記：＊＊＊＊＊＊

……まだ上手く「観測」ができていないようだな。きっと今回からはきちんと画像が表示されることだろう。

さて――

ケルは一人、広大な庭園を歩いて行く。あたりを包むのは花々の良い香りとリュートの音色、歌声、そして、少し高い太陽から降り注ぐ暖かな陽気である。まさにお昼寝日和、庭園にはのんびりとピクニックをしている者も多いようだ。
そんなケルの目の前にトテトテと一匹の猫が通りかかる。

「……///」

猫は魔力を持った動物である。どんな者でもその魔力には逆らえない。それはケルも例外ではなく、驚かさないようにゆっくりと近づいた後、微笑みかけて手を伸ばす。

「フーッ！」

威嚇の声、溢れ出す魔力、碧い瞳に蒼い炎を湛えたそれは、エンブリオと呼ばれる魔法生命体であった。

「エンブリオ?!」

咄嗟にケルは後ろ跳びに飛び退いて間合いを取る。脚を肩幅に開き、腕を目線より少し下に構える。いつの間にか帽子の中から出てきていたエンブリオ、サラマンダーが自身の体を戦うための力に作り変える。灼熱の炎がケルの両腕を這い上がり、実体を持たない手甲となる。

「さて、と。やりましょうか」

静かな庭園がにわかに慌ただしくなる。

§§§

記：ケル・サーベラス

この世界で出会った2匹目のエンブリオ、ケット・シー。どこからどう見ても、ただの猫なんだけど……契約が終わると両足で立って話し始めるからびっくりした。サラマンダーは普通のトカゲって感じなんだけど、もしかしたら無口なだけなのかもしれない。
ともかく、新しい仲間も増えて意気揚々と進む私達の目の前には一人の人影があった。ザ・モブキャラみたいな感じの兵士が一人、花を愛でていた。

あ、そうそう、ずっと聞こえていた歌声の正体は一揆の参加者の吟遊詩人さんだったみたい……。結局、姿は見えなかったけど、どこに居たんだろう？

殺 伐 と し た 広 場 に テ ィ ー ガ ー II が
　　　　＼ｵﾌﾞｲｪｰｸﾄ／
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＞　レ　オ　パ　ル　ド　＜
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