アルブムの一週間

「今回の攻略拠点は「常闇の祭祀殿-星降る極座」ですね」

「時間になったら集まるのよ」

「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」

「……メッセージの送信ですね。承ります」

「……1件のメールが届いております」

「菓子とな？」

「ほほー。稽古をサボっておいて甘物目当てとか。余裕があるのう」

「まあいいじゃろ。持っていくがよい」

「ちゃんと稽古はしておるかのー？」

「ま、拳で語って貰おうか。構えるのじゃ」

「……だめだめじゃな」

「さて。今後の稽古の励みになるよう、そろそろ妾の流派の技を説明してやるのじゃ」

「まずはパッシブ系四種の指南じゃ。これらは常時効果が適用される。磨けば磨くほど己の強さになるぞ」

「「七法・天檄剛掌」。妾の流派に入り、「格闘修練」をパラダイムシフトさせるとこの名前になる。基本的な使い方は同じじゃが威力が違うぞ。効果が大幅に増加するようになる。今の主力装備の能力が五割増程度になると思えばよかろう」

「「七法・天瞑闘臣」。流派の基礎で生命力を高めるぞ。アビリティの「HPゲイン」とアイテムの「ブレイブ」の効果が共にあるようなもんじゃの。タフになる。これがあれば妾の稽古にもついてこられるじゃろう」

「「七法・天剣猛葬」。流派の基礎で攻撃力を高めるぞ。アビリティの「HITゲイン」と「ATKゲイン」と「SPDゲイン」が共にあるようなもんじゃの。攻撃力をさらに高めるのじゃ」

「「七法・天鎧龍装」。流派の基礎で防御力を高めるぞ。アビリティの「DEFゲイン」と「RESゲイン」が共にあるようなもんじゃの。魔法にも強くなり、能力以上に耐久力は上がるぞ」

「ちなみに全部名称変更不可能じゃ」

「以上はまだ基礎じゃが、いずれも強力じゃ。これらを全て揃えれば、基礎能力で追随できる者はおらんじゃろう。次は、アクションアビリティを説明してやろうぞ」

「……ん、なんじゃ、『アビリティ多過ぎで枠が足りない？』、そんなもん、要らんもの消せばいいだけじゃろ……「鍛冶修練」とか。……『消したくない？』。しょうがない弟子じゃのー」

「しかたないのう、召喚士の奴に頼んで、中級クラスのコンファイン条件に『鍛冶修練を忘却していること』も追加しておくぞ。これで脇目をふらず修行に打ち込めるじゃろう。うむ、妾って甘すぎるかもしれんな」

「ではな。引き続き稽古に励むのじゃよ」

「……研究は未完成ですわ。なんだか魔石がたくさん必要みたいで……」

「マセキマセキ！」

「……」

「わざわざとりにいかなくても、こっちの方が、マセキのニオイがするむー」

「……なんだか賢くなってきたみたいですわね。仕方在りません、代わりに食べさせておきますわ」

「これだけあれば、研究も進みますわ」

「ほら、食べたいなら先に芸をしなさい！」

「わーい」

「ウマーウマー」

「そろそろ時間よ。集まりなさい」

「攻略ですよ攻略だよ攻略だぞ攻略に行くぞっヒョォォ！！」

「……落ち着きなさい」

「やる気は十分のようね。頑張りなさい」