【 XX年前、“■■■■■” が生まれた日 】
「ね、ね。レーカちゃん。
“学校”って知ってる?
僕達の
すごくすっごーーく昔に、存在したんだって!」
「それがね、
みんな一緒!年齢別で、勉強したりご飯食べたり運動したりするんだって!
──むっ、嘘じゃないよ!ほらこれ!古文書!昔の僕達の国の人が描いた本だよ!
あーうん、それは僕もそう思う。古文書ってイメージと違って、キラキラしてて……
あれだよ、“憧れ”とかを描いたみたいな!」
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「確かに■■は古文書って言ってたけど……
これが本当に、“空想”じゃなくて、
“日常”であった時代があるなんて信じられないよね。
でも、もし“皆が誰でも学校”に通えていたなら、さ。
“僕”や“レーカちゃん”だったら、どんな感じになってたのかな、って。考えてみると面白くない?」
「
……むー!!僕はそのままってどういう事!?
まあ自分でもそうだと思うけどさぁ!さあ!そう言うレーカちゃんはね~。
え、
“言わなくていい?” “どうせ大して俺も変わらない?”やーだーよー!僕が考えてあげる!
って言うか絶対レーカちゃんが考えるより、ぼくの想像の方が当たってる自信あるもんね!はっはー!」
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「そうだな。そうだな~~。レーカちゃんが“普通に”“皆同じ”生活送ってたなら、
もっと元気だよ絶対。
だって昆虫好きでしょ。まあ僕も好きだけど。見た事ないのも一緒だけど。
で!古文書にはだね!
“昆虫好き”は“やんちゃな悪戯っ子”って相場が決まってるんだよ!
何冊読んでも大体そんな感じ!あ、たまに眼鏡の大人しい女の子とかもいるけども……」
「へ?
“古文書の読みすぎぃ?”そんな事ないって!!実際の歴史書みたいなものなら事実に近いはず!
続きを話すよ!聞いてない振りしても気にせず話してやるからね~!
あ、そう言えば
“駄菓子”って知ってる?
うん、ぼくも知らないけど
“学校” 帰りに “学生” が食べる物 らしいよ。
話が変わった?気にしない気にしない~~」
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「つまり、
駄菓子を食べたら“学校”と“学生”をコンプリート出来るって事!お得じゃない!?
僕も食べたくなって来たけど、作り方とか書いてないんだよね。気になるな~。
古文書では色々書いてるんだよ!ほら、このページとか!これは噛んで捨てるらしいけど」
「さー……わかんない。効率は良くないね~。いや、でもそれをあえてしてるんだから理由があるんだよ!
それだけ、なにか惹かれるものがあるのかなぁ?
……あ、ちょっと興味惹かれてる。
わはは!!照れるな照れるな!!僕も正直食べたいから恥ずかしくないって~~!!」
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「でもさ、僕が思うに。レーカちゃんがこの古文書みたいな世界……
いや、昔の話だから時代?……に生まれてたらさ、僕思うんだよね。
助けたい人を助けて、悩んでる人の悩みを聞いて、でも自分も楽しむ人になったんじゃって。
あ、
駄菓子も好き!今付け足しとこ」
「何でって……だって、
本当はそう生きたかったんでしょ?
なれる、って言うか。なってた。 僕、人を見る目はあるから当たってると思うけどな~。
あはは。まあ、答え合わせはしたいよね。……こらこら、無理とか言わない。
レーカちゃんは
基本的に目が死んでるから、夢を持って貰わないと。
だからね、一緒の夢にしよう。
──だって、そんなレーカちゃんと僕が、“学校”に行ってたら、毎日が“楽しい”でいっぱいになるもん!
そして
名前も決めてあります。古文書を探ってカンジとやらも──ちょっと聞いてよ!!
音に合わせたんだって!数日かけて考えたから!よし聞いてくれる!!
っしゃ!!」
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「僕達さ、
夏を知らないでしょ? だから、
“零夏”。これでレーカちゃん。
でも、決して
“無” じゃなくて、
“零”なだけなんだ。
何で?って?
そんなの決まってるじゃん!
──僕と一緒に、“零”から“夏”を知りに行くからだよ! 」