさん』をつくりました！

エチュード を習得！
コールドウェイブ を習得！
ミラー＆ミラー を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

キリン(310) は 吸い殻 を入手！
ノジコ(456) は 吸い殻 を入手！
ノジコ(456) は 毛 を入手！
キリン(310) は 不思議な石 を入手！

ノジコ(456) に移動を委ねました。

チナミ区 J-6（沼地）に移動！（体調25⇒24）
チナミ区 K-6（沼地）に移動！（体調24⇒23）
チナミ区 L-6（森林）に移動！（体調23⇒22）
チナミ区 M-6（山岳）に移動！（体調22⇒21）
チナミ区 N-6（山岳）に移動！（体調21⇒20）

採集はできませんでした。
　　 - キリン(310) の選択は チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》（ベースキャンプ外のため無効）

―― ハザマ時間が紡がれる。

　





　




チャット空間に突如として現れたカンガルー姿の少女。

　










元気よく両手両足を伸ばし空間を飛びまわる！

　




　





　

　

･･･姿を現すことなく、女性のような声が伝わる。





　





　






　




ため息のような音が漏れる。

　





　




　

　

声はそこで終わる。

　





　





　

チャットが閉じられる――