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sayae
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藪をかき分け、獣道を踏み越え、木の洞で眠り、そうやって何日経過したでしょうか。
幼い自分にとっては大きな困難をいくつも乗り越え、ようやく私は海岸に出ました。
世界の淵。世界の終わり。
これまで聞かされてきたそんな言葉には、何の意味もないことが分かりました。
雨のような音。たくさんの水が寄せては返す音。足が沈み込む真っ白な砂の大地。
広がる、広い、広い空。
何ひとつ視界を遮るもののない空と海の果てに、ただ一本の境界線だけが引かれているのです。
そのあまりにも圧倒的な、大きすぎる光景を目の前にして、私の心は強い衝撃を受けたのでした。
どれほどの時間、そうして海を見つめていたでしょう。
私はふと、誰かに見つめられているような気がして振り返りました。
そこには、見たことのない姿をした生き物が複数いました。
彼らは私が振り向いたことに気付くと、高い声で何事か囁き合ってから、煙のように消えてしまいました。

燈子の角と敵の角を見比べている……

しきりに背後を振り返りつつ進む。