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Intermission -1- ========== 『万華界へのリンク、完了す。調査隊の皆さんはスタンバイどぞー』 緊張感の無いオペレーターの声が艦内に響く。間もなく動き出すカプセル型転送装置の近くには、5人の人間がいた。 「第一目標は『室井 学』の観察。第二に他の英雄、並びに召喚士一味の構成の把握。よろしくお願いします」 「はーい!」「了解しました」「ふ、ふふ復唱致します! 第一目標は室井まにゃ……まにゃぶ……」 持田の言葉に、三者三様の返答を返す三人。ただ一人、返事をせずにそっぽを向いている者の様子は、明らかにその組織に属している者とは一線を画していた。白一色のお堅い制服に身を包んだ四人とは違い、彼はジーンズにTシャツ・その上に羽織るのは薄汚れたマントと結構なフリーダムぶりである。 「ギンさんは適当に過ごして頂いて結構です。滞在期間はおおよそ一週間ですから、それまで各所を見て回るなり、飽きたら艦内に戻って頂いても構いません。ただし、あちら側の住民との過剰なコンタクト・あらゆる戦闘行為は一切禁止です」 「おーおー、よりによってこの俺にそういうこと言うかい。破ったらどうなる?」 「……どうしましょうか。今貴方を失うわけにはいきませんから、下手に傷つける手段をとるのはどうも」 「いいんじゃないですかー? 持田さん、もう『コンファイン』はトレース済みなんだし、ギンさんの魂だけ抜き取ってじっくりお灸を据えた後、後で適当な依代に詰め替えればいいじゃないですかー。幸いここは、本家コンファインを生業とする召喚士が棲むカレイディア。依代には不便は無いでしょ」 舌足らずな口調で、三人のうちの一人――仙崎 飛鳥が言う。 「ええ。そうですね、ではそういうことで」 「うーむ……正直、あんたらとも一度戦ってみてえといえばそうなんだが、今は気分じゃねえな。わーったよ、暫くは大人しくしてるわ。あ、そういや前言ってた将棋の棋譜は?」 「ええ。データを送ってもらうのは容易ですよ、少々時間はかかりますが。ついでにめぼしい近代戦術の資料も頼んでおきましたから、両方合わせて万華界から出立する頃には届いているでしょう」 っしゃ、と小さくガッツポーズをとるギン。彼の意識はもっぱら将棋の方へ向いているようだ。 『座標指定完了。エリア・黄昏に沈む港‐差し押さえ港へぶっ飛ばします。グッドラック』 「では、あちらへの上陸と同時に各個人での行動を開始して下さい。私は古代遺跡と万華鏡の城方面を調査した後、室井 学の観察チームに合流します。君達は港の調査の後、仙崎さんは硝子細工の森、水戸さんは祭祀殿、月島君は学院の調査を。情報を得られた所で室井 学の所へ向かうとしましょうか」 ========== 散開の後、持田はまず『万華鏡の城』へと足を向けようとした。しかし、それはつまり『彼女』の拠点へ一人で乗り込むということになる。虹の橋無しで浮遊城まで移動し、さらにそこから可能な限り秘密裏に調査。無茶とは言わないが、かなりのリスクが発生することは明らかだった。 「……ええ。あちらとの決着は召喚士御一行に任せるとしましょう」 予定を変更し、古代遺跡の谷へと向かう持田。本音では、彼の興味はむしろこちら側にあった。遺跡に眠る古代科学の結晶――その技術を現代に蘇らせようとしている老人がこの辺りに住まうことを、ある筋から情報として仕入れていたからである。 野生の獣達を適当にあしらいつつ、持田はその人物の住処を探す。『彼女』が世界を闇に叩き込む以前からこの場所は危険地帯扱いされていたためか、やはり人らしい人は見当たらない。 「逆に言えば、こんな所に居る酔狂な人物はその人のみ、ということですかね」 点在する遺跡は無視し――立場上、知り過ぎることもまた枷になるとの判断だ――それらしき場所を探す持田の前に、薄汚れた外壁の建物が現れた。 「……『長月研究所』。間違いないですね」 古代遺跡に程近い荒地に、その研究所は在った。建て付けの悪そうなドアをノックしようとした持田の背後から、良く通る音程の高い声で男が呼びかけた。 「キミ、うちのラボに何ぞ用かいな」 カレイディアンの男は、そう言って持田を出迎えた。 「ええ。長月 宗一さんですね。私は持田と申します」 ========== 「お待たせっ☆ さくら屋名物姉妹どんぶり2人前、ただ今到着しましたっ」 「しましたっ☆ そういえば最近よく見るねぇ、狗神先輩とそこの女の人。恵さんという人が居ながら堂々と浮気とは、流石は七堂塚高校在学時代『唯我』と呼ばれただけあるねっ」 「はっはっは。全くやるもんだわ、い・ぬ・が・み・くん?」 「五月蠅い、黙って食え。……今日は納豆と秋刀魚のハーフ&ハーフか、まだ当たりの部類だな」 狗神の道場にほど近い大衆食堂『さくら屋』。高校の時の狗神の後輩である茶倉美奈・美乃の実家でもあるこの店は、今でも高校の同級生で集まる時等で訪れる事が多い。彼らの母校『私立七堂塚高校』とも遠くない距離にあることから、夏の夕刻などは部活帰りの学生がだべっている姿も時折見られる。 「むぐむぐ。ま、俺は美奈ちゃんと美乃ちゃん見られるだけで十分だけどな。今日も可愛いねー二人とも」 「もうっ☆ お姉さんったら上手っ! でもお代はまけないよ」 「分かってますって。本業の方でしたたかさも身に付けたと見えるね、こりゃ将来が楽しみだわ」 高校を卒業した後、彼女達二人はいわゆるアイドル歌手デュオ『Southern Closs』として活動している。双子ならではのコンビネーションが人気を博して、デビュー2年目にして今ではちょくちょくテレビでも見かける存在だ。 「しかし、最近は双子タレントとやらも増えたからな。俺はその業界とやらには疎いが、もうコンビというだけで価値はそれ程生まれないんじゃないのか」 「……そうなんだよねー。むしろ二人で活動してると、何でも二分の一になっちゃうっていうか」 「そうそう。ギャラも知名度もファンの数も、みんなみーんな二分の一。それで労力は同じっていうんだから」 「だから、ね、美乃」 「そうそう、美奈」 二人は目配せし、ふふ、と邪悪な笑みを浮かべた。 「こいつには早く☆」「消えてもらいたいな、って☆」 「逃げるぞ、室井」 「ごっそさんっ! また来るよー、二人とも」 「さっさと消えろって言ってんだよ劣化コピー☆」「はっ、私より三分年増が何か言ってるねっ☆」「黙れよヒヨっ子さっさと結婚してこの寂れた食堂のおかみにでもなっちゃいなよ☆」「うっせえこの前の測定で私より1cmバストサイズ小さかったくせに☆ 他は全部同じだったのに胸だけ負けるとか☆ しかも姉が☆ 悲しすぎる」 そこから先は肉が肉を打つ音しか聞こえなかった。余談ではあるが、普段のコンビネーションとは裏腹なこの姉妹間闘争も、彼女らを新しいタイプの双子タレントとして押し上げた一因である。果たして彼女らがそれを自覚しているのかは不明だが。多分100%理解していないが。 そうこうしている内に、狗神とポニーテールの少女――室井は、道場までたどり着いていた。双方共に合気道の道着姿だ。 「サリアさんは『そろそろ始まる』と言っていた。今日は実戦形式での総仕上げだ、今回のみ手加減はしないから覚悟しておけ」 「望むところ。……って、今まで本気じゃなかったんかよ」 「力の出し所はわきまえねばな。俺のためにも、お前のためにも」 道場の門戸を押しあける狗神。それに付いて、室井も踏みなれた板張りの床をゆっくりと踏みしめ中へ入る。 「しかしもう6カ月か、早いもんだな」 「カレイディアとやらはさらに早かったんだろう。さあ、其処と此処でお前が身につけたもの、拝見させてもらうぞ」 狗神が両手を前にして構える。続けた室井のそれも彼と同型。 |
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今回の滞在 | ||||||
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Message(Personal) | ||||||||
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攻略の時間になりました!! | ||||||||||||
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