<Days39>



「痛っ！！」

　水の中に足を浸して歩いていた私は思わずそう声を上げていた。
　私のその声をきいて、隣にいたルシエ・ソルブランシェが心配そうに私の事を見つめた。

「どうしたの？大丈夫？」
「あ、だ、大丈夫、多分なんか鋭い物に触っちゃったみたいで……。
「それは結構危ないですよ、早く水からでないと！！」

　そう言って彼女は、私の事を水から出ることを促し、そのまま近くの岩場を指さした。

「あそこの岩陰で、状態を見ましょう？雑菌でも入ったら危ないですよ」
「う、うん、そうだね」

　私は彼女に促されるまま岩場へと向かった。

「それじゃ横になって足を見せてください」

　私に横になる事を促し、傷口を見た彼女は、やっぱりという表情を浮かべる。
　そしてそのまま私の足に顔を近づけるとその傷口に口を重ねた。

「え？る、ルーシェ？」
「悪いばい菌が入らないように吸い出してるんです、祀自身じゃやりにくいでしょう？」
「そ、それは……そうだけど……んっ」

　そう言うルーシェの口かが、傷口から吸い出しをすると、その吸い出される感覚になぜか気持ちが良いような不思議な感覚に陥り私は思わず変な声を上げてしまう。

「んぁ……ルーシェ……も、もういいよ……」

　私は気がつくとその顔を紅潮させながら、彼女にそう言った。
　傷口から口を離すと彼女は紅潮した私の顔を見た。

「大丈夫ですか？もしかして、何か調子悪くなったりとか…」

　彼女はそう言って不思議そうに、私の額の熱を測ろうと、その顔を近づけた。
　その顔が近づくと私は更にその胸のドキドキを抑えられなくなり、その顔が更に赤くなるのを抑えられなかった。
　私のその表情を見ていた彼女もそれを見て、なぜか気恥ずかしくなったのか、その顔を赤くしていき、私達はそのまま見つめ合っていた。
　そして彼女は横になっている私の身体に覆い被さるようにしながらその唇を私の唇に重ねて来たのだった。

「……んっ……ぁ」

　しばらく私達は唇をあわせていたが、彼女の背中越しに見える影に気がついた。

「ル、ルーシェ……、嬉しいんだけど……その……後ろ……見られてる……」

　私のその言葉に彼女は後ろを振り向き動きが固まる。
　そんな彼女に起き上がった彼女の耳元に私も恥ずかしそうに小さく呟いた。

「……続きは帰ってから、ですね」

　私の言葉に彼女は耳まで赤くなりながら黙って小さく頷いたのだった。


TobeContinued……

今回の日記もルシエ・ソルブランシェさん(2010)をお借りしました、感謝！！