深く闇の底に潜るのは、一重に不死なる王の力を手に入れるためでした。
教えられた短縮経路を進みます。近づけば近づくほどに、不吉な雰囲気が空間を酷く濡らしています。
今や、私の中の本能は、戦意は、高ぶることを憚ることはなく、その感情のままに、斧を強く握り締めていました。

私は脆さを、儚さを欠如していて、人間に憧れているのは間違いが無く、その燃えたぎる膨大な戦いへの欲求は、私を人間と隔てるおおきな楔。この楔は、しかし、私には取り除けないものでした。取り除くことが出来るなら、出来るならそうしてしまいたい。
しかし、それが出来ないのなら、私はそれを認め、許し、可能な限りにコントロールして扱う。
私は、私はそれでいいと思う。心臓にまで深々と刺さった楔を抜き去れば、きっと私は血を吹き上げて死ぬ。
そんなのは、私の求める結末では、ないのですから。

そして不死なる王はその姿を現します。強大な力。
エンブリオという楔が、その契約者を現世に繋ぎ止め、無限の苦しみを与えている……。