Infomation | ||
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Diary | ||
(彼女の日記帳) 一片の花弁を擁いたかの様に不規則に揺らぐ水面は、酒であるが故に真水程には清かに杯を滑らぬのであった。常の通りにソムナンビュリストが先に腰を下ろし、彼の脚の上、其の身に包まれる様に私が座る。視線を上目遣いにして―― 不本意ながら此の身長差、体格差ではそうならざるを得ないのであった。―― ソムナンビュリストと見詰め合う。 橙色の彼の瞳孔は、今はまるで人間になっていて丸いので、元居た地平での羊の瞳孔を思い出すに違和感が無い事も無い。しかし其れも、ソムナンビュリストの眸なのだから良いのではなかろうかとの考えが段々と思考を支配し始め、直ぐに今のソムナンビュリストの眼球も好ましいものだと思うようになる。とてつもなく澄むが故に底の見えぬ湖にも似て、ソムナンビュリストの眼球が私を映すと、まるで色の付いた硝子越しに見るのと同じように変色した私が在る。橙色だ。戦場の遠くが焼け落ち、火葬でも無いというのに人が爛れ死にしていく時の夜空の色。いや、他にも何かに似て…… ああ、思い出せない。 少しだけ巻き毛めいた柔らかな彼の白い髪が揺れて私の視界に近づき、額と瞼と頬と唇に口付けが落とされる。私もソムナンビュリストも多少の酒で酔う程に弱くはないが、酒のにおいがする事はする。飲酒の途中なのだし私とて恐らくそうなのだろうから、何も言わず空いた片手で彼の顎許を撫ぜてやる。 私達はどちらも、酒を特別好みもしなければ下戸でも無い。単に周囲の人間達が飲んでいたのを学習し、模倣したが故の結果として、ほぼ毎夜―― 詰まる処、常闇の地平では毎日、夕餉の折か眠りの前に少量の酒を飲んでいる。必ず毎日飲んでいる、とも言えぬ。攻略戦でひどい傷を負った時。情報検索の無限書架に籠っている時。他の知人と話し込んでいた時。等々。共に飲もうとの約束も無く。 ―― 其の故に、彼が今夜は一緒に酒を、と態々言葉にして誘ってきたのは珍しい事であった。 未だ週の半ばで攻略戦にも数日有り、特段用事も無く、断る理由は無いので付き合ってはいるが、彼が用意した酒は此れもまた珍しく東方の酒である。どうした事かと問うても、ソムナンビュリストは唯のまじないだと笑って答えるばかり。彼が私に害為す何がしかを行う等有り得ないので―― 酔いに任せて誘わねば応じぬ程に私は彼につれなくはない。―― 其れ以上詮索もせなんだが、はて、何のまじないなのやら。前線で戦う私には丁度良かろうと言っていた。 ああ ……… そうか。 唐突に、彼の橙色の眸が何に似ているのかを思い出した。 デイジー。ソムナンビュリストが昔居た牧場に咲いていた、太陽の色の雛菊だった。 ―――――――――― (彼女の走り書き) 男女が肌を重ねても文句を言われぬとは、此の地平の司祭らは大らかなようだ。 |
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今回の滞在 | ||||||
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Message(Personal) | ||||||||||||||||||||||||
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Message(Linkage) | ||
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Ability Setting | ||
アビリティを装備します。
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Item Setting | ||
装備品を整えます。
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Skill Setting | ||
スキルを装備します。
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Schedule | ||
……
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Grow | ||
依代の浸透……
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Event | ||
『常闇の祭祀殿』に張られた結界が魔石を霧散させます……。
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攻略の時間になりました!! | ||||||||||
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