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〜次元航行船『白鯨』-座標不明〜 「……くはは。おい、仙崎。おもしれーぞ」 「どうしました? 流石に十局連敗はギンさんにも堪えましたかー」 飛鳥が問いかけても、ギンは笑いを止めない。 「この前行ったカレイディアだ。――トライを見つけた時もそりゃ驚いたが、どうやらまだまだ『あちらさん』からの来訪者、増えてるらしいぜ。どういう因果かは知らねえが」 「え、ギンさん、見えるんですか? この次元の狭間からカレイディアが?」 「おお。空間、時間、んなもんがまるで問題にならねえ。見たいと思ったものが、今なら何でも見えやがる。あの島の様子は分らねえが、此処まで見えるならこれから千里眼名乗るのも悪くねえな」 「……はは、千里眼どころじゃないですよ。それはもはや――」 「神の領域、ですね」 開かれた自動ドアの先には、持田の姿があった。彼はギンに近づき、その姿をまじまじと見つめる。 「何だよ、今になって品定めってか?」 「うーん。ちょっと育てすぎましたかね」 持田の言葉に、飛鳥が敏感に反応する。まっすぐに持田を見つめ、彼女は言った。 「今更ですよ、それ。人と為ったギンさんが、加速度的に力を高めていくのは事前に承知していたこと――もしここで『叩く』なんて言えば、さらに厄介なことになると思いますけど。それに、彼の次の相手は『混沌』です。このくらいの力は、むしろ必要条件と言えるはずですが」 「やれやれ。あなたもアウターに情が移りましたか……ま、言っていることはあながち間違いでもないですし、今のところは保留としておきましょう」 その言葉に、飛鳥はほっと息を吐く。緊張した空気が弛緩したのを見計らって、ギンは持田に切り出した。 「おい、持田。カレイディアへの寄り道とやらも終わった所で、次の目的地はどこだ? 前に言ってたよなあ、俺にはやり残した宿題があるとか何とか」 「ええ。そうですね、そろそろ説明してもいい頃合いでしょう。と言っても、向こうに着けば嫌でも思い出すでしょうが」 「ですねー。ま、いい加減もったいつけるのも何ですし。――ギンさん、貴方には『英雄』になってもらいます」 英雄。常闇に居た一週間の間に、そう呼ばれる者達を何人見たことだろう。 「あ? ってことは、俺もカレイディアに飛ばされんのか?」 「いえ。貴方がこれから訪れる世界は『混沌界』。現在のカレイディアと同じく、その世界はある一つの存在によって大きく歪められています。そして」 持田はゆっくりと腕を持ち上げ、人差し指をギンにつきつけた。 「それに唯一対抗できる存在。かつて混沌の王と戦い、紙一重で敗れた者。予定が狂ってしまいましたが、次こそはきちんと王を倒し、世界を救いなおしてもらいますよ」 その時、持田の言った名前をギンは知らなかった。だが、その存在は確かに、彼の中に在るのだ。 「暴虐なる英雄『ツヴァイ=シルバー』。行きましょう、私達の正当な未来のために」 ========== 〜日本某所-狗神道場〜 経緯はともかく、今この瞬間を恵に見られたと仮定すれば、さしもの狗神でもフルボッコは避けられないようなそんな体勢で二人はいた。 「……あー、負けだ負けっ! やっぱクソ強えわ、おめえ」 「当然だ。これまでかけてきた時間。鍛錬の質。環境。全てにおいてお前よりも優れている自信が俺にはある」 板張りの床に背をつけて苦笑いする少女。その上に覆いかぶさるようにして彼女を見る狗神。 「で、俺としてはそろそろどいて欲しいわけだが。そこんとこどうなの狗神さん」 「……勝負というのは、常にリスクがつきものだ。勝者は敗者に対して、時に生殺与奪の権利さえ行使することができる」 いつもと同じむっつりとした表情のまま、狗神は室井の薄い胸へ手を伸ばす。 「マジ……っすか? いや、ほら一応俺男ですよ? それにこれ浮気ってやつじゃないっすか? めぐちゃんに知られたら何て言うだろうなー」 「あっちは多忙で、最近中々構ってもらえなくてな。たまにはこちらからこういう形でアピールしてみるのもいいかもしれん。それに」 少しだけ口の端を吊りあげて、狗神は目の前の無力な少女を嘲笑う。 「今のお前は誰が見ても女だろう。それでも『自分は男だ』と主張するなら――その身体に、聞いてみるまでだ」 おそらくこの先の人生で二度は使わないであろうその台詞を、彼は淀み無く発する。 「折角の機会だ。こういう体験も悪くないだろう」 「っ……!」 狗神がゆっくりと顔を室井に近付ける。両手両足はそれぞれ彼に封じられているため、彼女にできる抵抗と言えば、せいぜい彼から視線を逸らして、強気な瞳をきゅっと閉じてその瞬間を待つくらいのものだ。 「ワンコー、いるー? 偶然近くに寄ったから来てあげた……わ……よ…………」 狗神の唇が室井に触れるか触れないか、その瞬間。恵の声が、道場の中にゆっくりと響く。 「えっ」 「……えっ?」 「……わ……んこ……ッ!!」 遅れること数瞬。室井を突如、落下の感覚が襲う。こちらの世界からカレイディアへ――あるいは逆の時も、室井は同じ感覚を味わっていた。 「え、え、っ」 突然すぎる異世界への誘いに抵抗することもできず、室井は床の闇に呑みこまれる。 「ワンコっっ! 私に隠れて浮気ってどーゆーことっ!? その女……え?」 「え……? ……女?」 落下する室井。それと共に、自分の意識――これが『魂』と呼ばれるものなのだろうか――が、身体から抜け出るのを感じる。途切れ途切れに聞こえる何やらの声に交じって、狗神の声が辛うじて届いた。 「めぐ。それは誤解だ。今のは――男だ」 同時に景気のいい打撃音が聞こえたことから、彼の言い訳が九分九厘失敗したであろうことは容易に想像できた。今度はこっちが今のをネタにしてからかってやるか――そんな事を考えながら、室井は再び戦いの大地へと赴く。 |
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今回の滞在 | ||||||
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Message(Personal) | ||||||
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Message(Linkage) | ||
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召喚士におねがい | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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レベルアップしました(EXP-140)
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アイテム工房(支払&次回の予定) | ||||||||
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攻略の時間になりました!! | ||||||||||||||
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