王の所在を掴めぬまま20日以上が経過していた。
ある者は迷い、ある者は消え、ある者は狩り、ある者は狩られ、ある者は……PSを余らせていた。

かく言う俺もその一人であり、何か物を買うにも、一度に持ち運べる道具の量は限られている。
しかもここ最近はまだ人の少ない場所で活動していたので余計に取引とは縁がなかった。
このPSを使った取引というものにも慣れてきたんだがな……
故郷の発展途上の経済もそう誇れるものではなかったが、如何せんここの取引は面倒だ。
俺の肌に合わないだけかもしれんがな……

昔兵舎に誘ったウィスプに連れられ、山の頂上近くにある屋敷を訪れた。
いつ崩れてもおかしくない場所だったが、だからこそ探索しがいがある。
調理場のようにまた、魑魅魍魎がうろついているのだろうが。
だからこそいい、この先は強くなくては拒まれてしまうだろうから。そんな気がした。