平和になった――。
イバラシティの生活ものんびりとしてきたものだ。
4月から大学に入り――入学式も終わった。
新しい生活が、どんどんと変わっていく。
本当に何も侵略なんて無かったかのような変わり方。
ネクタイトの……あの店もどうやら潰れたようで……本当に平和になってしまった気がする。
気温もあったかくなって過ごしやすくなった。
……一緒に買いに行った服も着るようになった。
そのへんであそんで……怒られたり……消えない落書きはどうしようかな……
……こんなのでいいのかな?
……幸せだし、いっか。
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また、私の中に入ってくるあの世界の記憶。
そして――まだどこか追ってくるヒカラビ荘の人たち。
誰も倒れることは無かったけれど
――傷ついていないわけではない。
攻撃を食らったところが痛む。
敵なんだなって
そうだよね
私だって色々した
死にたくないからって、そんな理由だけで
大切な
タ
――ほんとうに?
ほんとうに たいせつなの?
『助けて』って
それだけ言って
ス
あちら側に逃げだせばいい それだけなのに それをしていないのは 誰?
後ろから殺されてしまうかもしれないから?
ほんと? 誰も倒れていないような戦いなのに、本当に?
でも
……受け入れてくれるの?
ケ
戦うことを、選んでしまった、私を
あの目をした、あの人達が?
コウゲキ シテキタ ノニ?
あの ナギさん まで うぱさん も みんな みんな 私を 私を
ねぇ、本当に 仲間なの?
空を飛び
物を作りだし
テ
腐食させることができて
縛り付けることができる
バケモノを そんな目で 本当に みていてくれてイルの?
コッチ側のが オニアイなんじゃ、ないの?
――ねぇ
結宮 拘 に
あのヒトタチ は
本当に ヒツヨウ ? テキ ? ミカタ ?
傷をつけるような目のマエ の アイツラは
ナズミ の ■■■■■■■■
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それは突然だった。
私は、動いていた。
自分の中で、自分が動くのを見ているだけしかない――そう、夢のような感覚で。
ぼーっと見ていれば自分が動いている。
目が覚めて、ベッドから起きて、お母さんに返事をして、朝食。
着替えて出かけて学校に行って友達と過ごす
私が何も変わらない生活をしている。
……じゃあ、私は誰?
なんで私は、私を見ているだけなの?
……きっと夢なんだろう。見ているだけで過ぎていく日。
そろそろ目が覚めて同じような生活に戻るんだろう。
――それははじまりに、すぎなかったのだけれど
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