Infomation | ||
|
||
Diary | ||
一つ一つ、元の世界へと還って行く魂達。 この世界に残る者たちが見送るそれらの輝きが、 常闇の世界を満たしていた。 常に暗黒に満たされていた世界から別の世界へ。 世話になった人達への挨拶を済ませたチェスカもまた、 その中にいた。 この世界との繋がりを一度断ち、元の世界へと戻っていく。 当然の事のはずだが、何か物悲しい、 後ろ髪をひかれる部分があるのも確かだった。 だが、戻らないわけにはいかない。 自分がいるべき場所はこの世界ではないのだから。 「では、あなたも戻る選択でいいのね?」 「はい、お願いします」 大きな変革にも関わらず、常事のコンファインの時のように 言葉をかける召喚士に、チェスカはきっぱりと頷いた。 何やら召喚士が呪文のようなものを唱え、 すぐにチェスカはその意識を失った。 やがて、うっすらと目を開けると、そこには 久しぶりに見る光景が広がっていた。 ただひたすらに広がる荒野と、遠方にそびえる山々。 何より、眩い陽光が、あの世界とは違う場所であることを 如実に物語っていた。 「帰ってきたんですね…」 誰に言うともなく、チェスカは呟いた。 鎧もハンマーも、最後のこの世界の時の記憶そのまま。 時間すら、殆ど経っていないのではないだろうか。 「チェスカ」 声を掛けられ振り返ると、淡い栗色の髪をなびかせた 女性騎士が一人立っていた。 脇には、巨大な一角猪が転がっている。 「姉上…」 「どうした、ドラゴンが攻城弾をくらったような顔をして」 …相変わらずの、よく分からない表現に思わず噴出した。 「何でもありませんよ。ただ…何だか一杯話す事があるんです」 「…まぁ、いい。話は夕餉の席で聞こう。 皆が帰りを待っているぞ。 私は獲物を持って帰るから先に戻っておけ」 「…はい」 砦に向けて駆けて行くチェスカを見送りながら、 姉上と呼ばれた女性騎士は小さく鼻を鳴らした。 「たかが一時間そこらの間で、あの愚弟に何があった…?」 「兄上、随分と楽しそうでしたね」 いつの間にか、小柄な少女が女性騎士の隣にやってきていた。 「そうだな…それに何故か…妙に女じみた雰囲気が… …まぁ、いい。腕さえ鈍っていなければな」 気持ちを切り替えるかのように、女性騎士は獲物を無造作に 片手で持ち上げた。 「帰るぞ。今日はグランドボアのミンチステーキだ」 This Story is interrupted ... |
||
Message(Personal) | ||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||
依代の記憶保存 | ||||||||
|
||||||||
Message(Linkage) | ||
|
||
最終選択 | ||||||||||
|
||||||||||