――とある女の子との出遭い――

彼女を見たのは、誰もいない山奥の廃れた城。その片隅だった。

外見は年端もいかない少女、というよりも幼い印象を受ける。
そんな子がうつむいて膝を抱え、建物の隅に座っていた。迷子なのか、家出なのか・・・


だがそんなことよりも気になったのは、彼女の持つ不思議な雰囲気だった。
廃墟となった城の中でひと際輝きを放つ、まるで光のような存在。


思い切って近付いてみる。

気付くと彼女はゆっくりと手をあげていた。手のひらに光が集まる。

制止の言葉に耳を傾ける様子もなく、どんどん光は大きくなる。

極限まで明るくなったその光は――

――ぱたりと消え、目をやると少女は倒れていた。