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Eno.504金楊騎士さんの話と、その契約エンブリオの
キンイロヒカリゴケに友情出演してもらってます（´く_` ）
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　最後に振り下ろされた剣が空を切る。
ゆっくり剣を鞘に納め、額の汗を拭いながら一息ついた。

　目が覚めた時はまだ真っ暗だったというのに、いつの間にか昇る朝日に照らされて川の水がキラキラと輝いている。
（メルンテーゼで朝日を拝むのは、今日で何度目になるだろう……？）
水面に反射する朝日に目を細めながらそんな事を考えていた。少し気が張りすぎているのだろうか？今朝は随分早くに目が覚めてしまった。
　同行者である金楊騎士に手合わせを申し込んだのは昨日の事。この手合わせは２回目で、前回はユリアが大敗しているためこちら側のリベンジマッチという事になる。自分でも、その時よりこの男には必ず勝つと決めていたものの、どうにも今はそれを達成する自信が無い。なにを弱気になっているのだろう。不安を振り払うように頭を振り、まだ寝ているメゾを起こさぬようにとそっと身支度をすませる。川の冷たい水でもあびれば少しは気がしゃんとするだろう。



ユリアが支度を済ませ一つの決意を胸に立ちあがったとき、それに水をさすかのような声が聞こえた。　

『こんにちは、ユリアさん。』

　その声は足元から聞こえた。足元を見れば地面の一部が金色に輝いている。
声の主は金楊騎士のエンブリオ、キンイロヒカリゴケ。
今このタイミングで現れた理由はよくわからないが、このコケは確かにユリアのことを呼びとめた。

キンイロヒカリゴケの申し出を断り、さっさと部屋を出ようと踵を返す。
光るコケが喋っている時点で既に充分奇怪だが、その言葉の端々にもなにやら怪しい意図を感じてならない。

キンイロヒカリゴケは、地面で怪しくゆらゆらと揺れた……
どこまでも強引なコケである。

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Eno.504金楊騎士さんとの練習試合につながります。
たぶん（´く_` ）
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……俺には、コイツが『輝き』を持つとは到底思えん」

――『槍』が、抜かれる。
一歩踏み出したユリアへ向けられる鋒。
牽制を意図するものではない。相手の敵意に呼応して向けられた、男の意志の象徴。

｢測るのは身分じゃない。この俺だ。
喜べ。他ならぬ俺自身が、貴様を測ってやろう」

笑う。それは、常の嘲笑ではない。
失望と、悲愴と――ほんの僅かに、期待を覗かせて。

｢来るがいい。お前が『輝き』を持つ『原石』というのなら、その片鱗を見せろ。
『雑兵』で終わらぬと、使える駒であると俺に示すがいい」

槍へ満ちる力。周囲へ集う気配。
――立ち込めるは、戦場の匂い。

｢お前を認めた金楊を、貶めたくなければな｣

深呼吸をひとつ。