長く生きてると意外と世界の仕組みに興味を持つようになるのかもしれない

腕のすり身とかが入っていたりするかもしれない

今からでもいろいろと考えているようだ。ちょっと決意のある声である。

ちなはすっかり呑まれておねんね中です

気絶してしまって言葉は届いているのか居ないのか・・・耳はぴくぴく動いている気はするが
詰まっていた息もだんだんゆっくりになってきて、気絶から睡眠へと移行しつつあることが伺える
そのときはちなだけでなくその妹弟、母親も混じりとんでもないことになりそうだ。
人間が間違って近付いたら一瞬で溶けそうな空間が形成されて・・・

きっとツヅミさんに教えられたこともそんなに応用せずに使うので結局策士策におぼれる状態になるので安心してください（？）

手際よく一人と一つが食材を刻んでいく

妖狐の言葉に不安げに眉を顰めて。

ぐりぐりされながら照れたように視線逸らして尻尾をぱたんぱたんと振る。

選ばれたのだろうと空色の瞳で見つめ。

ショックが大きかったせいか、ゆらりと身体が傾く。

啞然とし。

このところツヅミからするある人物の匂いににやにやとしたり顔で頷く。
そして真剣な面持ちになり。

想像もつかないくらい長い時間を生きた妖狐が語る愛に心の中で幸せを祈る。

くすくすと笑い。

それでも、少しでも縁のある者なら同じように愛せないだろうか、と自問自答してみる。

二人でわかりあっちゃってずるい！とツヅミと蔓のやり取りを見て言いかける前にツヅミに抱き寄せられ。
そのまま蔓と共に気持ちよさそうに撫でられる。

どこか納得がいかない顔で唸る。

むむむと赤い顔で呟き。

遺伝子に刻み込まれた服従の呪いがギリギリと意志を締め付けるのに顔をゆがめ。
まっすぐな妖狐の視線にもう2歩下がる。

仔狼の瞳にゆらりと希望の光が揺れる。

すべての獣人は飼い主を持ち、

首輪を付けられた上で家飼いのペットとして

管理し愛玩されるべきである。

よって主を持たない自由な獣人は捕獲され、

一定期間その身柄を拘留されたのちに

処分されなければならない

目の前の妖狐に自分の潜在意識に刻み込まれたこの規約が解けるというのだろうか？

くすくすと笑いながら肩を竦め、顔を戻す。

撫でる手が、ふと止まり、何かを振り払うように再び動く。

触るって何をだろう、と疑問に思いながら首を傾げる。
この場に居ないエンブリオは何処かで火の粉混じりのくしゃみを一つ。

改まって相対されれば鍛冶師も表情を引き締めた。

なればそれを受け取りましょう、と差し出された鉱物を受け取る。
そしてをそれをじっと見つめて

そう告げ足早に己が戦場、鉄火場へと向かう。

そして日が沈み、月が昇り、その月が地平に隠れ東の空が白け、再び昇った日が天が中天に届く頃。

その手に携えた槍は飾り気の乏しい深緑色の柄に穂先は鉱物の色をそのまま宿した十字。
鍛冶師は陽光を受け輝く穂先を眩しそうに見つめている。