――15年前のとある事件のレポート――
[被害者:■■■■・■■■■■]
[死因:遺体は火事により一部焼けていたが解剖可能
■やナイフなどの刃物が使われた無数の■■有
直接的な死因は■■切られた事による失血性シ■■ク死
顔は恐怖で歪み■は萎縮していた]
[補足:被害者は生前、睡眠薬を飲まされた後に拷問台の上で拘束され以上の行為を行われた物と思われる
当時、被害者の屋敷には子供の■■が数多く買われており時折、被害者は■■による■■を繰り返していた様で屋敷の裏にはのべ■■人程の■■や人■■が埋められていた
睡眠薬や■、ナイフなども屋敷内に有ったものを使ったのだろう…]
[補足2:犯人は事件後、屋敷に火を放ち全ての■■を解放させた後、逃走した模様]
[結論:犯行の量や傷から推測される力から子供には到底不可能と判断し『外部から』の犯行、火事や■■解放による混乱と騒動に乗じて逃げた事から狡猾な性格の者として捜査を進める事とする]
『力』を得た時、何処かで私は復讐の機会を与えられたのだと思った
同時に『幸運』だとも思った
明日を失った彼女等に成り代わり積年の仕打ちを返すように
怒りを、憎しみをぶつけた
私にしたことを懐き積み重なった感情を全てぶつけてやった
『主』を彼女等のように拘束し同じように、な
最初は身の程を理解していなかった怒号も次第に叫喚と『助けてくれ』という懇願に変わっていった
『助けてくれ?』
お前は私達の懇願を聞き入れなかった
『生きたい』という願いも、懐いていた『夢』も、交わした『約束』も『明日』も、お前は全て奪っていった
許さない
許してなるものか
『
私は貴様の全てを蹂躙し喰らい尽くす、己の罪に身体を喰われるがいい』
そして
加速し軋む我が衝動(こころ)のままに私は『主』を引き裂いて喰らい尽くした
ああ、胸のすくような気持ちだ
此ほどの気持ちはきっと生まれて初めてだろう
……後は逃げるだけだ
屋敷に火を放ち、財を仲間に分与させ散り散りに逃げる仲間に紛れて逃げよう
……悪いな、最後に君達を『利用させてもらうよ』
その後は■■廃止制度を敷かせるのを条件に次の『主』に買われ、従うことになった
前の『主』よりは幾分か楽だ、命さえ果たせば此方の意思を汲んでくれる
目的さえ果たせるなら幾らでも命には従おう
結局、国の■■ではないかと言われたが
私はそうやって生きてきた、今の世を変えるためには生きなければならなかった
其れが犠牲者の屍を妹の屍を踏み台にし生き汚く生きてきた醜悪な復讐者(わたし)の贖い
権力を力を財を他者を
全てを利用し利用されながらも私は今日まで生きてきた
結果論とは言え■■廃止制を敷くことが出来た、あのような事をする権力者は今は居ない
何人か犠牲は有ったし柱や感情を歪まされたのも最近になって知ったが結果に対する『必要経費(たいか)』だと思えばまあ、其れでも構わんとも思っている(とは言え報復ぐらいはするが、当然)
あの日、■■廃止制を敷けた日
私の『復讐』を、『願い』を果たされた瞬間
同時に
身も心も醜悪な獣に成れたと思えた瞬間でもあった
生きたくて、死にたくなくて仲間や『妹』を墓に埋め
『主』に反旗を翻し『復讐』した
如何なる手を使ってでも『願い』を果たした
此を醜悪と言わずして何と言うのだろう
だから
もう、良い
醜悪な復讐劇は終わりを迎えつつある
此れからは相応しい幕引きの為に『明日を迎えていく』としよう
何もない『世界』に私が居る意味はもう無いのだから
だから、待っていてくれ仲間達、そして『妹』よ
そう私を見て急かさずとも
もうじき其方へ
向かうから