クレイブンの一週間

「いやッ、年寄りは昔語りが好きなものゆえ喃…ついつい話も長くなるが付き合ってもらって、儂のほうこそ感謝しておるよ。　おお、冷たい水とはかたじけない（水を受け取り一気に飲み干す）　…そういえばもう夏か。　気づかぬ間にここに来てから随分経ったことになる喃。」

「…たしかに、中には軍人とは思われぬような者もおるが、そういう者たちはむしろ厳しい軍規で縛られるよりも、自由であるほうが本来の力を発揮するのかもしれん。　あの『アナ』もああ見えて、聞いた話では先の戦闘で随分な武功を立てたとか…　彼女もそういった『英雄』の一人ということになるのかな。」

「…しかし正直、最初はこのような烏合の衆の寄せ集まりでどうなるかと思っておったが、これはこれでいいのかもしれん喃。　いや、むしろこのくらいの柔軟性が我が皇国軍にも場合によってはあってもいいのかもしれん。　一億総玉砕、とまで言わずとも、死なずに戦を支える兵もまた立派な戦士であるゆえ…　が、一方で、散るが誉の心意気もあるということも覚えていてもらいたい。　死を美徳とするのはあるいは我ら皇軍だけなのかもしれんが、いずれ前線にていつ死ぬとも限らぬ身、そこに意義を見出すための心構え…とでも言うか喃…」

「…うむ、まあ良い。　む、確かにまあ我が国においても貴重な銃であることは確かであるが…貴殿は銃に興味が？　ふふ、儂のまわりじゃあ退役の連中は訓練のころを思い出すから、とか言って軍関連のものは最早見るのも嫌といった素振りをしておったが喃…　撃つのは苦手であっても収集するには面白いものなのか喃…」

「覚えがないのですか？
「英雄」の方に用があるのですが、仕方ありませんね

……ほうきを選んで頂いた事ですし
工房の吸殻を掃除していただけますか、クレイブンさん」

「ふふ、殺すだなんてとんでもない
……きちんと掃除してくださるなら、ですが
よろしいですね？
（断ったら、命が危ないような気がする）
（きっとギャップを気に入ったんでしょう）」

「気は、別に悪くしていないぞ。
実年齢に合わない中身だとよく言われたものだ。
（ちょっと遠い目をした）」

「…そういえば、外見が変わったということを言っていなかった。
驚いたのではないか？
突然知らない女が…馴れ馴れしく話しかけてくるのだものな。
すまない。」

「モデル…ガン。
本物ではないということか。
違いがわからない。それだけ似ているということなんだろうな。

当てる、つもりだが…
私はアナに攻撃することも多いしな。
クレイブン、当たったらすまん。
（大事になるとは思っていないので怖いことをさらり）」