チェスの一週間

「（説明を受け）
あ……ああ。なるほど、そういう事じゃったのか。
よもやあの愉快な缶が乗り物だとは到底……いや、中はいったいどんな構造になっているのか、訊いても良いかのう？」

「それにしても、はんまーを持ち歩いていないチェス殿というのも不思議なものだな（呟きながらしげしげと眺め）
見慣れないというかなんと言うか……うーむ」

「それは確かに難儀するのぅ。だが、流石に耳栓をして戦闘に挑むわけにも参らぬし……ひたすら殴られぬよう避けるしかないな。頑張れ」

「ところで、なぜ側面に「おでん」と書いてあったのじゃ？（不思議そうに首傾げ）

もしかしてチェス殿の趣味か？
はたまた出てくるのか？　おでんが」

「やはり誰しも魔石のやりくりは骨が折れるものじゃて。
結界が壊れたら壊れたで、今度は先に進軍できず、実入りが望めない状況になっておるからの……（溜息）」

「うむ、お主が居ればいつもより心強いからな。
もしまた一緒になれることがあれば、ワシも全力で攻撃に勤めるよう善処するぞ」

「なに、気に病むでない。ちぇすが妾に敵わぬ所があるように、妾にもちぇすに敵わぬ所など、山ほどあるぞ？（くしゃくしゃ）」

「ふむ、なるほど。…からくり仕掛けの戦機…といったところじゃろうか。…おでん、と表記されているようじゃが。どうしても主神の屋台を思い出すのぅ。」

「ちぇすならば大丈夫ではないか？ものを末永く使ってくれそうじゃからのぅ。それこそ、付喪神が移るほどに、のぅ。…ふむ、この紋章は？（チェスの腕を撫で、視線を滑らせる）」

「うむ、妾も想像し、多少無理が合ったと訂正せざるを得ぬようになった…。

じゃが、この世界はありていに言えばなんでもありじゃからな…ありえない話ではないのじゃ。」

「…召喚士から通達は来たかの？…この地を制圧すれば、元の世界に戻れるようじゃ。」

「…おぬしらと会えなくなることが、寂しいのぅ…（ぎゅ。）」