「……」

今日は水辺で見つかった宝の守護者と闘う予定だ。
なんでも『帝王イカ』だったか。レミエルもそう言っていた。
彼女に見てくると言った手前、きちんと実力を測るねば。

……そう思っていたのだが、魔神を名乗る女性が力を貸してくれるらしい。

困ったものだ。私一人なら適当にあしらう事も出来るだろうが。
彼女がいることで、技を試すにも力を測るにも『時間制限』ができてしまった。
それに――宝を壊さないために、技を全力で放つ事さえもできない。

これは、普通に闘うよりも困った事になったかもしれない――。

　少し考え込んだ後、ロッテはにやにやしながらミモザに近づき

　ギューーーーーッと抱き締めた！

　ガイと太歳を感知すると、魔力とは違う力の流れが見えるだろうか。
　大地に流れる気の流れを吸い上げ、全身を循環させて、また大地に還す。
　ガイに至ってはほぼお零れぐらいの力が、僅かに流れこむだけのようなのだが……

　

彼女の言葉に疑問を覚えて首を傾げる。
すこうし考えれば、一風変わったこの『状況』だという事は想像がついた筈なのに、
余りに自然に、口をついた。

注射器を受け取ると、あれこれひっくり返して見やり。

　　　　　　　背負った竹を肩越しに抜いた