ルーネの一週間

「そう……ですね。
　みんなそうなのかもしれないですね。
　何のために強くなりたいのかっていう理由は
　人それぞれでも」

「可能性を不意にしないためにも、
　日々欠かさず鍛錬せねばっ！
（ぐっと両手を握って、鼻息荒くむんむん頷く）
（どうやら自分を奮い立たせているらしい）」

「そういう風になれたらいいなと思ってはいるんですが
　一人で考え込んでドツボに嵌る事の方が多いので
　……精神面でも要鍛錬です」

「……ま、まーしゃるさん？
　（E-No9の人のことかしら……）」

「あれっ？
　て、てっきり猫科の半人か妖魔の方なのかと
　思い込んいたんですが……ち、違ったですか……？
　そ、その……猫の耳もあったので……」

「わ、私も猫っぽく見えるのは外見だけですっ。
　魂は人間だし、な、中身だって猫とは程遠いと――」

「――って！　ゎッ、やっ！
　ね、ねこじゃらしは、ぇっと……ぁあアレです！
　私は猫じゃナイのデ別にヘイキですけド
　かっ、カラダにヨクないとうちのおばアちゃンが
　言ってイタので……！　その……ちょっと……」

「ふふふ、ルーネさんですね、はじめまして。私、マーブルー・ホワイトバックと申します。
確か、腕の立つサムライさんだと聞きました。剣で何でも切れるけど、猫は切れないだとか。
それはそうと、アルフレッドさんからの伝言が……。
ルーネちゃん？ルーネちゃん！ルーネちゃぁあああああん！！
いったい、何のつもりなのか分からないですけど、アルフレッドさんはルーネさんがお気に入りみたい？」

「……呼ばれました。入札内容を伺います」

「……指定No125124の出品は存在しません」