一緒に前線に立ったとしても、いつも怪我の多いのは兎人の方だった。
時に己より前に立って戦うこの子に、
自分は時折守られているようにも感じる。


戦い終わった後で、怪我の具合を見ながら、
ゆっくりと口を開き、歌詞のない、癒しの旋律を歌う。

戦中にだって歌ってはいるけども、
大事に大事に、相手に伝わるように、魔力を込めた歌は、
二人の身体から傷を取り除いていく。




ほんの少しだけ、音色を変えて。
自分達ハーピィにしかわからない伝え方。

そんな、ただの自己満足。




どうしてこれほどまでに心惹かれるのだろう。
集落を出て、出会った人も、魔も、ソレ以外も数知れず。
友好的な者も、たくさん居たのに。

どんな者に逢ったとしても、
最後には、セシルの元に戻る。

歌い終わり、傷が治れば、兎人の頭を羽で撫でる。



幸せな気持ちで、いっぱい。
ずっと、一緒に居られたらいいのにな。

慌てふためきながら姿勢を正す。

少しだけ震えた声音でおじぎを返す。

盛大にフルモッフにしたりあむあむしたり、頬ずりしたりしていましたが、
傍を飛んでいったトンボを見るなり凄い勢いでジャンプ。
けれど空振りしてしまいました。

ぴこっと耳が動いて、次の瞬間にはもう、トンボを追いかけて本物の猫のようにしゅたっ！っと去っていくにゃとさーれの背中が。

　　　△　　土　▲
　　（　?　皿　?）　　がしゃーん
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　／│　　塊　　│\　　　　　　　　　がしゃーん
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