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ラディや、これからアタシの言うことをよくお聞き。


…なんだよババア。改まって気持ち悪ぃな。


いいからお聞き。
……この子、クライゼルはね、ここの頭部にドールとゴレム、ふたつのエンブリオが宿っているんだよ。
で、アタシの操作を離れると、エンブリオが起動して、自立稼働することも出来るワケさ。


……ふーん。んで？何が言いたいんだよ？


まあそう急かすでないよ。
……この頭部には、動力源となる10つの紫唱石が入ってる。
それぞれ一つずつに、エンブリオを宿すことが出来るんだ。
…今の所、ふたつのエンブリオが相互干渉したりすることはない。……ただね、


？


この先、この子にエンブリオをもっと宿す、ということになると……
どういう風な影響があるのか、アタシにも解らんのさ。


…はあ？わからんって、アンタがソイツを造ったんだろうが。


そうさな。確かにこの子はアタシが造った。
…でもね、この紫唱石の特性は、アタシにもまだよく解ってないんだよ。
エンブリオの意思を身体に反映させることには成功したけど、
それ以上のことはアタシには出来なかった。例えば…喋らせる、とかね。


……………。


だから、もしこの先……アタシがちょっくらこの子の側を離れても、アンタが子守りをしてやって欲しいのさ。
他のよくないエンブリオが寄ってこないように見張るだけでいい。
それぐらいならアンタにも出来るだろ？


……ケッ、やだねめんどくせぇ。
大体テメェがソイツの製作者だろうが。
自分の物の面倒くらい自分で見やがれってんだ、このクソババア。


………アンタの言うことももっともだねぇ。
まあちょっと心配になっただけさ。話半分でもいいから覚えときな。


………わーったよ。


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