［基本］OK.　［戦闘］OK.　［スキル］OK.　

「はぁ、……っはあ………はっ………」

──痛い。息が荒くなる。そういえば、そうだ。私は走っていた。
侵略者に負けて、撤退を余儀なくされて……先に下がった二人を追って、走っていた。

「………っ………もう……」

およそ20日分の記憶が流れ込めば否が応でも足が止まって、首を振る。今は合流することが先決で……

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ピコン、と軽い通知音が鳴る。……この世界のチャットは向こうの相手の顔が見える優れものだ。
端末がなくとも濁った空にその画面を映してくれるのも優秀である。
……安否を確認したい人たちがもしも侵略者だったら、と考えてしまって無暗に送れないということ、
送受信におよそ1時間程度のラグがある等の欠点もあるが。

呼吸を整えながら受信したチャットを確認する。
……荒かった呼吸は否が応でも静まる。全身に寒気を感じる。
画面に表示されたのは紅い瞳の友人──そう、先程危惧した通りのそれ。偽りの記憶から成る侵略者の、



鋭いその瞳と目が合えば、ぱちりと脳に刺激が走る。
……眼が通じるか？それって、



────魔眼。本人がそう呼称する十神十の異能の力。
記憶の想起の直前、今の今まで忘れていたことを思い出す。
そう。あちら側の友人はその力を使わないように、いつもサングラスをかけていた。それが今は違う。
──十神十は侵略者だと、事前にあの時知らされていた。だからこそ気を抜くつもりはなかった。
…………目の前にいたなら、の話だが。

引きずり出されるようにとあるビジョンが蘇る────



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3年程前のとある日。きっかけは些細なことだった。
確かテスト前に体調を崩して数日学校を休んで、点数が過去最高に悪かった時のこと。
怒られるだろうなあ、叱られるだろうなあ、なんて考えながらいつも通り、母に報告した。






母はその用紙を一瞥してそう言って、何事もなかったかのように父のYシャツのボタン付けを再開する。

　　　・・・・・・
そう、いつもと同じ反応だった。



────悪い成績でも叱ることなく、満点を取っても褒めてくれるわけでもなく。
そんな母の態度に当時中学生だったわたしは理解したのだ。




────────────そこで想起された記憶は終わりを告げる。

なんてことない記憶だ。十神十の異能は"恥の記憶を引きずり出す"もの。
もっと恥ずかしい思い出なんて沢山あるしきっとここに来て変質した"元の異能"なのだろう。

じゃあ一体、今わたしの奥底から掬い上げられた映像は何か。

……身に覚えはある。廃ビルで十神十が纏った閃光に触れた時だ。
あの時に想起させられたものを鑑みるに、これはきっと"恐怖"の記憶。
この世界でわたしが見たものは危うく死にかけた記憶でも、幽霊らしきものを見た記憶でもなく。

実の母親の、愛情の希薄さを知ってしまった時の、記憶。






その事実がどうしようもなく、今まで自分でも気づかないフリをしていたわたしの根幹を曝け出した気がして。











友人へ送信するチャットを一方的に切って、足元がよろける。
視界がぱちぱちと暗転してせり上がってくるモノが抑えきれない。

無我夢中で人気のない場所を探して、建物の路地でびしゃりと胃の中のものを吐き出した。



多少マシになった体調を吐瀉物のにおいが刺激する。
大丈夫、大丈夫だ。そんな今更、"仕方ないこと"なんて気にしたってしょうがない。

今はそんなことよりも仲間と合流しなければいけない。かぶりを振って再び表の道に出る。



……海の音がする。
荒い崖は島の末端であることを意味していて、この世界にも海辺があるんだなあ、なんて呑気に考えて。
…………海？？








──奈切寧々、17歳。しらない世界で迷子になりました。

ENo.825 天弖 とのやりとり

寧々(267) は 何かの骨 を入手！
寧々(267) は ぬめぬめ を入手！

時空LV を 1 UP！（LV14⇒15、-1CP）
響鳴LV を 2 UP！（LV5⇒7、-2CP）
付加LV を 2 UP！（LV10⇒12、-2CP）
料理LV を 1 UP！（LV19⇒20、-1CP）

ピザ子(516) とカードを交換しました！

賞味期限切れの冷凍イカだ！ （クリエイト：イビルハンズ）


エキサイト を研究しました！（深度0⇒1）
エキサイト を研究しました！（深度1⇒2）
エキサイト を研究しました！（深度2⇒3）

チナミ区 Q-3（沼地）に移動！（体調15⇒14）
チナミ区 P-3（チェックポイント）に移動！（体調14⇒13）

ション(195) からパーティに勧誘されました！

採集はできませんでした。
　　 - ニノマエ(91) の選択は チナミ区 E-5：出発地（ベースキャンプ外のため無効）
　　 - ション(195) の選択は チナミ区 E-5：出発地（ベースキャンプ外のため無効）
　　 - 寧々(267) の選択は チナミ区 E-5：出発地（ベースキャンプ外のため無効）

―― ハザマ時間が紡がれる。









時計台の前でタバコをふかす、ドライバーさん。






時計台をぼーっと見上げる。






自分の腕時計を確認する。






･･･とても嫌そうな表情になる。