噛みしめるような鸚鵡返し。
そうか、乾いた声でぽつりこぼすと、

ふ、と表情を緩める。

そう締め括ると、エステルに背を向けた。

こちとら、それが専門の様な生物である。
カミサマとやらの厄介具合にもよるがね、と肩を竦めた。
リスクが高ければやるつもりはないとも付け加えつつだが。

今まで出逢ってきた者達は自分の世界から飛び出せないモノのほうが多かったのに。
このメルンテーゼだってどれほど他の世界からの来訪者で満ちているものか。
……もっとも、もしかしたらそれはこの並行世界近辺だからこそなのかもしれないが。

しみじみとしたつぶやきである。
実例をどれほど見てきたのだろうか。
その眼差しは遠い。

遠い未来云々には小さく笑い返した。
カッコイイ云々には頬を掻く。
気恥ずかしいのである。