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美しい花に囲まれた赤髭の大きな少女。
爽やかな空気が吹き抜ける。それは終末の風なのか。
いや、始まりの予感だったのである。

メルンテーゼに轟く大音声。
あのブランチマンの全盛期の雄叫びにも匹敵するような雷。

そこに大きく現れる、樹木のような人影。
何と、もう一人の髭の少女が現れたのである。

少女はすぐさま、パワーチャージの構えに入った。
そして、最大級のデスペレイトタックルを放つ。

あなたの残影を取り囲むような合成で一時期流行った巨大丸太らしい腕。
何が何だか分からない。

そこに乱入してきたのは普通の少年だった。
髭の少女たちと比べると、まるで赤子のような大きさだ。

パワーチャージの構え。

そして五十年に一度のデスペレイトタックル。
悪は見事に砕け散った。

こうして、少女の姿は花弁の中へと掻き消えた。
まるで幻のように。しかし、あなたとのつながりは消えていない。
それどころか、ますます強くなった…らしいだろう。
これからもよろしくお願いしますと思う。

「ありがと、春蔵。
　そろそろ憲子と打ち合わせもしなきゃならないから、
　……失礼するわ」

もったいぶった言い方をする割に、遠慮なく手を引こうとする。

「今日も面白かったわよ。ずいぶん」



「……」






「明日はどこに遊びに行きましょう？」

穏やかな言葉とともに笑顔。
その表情が誰の、どちらの見せるものかは、
あなただけが気付いたかもしれない。