薄気味悪い地下牢に案内したうちの一人に、
今度は自分が別の場所に案内を依頼する。
目的地は兵舎。

体制側の、拠点の一つであろう兵舎に乗り込む。
それも少人数…どころか、案内が済んだらその後は単独行動をするつもりでいる。
蛮勇、無謀、命知らず。そう謗られても反論はし辛いところだろう。
それでも進む。

数日前の敗戦が自分の中で尾を引いている。
2.3体の敵に囲まれた程度で敗北を余儀なくされた、その事実が汚点となって残っている。

思い出すだけで不愉快になる。
あれは何かの間違いだった。それを証明する為に敵の拠点に乗り込み、単独で行動する。
雑兵ではなくある程度地位のある相手を討ち取るのも良いだろう。
そうやって自分の能力を証明するのだ。

…無茶をやっている自覚はある。
それでも進む。

中途半端に鍛錬を積む程度では、終生姉に追いつけない。
自分を追い込み、追い詰める程度で丁度良い。

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一方その姉は

頬の上気した女が倒れ付した兵士達に近づく。
…その手には、鞭が握られている。

なんかめっちゃ楽しんでいた。