うすぐらいちかろうをすすむ猫たち。

もくてきちへむかうそのみちすがら、猫はししょーたちとわかれたあとにおこったできごとをはなしていました。


「へぇ、このチビがなぁ――」


かんしんするように、シュテルンをみるししょー。
えへへ、とわらうシュテルンのあたまをなでながら、猫はてれくさそうにしています。


『シュテルンがいてくれたから小生はがんばれたのです！』


そしてなにより――


『セリィおねえさん…』


セリィおねえさんがいなかったら、猫はいまでもししょーたちがいくみちとまじわることなくただひとりあゆんでいたことでしょう。
だからこそ、あのかなしそうなセリィおねえさんのことがよけいにきがかりです。


「？？　ぼくとであったときにいっしょにいたあのくろいおねえさんのことだよねっ？？」


「気になんのか？」


ししょーのといかけに猫はこくりとうなずきます。



「まァ、あの姉ちゃんには世話になったからな。だが、あの姉ちゃんにこれ以上迷惑をかけねぇ為にもまずは死の王のトコにいかねぇとな。」


ししょーのいうとおり、まずは猫じしんのもんだいをかたづけなければなりません。




『しのおうさま………』



もしたたかうことになったら、ぜんりょくをだしきってもかなうあいてがどうか――
それに、このほうほうがうまくいかなかったとしたら――


















「おい、何立ち止まってんだ？置いてくぞ！」



『！？まってほしいのです！！』


ついついわるいほうにかんがえてしまいがち。
まだ、しっぱいするってきまったわけじゃない。
それにもしだめでもほかのほうほうをさがせばいい。

いまはめのまえのことだけかんがえよう。


猫はあわててみんなのあとをおいかけました。

ためいきをつくと、きがぬけたのかいっしゅんよろめきました。
あわててふみとどまると、かおをあげてさきへとあるきだしました。

木で作られた台に乗って、踊りながら歌っている女の子がいる
１曲歌い終わると、ちらほらいる観客に向かって話しかけ始めた