うすぐらいちかろう。
そのなかを、猫たちはただもくもくとすすんでいきます。







たすけをもとめた猫は、さがしていたふたりのうちのひとり、しろいりゅう――キーさんとであうことができました。

キーさんは、猫のたすけをもとめるこえに、こころよくいっしょにいってくれることをやくそくしてくれました。
やっぱり、キーさんにたのんでよかった。
そのたのもしいすがたに、猫はおもわずえみがこぼれます。



あとは――

ぴくり。
いままで猫たちがとおってきたほうからだれかのあしおとがきこえて猫はふりかえりました。


「あ…　ロク君…」


『！！』


やみのなかからあらわれたじんぶつ。
くろいけがわのおおかみのおねえさん。
もうひとり、猫がこえをかけようとしていたセリィおねえさんそのひとが、そこにいました。
どうしておねえさんがここにいるのでしょう――？


そのこたえはおねえさんがおしえてくれました。


まえに猫がみんなをとおざけようとしていたときのこと。
猫とわかれたししょーたちは、猫のゆくえをおっておねえさんのもとへいきました。
そこでおねえさんのエンブリオ――きつねさんが猫のいきさきをししょーたちにおしえてくれたのです。

そのおかげで、猫はししょーたちとふたたびあうことができたのですが、おねえさんはそのことがずっときがかりだったみたいです。
そこで、きちんとであえたか、なかなおりできたかようすをみるためにちかろうへあしをはこび――



いざ、おねえさんをめのまえにすると、なにをはなしたらいいかわかりません。
ただ、ちからをかしてほしい、それだけしかいえませんでした。

ふかくりゆうはきかなかったけれど、おねえさんもやさしくうなずいてくれました。

そのおねえさんのやさしさは、いつものおねえさんもので、ぎこちなかったくうきがすこしほぐれて猫をあんしんさせました。















みちすがら、あらわれたゾンビたちをたおした猫たち。

キーさんが、しのおうさまらしいそんざいをかぎとったようで、いよいよしのおうさまのところまではもくぜんのようです。





そこで猫たちは、キーさんとわかれることになりました。

とちゅうのゾンビたちとのたたかいで、りゅうのちからのいちぶをみせたキーさん。
そのちからはりゅうというそんざいにふさわしく、とてもつよいものでした。

たたかいのあと、ちからをまのあたりにしたセバスチャンがキーさんとなにかをはなしていましたが、それがなんだったのかは猫にはわかりません。
そこでわかれるということになったのでしょうか？


しのおうさまのまえで、キーさんとわかれるのはきけんといえるでしょう。
もう猫のもんだいをしっているひとはいないし、いまからよぶのはおそいかもしれません。

それになによりなごりおしいけれど――



だいじょうぶ、きっとまたあえるはず。

きっとしのおうさまにうちかって、またキーさんにあいにいけばいい。









キーさんとわかれ、たださきへ、さきへとすすみます――

おねえさんがつくってくれたツナサンド。
なんだかもったいなくってじっとみつめていたかったけれど、たべることこそがつくったひとへのれいぎ。
おもいきってくちいっぱいにほおばると、パンのやわらかさとツナのおいしさがマッチして――

ぐっとこぶしをにぎりしめ、すくっとたちあがりました。