一時期負けが込み、生産技能の鍛錬もできなかった頃が嘘のようだ。
虹色天幕一行の世話をするコガネ村もネクターの密売で潤っている。
新王による圧政は大多数のメルンテーゼの住人を苦しめているが
どうやらこの村には関係無いらしい。

虹色天幕一行はこの一揆真っ只中のメルンテーゼに降り立ったが
現地で虹色天幕団員と落ち合うという指令しか受けておらず、
この先何をするかについても指示されていない。
一応は何かあった時の為に進行可能なエリアを増やすなどしているが
一揆の成否などどうでもいい。
緑らにとってみればちょっとしたゲームに過ぎないのだ。

しかし、このようなスタンスは特殊なものではない。
逆に、このようなスタンスでの一揆への参加こそが大多数を占める。
多元世界の住人たちが押し掛け、あらゆる土地で行われる戦闘。
土地は荒らされ、建造物は破壊され、
そこに住まう者は奪い犯し殺される。
最近では特別新王に肩入れしているでもない妖精の森までもが
一揆勢の侵攻に遭っている。
一揆にストレスの捌け口としての暴力行為という部分がある事は否めないが、
巻き込まれる側からすればたまったものではない。
城内でもあくまで職務として前王から引き続き新王に従って職務に付いている者たちへの
略奪、陵辱は益々勢い付いてきている。
城内はまさに地獄絵図だ。