ここはお借りしている厨房。

そこで雪火女は包丁を振い、夕食の準備をしていた。

いつも食材とレシピをにらめっこしながら考えて作っている。


取り出したのはじゃがいも。皮をむき、４つに綺麗に切っていく。
その後、面取りを行い、水に放ってからザルに上げる。もちろん面取りで取った部分ももったいないので残して。

その後牛肉、玉ねぎ、にんじん、糸こんにゃくを食べやすい長さに切っていく。糸こんにゃくは少しゆで、ザルで水荒らして水気をきる。
そして作っておいた合わせ調味料を混ぜ合わせた。

食べさす子達の顔を思い浮かべながら。できるだけ美味しく食べてほしいから好みに合わせていこう。

ここからが本番。
まず鍋にサラダ油を熱し、玉ねぎを炒める。しんなりしてきたら牛肉を炒める。じゅうっといい音が厨房に広がり、少しずついい香りがしてくる。

そして牛肉がいい色になってきたら先ほどのじゃがいも、にんじん、糸こんにゃくを加えて炒め合わせ始めた。より一層、炒められる音のが広がり、こげないようにと注意を払っていく。
全体的に油がまわったらそこにだし汁を加える。

後は作業、煮詰める時は火に注意しながら灰汁取り。野菜の甘みもどんどん出てくるといいなと思いながら。

ちょっと調味料を足しながら煮込んで20分。
煮汁が少なくなり、じゃがいもがしんなりと柔らかくなってきたところで完成。

上手くできて満足げな様子。
これであの子達も喜んでくれるだろうか。



＜今日の献立＞

肉じゃが
ほうれん草の御浸し
檸檬のはちみつ漬け
御漬物

今度、良い食材が入ったらもっといいものを食べさせてあげたいなと思いながらも今日の料理の出来でよろこんでくれるだろうかとか考えていた。
あの子たちの笑顔が見たいから。

顔に熱が溜まる。真っ白な肌は誰が見ても分かる程に赤く染まって行く。
今更だけど恥ずかしいです……。