瑠璃の一週間

「肝心なときに限って…ってのは、よくあるわね。
調子良いと思った日でも、召喚士さん達が撤退しちゃったりねー…。ままならないわね。」

「依代変わる度に姿変えて自己紹介…も面倒だしね。それに、今のこの姿、結構気に入っているのよ。

――ああ、元の姿とは全然違うわね。そもそも私は人間だし（今の身体の、尖った耳を弄りつつ）
あ、性別は同じよ？元々おねーさんだったもの。」

「…元の仕事が外見関係なかったしね。
色仕掛けなんかで捗る仕事だったら、外見も磨いたでしょうけど。

買い手さんは割と気まぐれぽいけど、とりあえず良いモノ発掘するところからなのよねー…。
最近、何か当たり来た？」

「ええ、魔石の為には日々のトレジャーと戦闘が欠かせないとばかりに動いているわよ。
…えらく地道に地味な稼ぎだけど。」

「暴動はともかく、物足りないとは言われそうね。
もうすぐハロウィンのお祭りもあるらしいけど…、お菓子を渡さないとカモノハシにされちゃったりして。」

「手柔らかに、かあ。

（うーんうーん）

手加減って苦手なんだけどな。まあ、善処してみるわ。

と、その前に。
私はボケ役じゃないから（主張）」

「勝手に付いて来た割には仲良さそうね。聞かれてもないのに、心細いとか寂しくないと言うのって――

（敢えてそれ以上は触れず、イイズナさんに手を振ってみたり）

おお、ちゃんとお世話はしているみたいね。」

「まあ、ね。貸しにしちゃうと、お返しは何貰おうかしらーとか考えちゃうわ。
時間掛かるのは特に気にしないわよ。取り立てにも行かないわ。」