……ブルーノちゃん。

あれ、リイオさんじゃねえか。どうしたんだ。

……多分ね、多分だけれど。
あなたと会うのはこれで最後、そんな気がするの。

ン、そうなのか。
それって魔女のカンってやつか？

どうかしらね。

？

……変ね。
私が過去にイメージしたトカゲの鱗より、なんだか頑丈だわ。
あなた、心も強くなった？

ああ？どういうことだ、それ……

私の魔法はね、心の状態によって、歯車が花になったり、
素敵な気分の時には勝手にハートマークが飛んだり……
ちょっと変わってるのよ。

何か思い当たる事は無い？

……。そういえば。

ふふっ、やっぱりね。

アレも心が強くあろうとするから、とか、
仲間を守りたい心が〜とか、そういうことかね？

さあ、どうかしらね。
正直、私も自分の魔法について詳しいことはよく知らないのよ。

なんだそれ

まあいいじゃない、人生、曖昧な方が楽しいことだってあるわ。
それに……

今のあなたにはその体が必要。
そうじゃない？

……断言はできねえけど。
無いと困るかな。

……ひとまずは、その言葉を聞けて安心したわ。

そうかい。

……そろそろ行こうかしら。
元気でね、ブルーノちゃん。

ああ、アンタも……

彼氏？だか、彼女？だか、ウーン、わかんねえけど、

大切な人と幸せにな。

ありがと。

『……ほんとうに？』

『とっくんってどんなことしたらいいのです？』

『だって、ブルーノおにいさんはいえにかえるとちゅうだったから…
小生があんまりわがままをいってこまらせたらだめなのです。』

『こんどはこっそりじゃなくて、きちんとおにいさんにあそんでっていうのです！』

ああ、ガルボさんやアマドにも世話になったから、それも兼ねてね。
それと、もう一人……前に訓練場で会ったときに女の子も居たから、その子のぶんも。
まだ話したことは無いけど、一人だけ無しっていうのも難だろうから。

そう、なんだ……。
不定期的にってことは、いつまたそうなったり、戻ったりするのか解らない、ってこと？
それは、その、……ごめん。

……それでも、元々はその魔女の――

……僕のは、そのどれでもなくて……
僕が暮らしていた世界で、“奇跡”って呼ばれてたものの一つなんだ。

「人の姿をした狼を明かす」「血と魂から肉体の有り様を導く」もので、
……重罪を犯すような人は、本当は人間じゃなくて、人に化けている獣で、
その本来の姿を明らかにするって、言われてた……。

……。あやつ、もう先に帰っただろうか。

ふむ。嗅ぎ慣れた魔力の残滓があるかと思えば、
人違いのようだったぞ。気にするな。いや――

あの時は面倒をかけたな。

よし、頑張ろうか。

早く終わらせてメシにしようぜー

私ノ朝ハけろっぐこーんふろすてぃカラ！