ソレイユの一週間

「今回の攻略拠点は「常闇の祭祀殿-懺悔者の道」ですね」

「時間になったら集まるのよ」

「あら」

「そろそろ依代の限界が近いわね。これ以上はアナタの成長に耐えられないということよ。限界に達するとレベルアップできなくなるわ。その前にコンファインに来なさい」

「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」

「……1件のメールが届いております」

「おぅ、ちっとこいつ調べといてくんね？」

「承りました。
此方のほうで調べさせていただきますので、少々お時間を頂きますね。」

「ただ、ものによっては解らないものもありますので、その辺はどうかご了承下さい。」

「……今週も、場をお借りします。」

「どうか、叡智をお授け下さい。サチ司書。」

「そろそろ結果が出たようであると様子を見に来たが……ふむ、調べ疲れて寝てしまったようであるな」

「いいだろう。聞いているかどうか知らんが、情報をまとめてやろうではないか」

「ポゼッショントランスとは！」

「分類はアビリティであるな」

「ポゼッション発動時に、低確率で爆発的に攻撃力を高めるアビリティである。二重にポゼッションが掛かるようなものだな。発動確率は一定で、ダメージを定数×熟練度％の割合で高めるぞ。熟練せねば効果が低いものの、自分の攻撃の延長として発動するため、戦術に組み込みやすいアビリティだ。」

「また、発動は単純に攻撃力を高めるだけなので、あらゆる相手に対して効果があるぞ。まあ限界まで破壊力を追求するアビリティであるが、発動機会が少ないので大半は雑魚に過剰な威力を注ぎ込む結果になる。」

「しかしその本質は、現在では失われた精霊魔法の秘儀への踏み込みあり、根源の力に抵触するアビリティといえるようだな。その力は不安定にして強大、術者は制御はできないだろうが、何かの拍子にそれが暴走する危険性もあるようであるが……」

「……ということだ。これからもしっかり励めよ」

「妾の工房に発注したいとな？」

「よかろう、たんまりと魔石を積むがよい。妾が代理人になってやろうぞ」

「1件目の発注はこの通りで良いな？」

「依頼は必ずしも請けられるとは限らん。殺到した場合は、魔石を多く支払った者が優先される。まあ、しばらくは待つがよい」

「手配結果が出たから伝えに来てやったぞ」

「……残念じゃったのう。また発注して欲しいのじゃ」

「そろそろ時間よ。集まりなさい」

「攻略ですよ攻略だよ攻略だぞ攻略に行くぞっヒョォォ！！」

「……落ち着きなさい」

「やる気は十分のようね。頑張りなさい」