自称王様の一週間

「カウンターの度に相手の生命力を貰えればもうちょっと戦えるんだけど…。アレもそう都合よくたくさん取れないのよね（はふ）
覚醒なんてのも、そう気軽に起きるモノじゃないし。やっぱ地道に強化して正面から行くしか？」

「例の四天王さんはお約束通り　とうとう雑魚に成り下がったみたいね。
ひっくり返した先のことまで考えることも、その場の欲求や衝動を抑えることも、簡単ではないもの。やりたい方へ正直に流れちゃうものなのよ。
さっきだって、取引メイちゃんが――

凄く…（嫌な予感が）大きいです…　よね…。」

「何も知らない状態で慕われても、動じずに王の道を歩む自信がある、と。…ああ、貴方が言うと本当のことのように聞こえるわね。これもカリスマの成せる技かしら。
数人に慕われれば、それに呼応するように人が集まるものでもあるし。
…王たるもの、弱みはそうそう見せないってことね。」

「もし困っている子が居ても、此処でなら誰かしらが助けてくれるのでしょうね。
…ここからじゃ、元居た場所の様子も情報も、何も分からないのよね。あっちじゃどのくらいの時間が流れているかすら、分からないし…。ちょっと、気になるわね。

――（首振り）
まあ、此処へ来る前の貴方がちゃんと仕事しているなら、数日は目を離しても平気なんじゃない？」

「そうねえ。預金下ろした後は即座に使わないと。うっかりコンファインの申請忘れていた……なんてやらかしたら、笑えないわね。」

「悩ましいわね。今は、もうすぐ学院攻略も終わりそうで……次の場所の特性が分かるまでは装備強化の方向性に迷う節もある。
ともあれ、特殊工房では能力値は伸びないから、付加が終われば工房で能力の底上げを　って流れにはなるんじゃないかしら。」

「遊び心があるのは悪くないけれど、遊び過ぎると退治されちゃうのよね、と。ちゃんと自制できるのは良い王様。
で、モテるのも、王様だから？称号のおかげなのかしら。我ならばー…くらいは言うと思ったけど（にや）」

「あるある。王族を騙る偽物だって現れる。…実際は疲弊することのが多いわね。
堂々と名乗れないくらいには薄汚いし、失敗すれば最悪、社会的にも殺されかねない。」

「王様なんだ、あなた。身分がどうとかに興味はないけれど、放つオーラみたいなのは漠然とだけど感じるわ。それがあなたが言う威厳みたいなものかしら。

口先だけでならどうとでも言える…馬脚を現すのはあなたかわたしか、どちらかしらね。
(薄らと感じる何かしらの存在に興味を覚えればそちらを見やり)」

「そうね。それで変わる様ものなら、とっくに誰かが諌めてるとわたしも思うもの。
度量も広いのね、あなた。でも、そうね…確かに工房が使えなくなるのは困るわ。接する機会もその分だけ減ってしまうもの。」

「その言葉だけでも嬉しいわ。わたしにしても色々と試してみたいことはあるし、お互い様ね。」

「何をもってと問われれば、それはわたしの物差しでとしか答える術はないわ。だって、そうでしょう…？ 捉え方なんて人それぞれだもの。

見つけたら、そうね…その時に考えるわ。見つかりもしないで考えるのは、有意義でないと思うもの。」

「…あなたはわたしに何を教えてくれようとしているのかしら…？
(見上げた姿勢のまま、僅かに開いた口からそんな言葉が零れた)」

「工房に関する難しいことはわたくしには良くわからないのです……その。

お役に立てませぬでしたでしょうか？（細い眉を寄せると、首筋の産毛のような羽もふわりと持ち上がる――鳥肌）」

「生まれたときから……か。何だか難儀だなぁ。
王子にせよ王にせよ、子供の頃から偉いのは、
ずいぶん息苦しそうに思えてしまう。私なら耐えられんな」

「あ──だがラッパで目覚めるのは楽しそうだな！
王という奴は、生活の節目をラッパで迎えるんだろう。
テレレッテ、プルルップ、トロロット、タ、ター！　だ！」

「…………（情報処理中）」

「なるほど。お国柄……というやつかな。
私の故郷は、夏は昼夜問わず暑く、冬はその逆だ。
もちろん日が落ちたら多少涼しくはなるが……、
天候次第で湿気も多くてな、蒸し暑く、寝苦しいわけだ」

「ふむ。お前が伽にこだわる理由も理解できた。
そりゃあ、寒いと身を寄せ合いたくもなるものなぁ。
ラクダもずいぶん励むことだろうなぁ……なぁ、おい。
（訳知り顔でラクダの首筋を叩いている）」

「御期待に添えられなくて、本当に・・・申し訳ございません・・・。
（しなくてよい、と言われ、少しずつ平静を取り戻してきた）

以前の姿のときはそうでもなかったのですが・・・
この身体になってから、その不思議な感情がはっきりと・・・
強く感じるようになってしまって・・・。
（平静を取り戻してきたとはいえ、いまだに早い鼓動を感じながら）」

「（しばしうつむいて沈黙し・・・そして顔を上げた）」

「やはり・・・貴方様はあたしが思っていた通りの素晴らしい王様です。
こうしてあたしの今の心を汲み取り、それについてお考えになったこと・・・、
あたしはとても嬉しく思います。」

「いずれはこの不思議な感情も・・・理解できる時が来るかもしれません・・・

・・・ありがとうございました。
（感謝をこめた笑みを見せ、深く礼。　だいぶ落ち着いてきた雰囲気だ。
そろそろ飲み終えるかな、と様子を伺っている）」