ブランチマンを倒した後、進路を森林へと変更した。城内に侵入する通路もあったが、これだけ事を大きくしていれば兵士が大挙することは容易に想像できるからだ。
森林のエンブリオはこれまで以上に凶暴であると聞く。岩石を振り落とす凶鳥が猛威を振るっていたようだが今は見る影もないようだ。



今まで魔杖を使い続けていたが、鬼子が新たに長杖を作り出した。これを使って前線で殴り勝てということなのだろうか。血気盛んな娘だ。
猫はいつものように伸びている。料理をするのは専ら有坂という青年であり、今回は水辺で採取した奇妙な植物を用いてスープを作っていた。だが、量が多すぎるだろう。いくらか猫の器用さを真似てほしいものだ。保存も効かぬこともあり、速めに食すことにした。

エンブリオの多くが人間の言語を理解している異世界からの来訪者間であっても会話が可能であるのは何らかの魔術が関与していると推測するが、そこにエンブリオが噛んでいるのはまず間違いないだろう。尽儀朗の南瓜だが石像だかも小間使いを行える知性を所有している。我がアルラウネのエンブリオ「ゼラ」も同様である。




尽儀朗の目の前、暫くは大人しくしているつもりだが、如何せん弱者を弄び、強者を支配しないことには退屈が過ぎる。都合のいい娯楽探しが目下の課題である。

はなわっかに何かされるとおもったねこぞくは即座にホントウから距離をとった。