呱々。それで良い、それで良い。
だいたい全てを疑えと云い含めても、そなたはすぐに相手を信じてしまうじゃろうからの！
ぬしの心の一隅に儂が住んでおるならば、きっと大事なる前に引き止めてやれようというものよ。

ん？　……ふふ。そうじゃな、そなたは幼い時に親元から離れてしもうたのじゃったな。
母親代わりは少々納得いかぬが、ま、扱いは悪くはない。
大人になると甘えることが出来なくなるからのう。偶にはこういう時間も悪くなかろうて。

そうそう。氷もゆっくり溶かしていくほうが、まろやかな味になるしの。
心ならば尚更じゃ。
そなたは頑なな心を癒やす方向にとても向いておる。周囲を和ませる才覚というか、優しさというか。
儂はきっと、そういう処に惹かれたのじゃろうなあ。

ん。……呱々、云うてくれるではないか。儂を慰めようとは百年早い。
むしろ儂としては、ビス、そなたが心配なのじゃぞ？
ぬしの場合、自分の心が血の涙を流していることに気づかぬように思うからの。

はは、魔法そのものもロマンチックなものと云うか！
確かに確かに。人の子にとって、触れずに事を成す奇跡のような技がどれだけ憧憬を抱くものか、忘れておった。
多くが才能と努力の壁に挫折するが、それでも諦めきれぬ一握りに者だけが魔法使いと成っていく。

ああ、夢か。良いな、それはとても、良い。

くく。いや、苦手そうだなぁとは思うておったよ。
そなただけではない。人は、自分を語るのが苦手な生き物さ。嘯き、飾り立てるのは得意なくせにの。

前に儂は『物語を集めるのが趣味』と云うたろう？
儂はずっと、そなたの物語を心に収めてみたかった。故に、様々な手管を使って誘いをかけてきた。
そうして聴かせて貰ったそなたの物語は、とても楽しくて、とても心地の良いものだったよ。

物語とは過去だけのものではない。
自然を愛する表情、友を懐かしむ言葉、家族を想う心、すべてをくるめて、ビスの物語と成す。
今のぬしなら、儂の云うておることも理解しよう。ふふ、大魔法使いビスの魔導書、覗くのが楽しみじゃ。

――そろそろ、お別れじゃ。
ビスよ。有りの侭を愛すことの出来る、優しき魔法使いよ。
そなたと語りおうた一時のこと、儂は絶対に忘れぬ。この誓いは、いずれ銀の光となって果たされよう。

そういえば、最後までそなたが男か女かを知らぬままだったの。

へぇ この辺にそんな所があったんだ？
こっちに来てから全然探してないから知らなかったわ

少なくとも安心して良いレベルじゃないかな
前のピクルスも悪くなかったし

ふむ なるほど
残念ながら私は一揆が終わったら元の世界に帰るのでその誘いには乗れない

……と言う冗談は置いといて
一揆が終わったら露に案内して貰って食べ歩きをするつもりだから
ビスも一緒に来れば良いんじゃないかな

…………ビスって露と会った事あったっけ？

やまのぼりも……だんだん……なれ、てきまし……たわ……

おい虫の息じゃないか貴様

今日の獲物はこいつらか？

アドニシア、教えたとおりに

戦闘、開始します

いきます。

ニシシシシッ・・・・・たっのしそーっ！！

・・・・・やれやれ、です。

働いてくれますね？可愛い可愛い生なる者たち・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・

やっと・・・・・やっと、思いっきり・・・・・泣けるのね・・・・・

やっと・・・・・やっと、思いっきり・・・・・泣けるのね・・・・・

やっと・・・・・やっと、思いっきり・・・・・泣けるのね・・・・・