生存 88 日目 天候:晴れ
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【食料消費】 料理判定に失敗… 食料440 を消費しました。
【食料消費】 PetNo.1 レインボーシェル
【食料消費】 PetNo.2 ツインラビッツ
ハグルマ「結構気合入れて書いたけど4000文字に届かないし。10000文字書いた人は尊敬する」
体格 を 27 上昇させました。(CP- 44 ) |
叫び声が聞こえる アフロな赤眼(95) のシャウト! アフロな赤眼「皆さんお疲れ様でしたー!」
アフロなライカー(256) のシャウト!
うさ(290) のシャウト!
シンシア(751) のシャウト!
ハグルマ(1277) のシャウト!
フェリィ(1413) のシャウト!
シェアン(1475) のシャウト!
ミル(1630) のシャウト!
フランシス(1772) のシャウト!
ライム&レム(1886) のシャウト!
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創られた幻の島が、強い光を放ちつつ少しずつ消えていきます。 唯一残るのは島の本当の姿、小さな、ひとつの島。 そして貴方は想います、これからの自分の居場所・・・ 帰りを待つ人たちが居る家 マキサ・カトラは両手に近所のスーパーのビニール袋を提げて、満足そうに笑った。 週に二回、夕方に行われるタイムサービスには多くの主婦が集う。 そしてより多くの物をより安く買おうと力の限りを尽くす。そこはまさに戦場だった。 並みの体格しか持たない者や経験の浅い者の手には目当ての物が行き渡ることは無く、 ただベテラン主婦の塊と化す売り場を、遠くから指をくわえて見ている事しか出来ない。 マキサは、その塊を成す人々の中で、特に線の細い女性の一人だった。 腰まで届く長い黒髪と、青い輝きをたたえた切れ長の目は充分に人目を引く物だったが、 それ以上に異質なのは衣服…黒いエプロンドレスに白いヘッドドレス――いわゆる、メイド服と呼ばれる格好だ。 彼女をただのメイドと甘く見てかかった者は、人工筋肉と強化金属骨格、そして永久魔道機関、 三つの科学の結晶から生み出される、人知を超える桁外れなパワーによって容易く弾き返される。 最近は彼女の目立つ格好もあって、ライバル達に顔を覚えられ、最大の敵と認識されているらしい。 以前には数人がかりで対抗しようとする者達すらいた。全員投げ飛ばしてやったが。 しかし、ライバルたちのマキサへの対応は日に日に露骨に、そして強力になっている。 何か対策を講じる必要があるかもしれない。そう考えたところで、マキサは目的地へ着いた。 マキサの主が住む家である。一見すれば何の変哲も無い普通の一般住宅でしかないが、 その実は防弾装甲が張り巡らされ、耐震処置も施された、ちょっとした要塞並に堅固なつくりになっている。 別にこれは有事に備えてというわけではなく、設計者――つまりは家主の趣味だ。 玄関の戸にしてもそうだ。鍵穴はあるがそれも見せかけのものでしかなく、 特定の人物がパスワードを唱えることで、自動で開閉する仕組みになっている。 パスワードはたった一言。 「ただいま」 マキサの声に反応して、電子音が響く。声紋の認証が終了し、ドアは横にスライドして開く。 なぜドアノブが付いているのに横にスライドするのかという疑問も、今は抱くだけ無駄だと悟っている。 玄関を抜けると、家のどこにいても聞こえるような声量でマキサは言う。 「喜べ魅鳥。挽き肉が安かったから、今日はお前の好物のハンバーグだ」 反応は無い。いつもならどんなに物事に熱中していても、ハンバーグと聞けば飛んでくるのだが。 (寝ているのか?) ここ数日、寝る間も惜しんで何かを研究しているようだった。 極端に出不精のあの娘のことだから、どこかに出かけているということも無いだろう。 とりあえず、ビニールの中身を冷蔵庫へ入れてしまおうとキッチンに向かい… 「おう、お帰り」 かけられた聞き覚えのある声にあっ気に取られ、思わず荷物を床に落とす。卵の潰れる音がした。 そこで見たのは呑気な顔でカップラーメンをすする兄、霧山 刃車の姿だった。 「この三ヶ月間、肉だとか野草だとかしか食ってなかったからさ、久々に食べるとこういうのも美味いよな」 そこまで言って残っていた麺をたいらげると、スープまで一気に飲み干す。 腕で口の周りを拭うと、残ったカップラーメンの空き容器を狙いもつけずに放り投げた。 「あ、そうだ。マキサに土産あるんだよ。最後に無理言って貰ってきたんだ」 宙を待っていた容器は見事に『可燃』と書かれたごみ箱に飛び込む。 ハグルマはそれには目もくれず、傍らに置いてあった荷物に手を突っ込むと、瓶を二本取り出した。 「温泉焼酎。俺もまだ飲んだこと無いけど、なんかいい気分になれるらしいぜ」 マキサは一気にハグルマとの距離を詰めると、その手から酒瓶を奪い取り、テーブルへと置いた。 「とりあえず、私がお前に言いたいのは一つだけだ」 震える声でつぶやくマキサ。それが怒りによるものだとはすぐに理解できた。 冷静を気取っているが感情が表に出やすい妹である。 きっとこの後すぐに自分を罵倒する言葉が山のように出てくるのだろう。 「あれ、やっぱり怒ってる? 悪いね、全然連絡してな――」 とりあえず駄目で元々、なにか話題をそらしてみようと口を開くが… 別の話題へと移る前に、マキサの手はハグルマの喉を掴んでいた。 「ゴミは分別して捨てろと何度言ったら理解するんだ馬鹿兄貴がッ!」 「あれ? その事で怒ってんのっていうか喉が潰れそうなんですけどっ! アアーッ! ごーめーんーなーさーいー!」 妹の相変わらずの怪力に手も足も出ず、ハグルマはとにかく謝るしか出来なかった。 「ひでえよな。ちょっと間違えただけだったのに、危うく死ぬところだ」 「学習能力の無い者など一度死んでしまえ」 首についた手の形をした痣をさすりながら言うハグルマの言葉を、マキサが冷酷な口調で切って捨てる。 場所はキッチンの隣にある畳部屋へと移っていた。部屋の中央に足の低いテーブルが置いてあり、ハグルマはそれにもたれるように座っている。 部屋の四隅の一つにはテレビが置かれていて、食事はこの部屋で取るのがこの家での習慣だ。 ガラス戸を隔てて面した庭には、マキサが手入れをしている季節の花を咲かせた花壇が見えるのだが、 そこに咲いている花がハグルマが出かけた時とはまるで違っている。 ハグルマは、改めて自分がどれだけの時間この家を留守にしていたのかを実感した。 「魅鳥にはもう会ったのか?」 ティーポットでカップに茶を注ぎ、ハグルマの前に差し出しながらマキサは言った。 ハグルマはそれを受け取り、礼を言ってからカップに口をつけ、それから答える。 「いや。様子見に行ったら机で突っ伏して寝てた。起こすのも悪いからとりあえず布団だけかけてきたけど」 「そうか」 自分のカップにも茶を注ぐと、マキサはハグルマと向かい合うように座る。 どうしても言ってやりたい言葉が一つあるのだが、改めて言うのも戸惑ってしまう。 心を落ち着けるための時間を稼ぐためにも、他の気になっていたことから尋ねる事にした。 「それで、どういう風の吹き回しだ。宝玉とやらを集め終えるまで帰ってこないのではなかったか?」 「…俺もよく解ってないんだけどさ」 ハグルマはカップの茶を一気に飲み干し、島で起こった出来事を語り始めた。 島での生活を続けていく内に、ある日突然にして異変が訪れたこと。 島には、なにやら災いが降りかかっていたらしいこと。それらの異変は頭の中に響いた声から知ることが出来たこと。 自分以外の誰かの手で災いは終息を迎えたこと。宝玉伝説は意図的に流された偽りの噂であったこと。 全てがいつの間にか終わりを告げると、声はこう言った。『あなたの望む場所に送り届ける』と。 「正直、自分でもどうしたいか解ってなかったけど、目を閉じてあれこれ考えてるうちに、気づいたらここに居た」 ハグルマの言葉を聴いてマキサは嬉しくなった。 ふらふらと突然どこかへいなくなる兄だが、無意識にでもこの家を自分のいる場所だと思ってくれている。 心の内を押し止めようと努めるが、自然と笑みがこぼれてしまう。生まれた時から感情を隠すのは苦手だった。 口の端に浮かんだ笑みをごまかすように、マキサは口を開く。 「随分と、色々あったみたいだな」 「内容の濃い三ヶ月だった。一年以上もあの島で暮らしてた感じがするね」 ハグルマの口調には、島での生活を懐かしむような響きがあった。 マキサは不安を覚える。いつの日かまた、兄はどこかへ旅立ってしまうのだろうか。 …だが、そう怯えることも無いのだろう。 今はハグルマがどこに居ても、必ずこの家に帰ってきてくれるという確信がある。 先程の一言を聞いて、それに関しては確かに彼の事を信頼できるようになったと思う。 ――それにしても…さっきから私は、何を考えているのだ。 マキサは今のように考えるに至るまでの思考を思い返し、恥ずかしくなった。 これではまるで妹が兄に甘えてその不在を寂しがっているようではないか。 確かにマキサとハグルマは一人の少女の手によって設計、開発された兄妹機。 マキサもハグルマの事を『兄』と認識しているが、それによって発生する感情は依存ではなく信頼であるはず。 (いかん、また表情に出そうだ…) 以前、自分の表情から考えていた事を全て読まれたことがあった。そんなに解りやすい表情をしていたのかと悩んだ覚えがある。 今回もそうならないように、さっさとこの場を離れることを決めた。 空になっていた自分とハグルマのカップ、それとティーポットを持って立ち上がる。 「とにかく、晩飯にするぞ。どうせさっき食べた分だけでは足りないんだろう?」 「そりゃまあ…けどよ、俺ってば急に帰ってきたからなあ…材料とか、足りるのか?」 もし足りないんだったら、俺が一っ走りして買ってくるけど。 そう言って答えも聞かずに出かける準備をしようとするハグルマを、マキサは小さく笑って制した。 「心配は無用だ。料理はいつも三人分用意するようにしているからな」 ハグルマは財布を取りに部屋を出ようとしたところで固まる。マキサの言葉の意味を図りかねているといった様子だ。 それを見て、マキサはどことなく勝ち誇ったような笑みを浮かべて、言う。 「私も、魅鳥も、お前の帰りを待ち侘びていたよ。お帰り、ハグルマ」 きっと照れくさかったのだろう。マキサはすぐに顔を背けそのまま早足でキッチンへと姿を消す。 …相当寂しい思いをさせちまってたみてえだな… しかし、一つの所にじっとしていられないのは性分だ。自分はまたどこかへ姿を消すのだろう。 だけれど、それまでの時間は、自分が留守にしていた時を埋めるのに使うのも悪くないと思った。
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最後に、島内トーナメントおよびキャラクターランキングを実施します。 それらの詳細は 島内トーナメントは こちら キャラクターランキングは こちら を参照してください。
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