やぁ、２人に会えてよかったよ。急に居なくなって悪かったね。面倒な事になってて一度故郷に帰ってたんだ。
本当は上司っていうかうちの一族の一番偉い人が来てるから、その方の護衛をしないといけないんだけど……どうしても２人には会いたかったからね。レフィ様の能力で探して貰って、２人と話す時間だけは確保できそうだ。

あれから歌う事は出来たかい？　出来てないなら私と一緒に歌おう。何でもいい。前に望まれた鎮魂歌でもいい。

エルみたいに辛い思いをしたら、なかなか立ち直れないんだろうとあんまりそういう気遣いが得意じゃない私にもさすがに分かる。でも……エルをかばっていなくなった人にとって、エルは命がけで守りたいものだったんだ。自分にそんな価値はない、とか卑下はなしにしてくれよ。その人たちの思いが無碍になる。

エルはその事に気付ける子だと思ってるよ。変われないなんて事はない。今まで話させてもらった私がそう信じる。

エルと一緒にロウも変わっていくのを望んでいるんだな。私の同族の中でも“モノ”扱いされてるって言っていい私だが、ロウにとって私は“モノ”に見えるかい？　何に見える？
“モノ”と違うものに見えるなら、私と同列の異端児に並べられる“アイツ”の話はきっと役にたつ。セルフォリーフって世界に居るって言ってた。ロウの世界を経由して行けるかな……。レフィ様の協力があれば確実なんだけど。

確かな場所さえ分かってれば私もロウやエルを連れてても異世界移動は出来るんだが……一度故郷へ戻ってたからついでに調べてこれば良かったな。

それと……大切な守るべき子を泣かせて悪かったね。私のやり方は少々強引だったかもしれない。だが……後悔はしてない。声を絞り出すようにして話してくれるようになったのも“変化”
私は……今までの私達の扱われ方に叛意を、上に対して訴えるのを決めたよ。戦争になる程にゃ絶対数が居ないし、私寄りの個体も多くはないが……時間がかかっても必ず何かを変えてみせる。

これは私が変化した分で、エルやロウの影響は否めない。……感謝してるよ。私が“アイツ”の意志を継げるかもしれないからね。

やれ、私の力の本質は別のところにあるのだがねえ…

さっさと片付けないとね。

言葉が届かぬというのならば、届けるまで・・・です！

けだものが相手・・・。駆除して早く先へ進む。

貴様は私がここで、止める・・・ッ！！

ここなら少しは味わわせてやれるかのぅ、・・・あたし様の力をッ！

…………。