故郷を離れて舞う神楽は、自分にとっても一味違う経験となった。

新年を祝い、故郷やメルンテーゼの平和を願い、董琉との関係を望み、そして……

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『――私は…貴女自身よ、未琴』

声を思い出しながら、自分自身へ問う。

自分がどう在りたいか。

どうして先代のようになりたいのか。
本当に必要とされているのか。

あの声には、今までに何度も問い質されてきた。
まるで答えを導くために手助けをされているような感覚。
今思えば、道標のような存在だったのかもしれない。

だけど私は、その質問に対してどう答えてきた？
そんなことないわ。
私だって出来るんだから。
そうやって何かを否定するような反応ばかり――…

ぽつりと呟いたところで、さらに思考を巡らせる。

何か答えが出そうな気がするが…

集中力が切れて、考えるのをやめた。

今すぐに答えを出さずとも、少しずつ時間をかければなにか気付くかもしれない。
現に、こうやってあの声のことを道標のような存在だなんて思ってることが、
過去の自分では考えられないことだ。
それもやはり、ここまで時間をかけて辿りついたようなものだから。


傍に置いてある、大鎌へ手を伸ばす。
今までは杖を使ってきたが、気持ちを切り替えようと新しい武器を軍曹さんに作ってもらった。
皆とは少しだけ別行動となるこの機会に。

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……そして、私自身への願い事はこうしよう。

これからは自分自身と向き合うためにも、一人で立ち向かう自信を持てますように。