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Diary | ||
(彼女の日記帳) 愛書狂と活字中毒は大いに違う類のものだ。 活字中毒者が本を読むのは活字に常に接しなければならず、愛書狂は内容で無く書籍を愛する者だ。全ての読者に本を、と唱える者は活字中毒であり、全ての本に読者を、と唱える者は愛書狂である―― 酷く大雑把にそう纏めたのは、活字中毒者の梟であった。私には両方に知人が居て(片方は人で無いが)、愛書狂の方はあまり記憶に無いのだが、常に青白く不健康そうで、長い黒髪と瞳だけを輝かせていた若い女だった。 彼女は私や犬が上官に連れられて書架を訪れた際には、獣の毛が本の表紙を汚すのを嫌がり、結局私達は建物のすぐ外に何時間も待たされる事になったものだ。とは言え彼女の主張は尤で在ったので我々も其れに従い、人間の姿の幻術を纏える様になるまでは以降寄り付く事も無かった。人の姿に在ってすら一度か二度書架を見て回り、人間の上官達に頼まれた本の捜索を手伝った程度だ。一体あすこに幾らの知識が蓄えられていたのか、其れを知れば私も幾らか戦の役に立つ何がしかを得られたのか――。そう思うと残念だったのかも知れない。しかし智識を得るのは銀獅子に求められたる領域では無い故に、差し出がましい真似をする必要も無かったはずだ。 私が梟に会ったのは其れよりもっと後の事で、王都の研究所から北の島を経て移った北海沿岸の基地であった。基地に元より居た動物兵は無く、梟もまた或る魔術師の使い魔として働いていた。しかしそうであるが故に私よりも多くの好奇心と意思を持っており、凡そ戦争のためにもならない様な物語すら彼は知っていた。 普段は夜間の哨戒と金銭の計算を手伝っていたらしいが、そうでなくてしかも眠っていない時に色々と語り聴かせてくれたのは、驚くべき世界のただならぬ物語――。基地に居た他の動物達も其々に面白い話を知っていたが、何より多くの国と時と彩りを知るのは彼であった。 当時から、今も私は思う。其れが何の役に立つのだろうと。直接、彼にそう伝えもした。我々は皆、人間のために造られ、生かされ、智慧を付けられた。望みは祖国に勝利を齎す事のみ。女王陛下と我が国民のため、戦争に勝つ。其の過程に於いて、幻想の物語が一体何になるのか、と。 彼は青みがかった灰色の羽を膨らませて片目を閉じ―― 今から思えば、あれはウインクだったのかもしれない―― そして、こう云った。 ――幻想が現実に結実する事は少ない。とても少ない。だが、若き獅子よ、胸に留め置くが良い。問わず語りとても、世界を見つめて記憶し、歴史の空白を埋め、或いは語られざる発見されざる…掬われるを待つ物語を、しかと見詰めておくのだ。我々は皆、驚嘆すべき世界のただなかに生きている。日々世界は奥行きを増している。塔は倒れ山は崩れ海は埋まり星座は綻びようと――。 彼の言葉の意味する処は理解出来ない。しかし私は、物語を覚えているようになった。梟の語る物、人間の語る物、雀や燕、鴎、馬に鯱…そして、ソムナンビュリストの。 読書狂の書架を前に、不思議に思う。はて、読書狂は愛書狂と活字中毒のどちらだろうか。此処に在るのは、数多の智慧か、掬われざる物語か。 …此れが私か誰かの智識に、力に、或いは慰めになるのだろうか。 ―――――――――― (彼女の走り書き) ソムナンビュリストに本棚上段の本を取ってくれと頼んだら、寧ろ踏み台にしてくれと言ってきたのでそうした。 |
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今回の滞在 | ||||||
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Message(Personal) | ||||||||||||||||||||
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Message(Linkage) | ||
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召喚士におねがい | ||||||||||||||||||||||
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Lvup | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レベルアップしました(EXP-140)
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アイテム工房(支払&次回の予定) | ||||||||
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攻略の時間になりました!! | ||||||||
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