なあ、ペコー。
ボクは一体、何と戦っていたんだろうな。

ボクは、この時期に異世界から来たような連中は、皆何かしら腹に抱えた食えない連中だと思っていた。
実際、そういった連中は少なからず確認されていて、賞金首になっている奴らもいる。

だが、そんなものはメルンテーゼの住人だって同じだった。
むしろ土地に明るい分、異世界から来た連中よりも組織的で、対処の難しい集団を形成しているようだ。
馬鹿な話だ。結局、本当に厄介な相手は、内に存在する不満分子だった、という事だな。

……。
いきなり話が逸れてしまったな。
つまり、ボクが言いたかったのはボクらも彼らも同じだった、ということだ。

彼らだって、愛する家族や仲間のいる一人の人間だったんだ。
そんな簡単な事、どうして今までわかろうともしなかったんだろう。
ただ胡散臭いという、それだけの理由で彼らを違う人間と決めつけ、盲信的に排除すべきとすら思っていた。

違っていた。
そんなものは閉鎖的な村意識そのものだ。
異分子を、自分の不利益になるかもしれないからと、頑なに門戸を閉ざしていて、どうして未来が開けると言うんだ。

もちろん、なんでも受け入れれば良いというわけじゃない。
だが、その判断は一定の秩序を保ちながらも、偏見を捨て、柔軟に行われるべきなんだ。

イシュメール。

ああ、わかっている。
お前は父様と契約していた事もあるエンブリオだ。全部わかっていて、見守ってくれていたんだな。

でも、もう大丈夫だ。
これからはボクも少し気を楽にして物事にあたるよう、心掛けてみる。

…そうか。そうするがいい。

そうだ、例のランプ。アハブに会ったら、火を灯して渡してやれ。
さんざん息子に心配かけさせた放蕩男には丁度良い薬になるだろう。

……。

ははは！
それは良いアイデアだ。是非とも採用させてもらうよ。

狙う獲物ぁ 武器の材料 と食料、戦力になりそうなエンブリオって所だぜぇ。

・・・それと、キノコもな。どこに生えてんのかは知らねぇけどよぉ。

政治的と来やがったぜぇ。頭ぁいいのか悪いのかわかんねえガキだぜぇ。

槍ぃ突きつけて追い出す気ぃだろうがよぉ。そこまでされる輩がよぉ、
城叩き出されてから何日も生きてられるとでも思ってんのかよぉ？

後よぉ、気ぃ許さねぇのは勝手だけどよぉ、同じように気ぃ使っとけよぉ？
仏頂面してねぇで、礼くらいちゃんと言っとけって事だぜぇ。

あー、俺のは魔力じゃねぇぜぇ。漲ってんのは気合いだぜぇ。

キッチリ働いてんだからよぉ、対価の銭ぁキッチリ取っとけよぉ。
ガキのうちから施しなんざ覚えたらよぉ、ロクな育ち方しねえぜぇ？

キノコ食べてキノコのおかげで生きてるからね
いつか死んだらキノコを生やすための栄養になりたいよねー

みんなが食べるごはんにはヤバそうなやつ使ってないからダイジョブダイジョブ！たぶん

え？毒があるか無いかよりも
美味しいか美味しくないかの方が大事じゃないのかー？

モドしても食べたとき楽しかったらそれで良いかと思ってたけど
イシュメールはそうじゃないのかー、そうかー

~♪

まったく、我ながら視野の狭い話でしたよ、ホットロッド。
正直に言ってしまえば、あの頃の私には一揆の行く末なんてどうでも良かった。
ここでの目的さえ果たしてしまえば、さっさと抜けてしまうつもりでしたから。
だから、一人で行動していた方が都合がよいと思っていたのですが、心とは変わるものです。

ですが、堅苦しいと言われようと、礼節を疎かにはできません。
それが私なりの、親睦の証（しるし）です。

そういえば、まだらさんはあの籠に中にキノコを大量に放り込んでるんだったな。
キノコはデリケートな栽培環境が必要と聞いているけれども、あんな適当で大丈夫なのだろうか。

これは…本当にただのランプ？
それに…　灯し手の…祈り…

…ありがとうございます、ネイさん。
よろこんで受け取らせていただきます。
不自由な環境の中、製作にはさぞや苦労なさった事でしょう。

私は、貴方を疑っていた自分が恥ずかしい。
異世界の者だからと、風体が怪しいからと疑い、その態度を隠しもしなかった。
その非礼をあらためてお詫びすると共に、必ずや『対価』を支払う事をお約束しましょう。

ふふっ…　出世払いの値は高くなりそうです。

やれやれ、随分と湿ってるね…。
あんまり湿っぽいところは好きじゃないし・・・。
時折、奥のほうから聞こえる音は何だろう？

あまり、いい予感はしないなぁ…。

へえ、知ってるんだ水煙草。
ということは、君の世界にもあるんだ…へぇ。

好きなものくらい、ゆっくり好きなだけ楽しみたいんだけど
こんな状況じゃあそうも言ってられないし、そもそも煙管が無いし…。
君の言う通り、作れないことは無いと思うよ？
でも、どういった作りかよくわかってないから
今のトコ外見の模倣くらいしか出来ないんじゃないかな。
煙草の煙を楽しみたいだけだったから、構造とか頓着してなかったんだよねー。

水を張った桶…と、底を割った瓶で？
吸えるんだ？
ふぅん、出来るものなら試したいねえ。

オネム…までかは少しわからないけど。
こっちが頑張ってる時以外寝られてたら、それはそれで癪だな。

ああ、あとサモサありがと。
切れっ端もらったけど、すごく美味しかったよ。
あれだけ香辛料効かせて辛さもある料理は久しぶりでね。

料理もそこそこ上手なのになー
キノコで絶対損してるよね…言わないけど。

はー疲れた疲れた。
鼻を明かす為とはいえ一日であれだけの仕事こなすのは骨折れる

君はまだ素っ頓狂な顔してるねー。
要望に出来るだけ早く応えるのも大事な仕事さ。
今この場でそのランプを生かせとは言わないけど、
将来、出来る限り使い倒して、壊れるまで大事にしてやってよね？

あの、ごめんなさい。

イシュメールさんの仰る通り、
私はロクに自己紹介をしてなかったですね……。
信用されなくても、仕方ないです。

私は、魔鉱物の研究者で、
メルンテーゼの外……アカデミエという世界から来ました。
当初の目的は、この世界の魔鉱物の研究です。

でも、訪れてすぐに一揆がはじまって。
メルンテーゼの人々の懸命な姿に心うたれて、
今は、私も一揆に参戦しています。

イシュメールさんからしたら、
余所者が自分の世界の政治に介入してこようとしているのですから、
きっと、不愉快に感じられると思います。

でも、私には、政治を動かそうなんて大それた思いもなければ、
実際にそれができる力があるとも思っていません。

ただ純粋に……
私にとてもよくしてくれているメルンテーゼの人達がいて、
その人達に、何らかの形で力になりたい。
それだけなんです。

………。

私の名前を、
そんな風に解釈してくれたのはイシュメールさんが初めてです。
いつも、馬鹿にされてばっかりで……

………私、自分が恥ずかしいです。
そして、嬉しい。

これからは、自分の名に恥じない人間になるべく、
シャンとしていこうと思います！

次に祖父に会った時には、
謝らなくちゃですね。

まあ、お詳しいんですのね。
テーブルもあるようですし、お茶にはピッタリのお部屋ですわね…！

立ち話よりもどこかお部屋に入ったほうが、きっと安全ですわ。
見たところ、この辺はあまり兵士の数は多くないようですけれど。

…そういえば、先日、
兵士らしき方々を見かけたことがありましたわね…
皆様お揃いでどちらかにお出かけしているのでしょうかしら？

何にせよ、好都合ですわね！

こんな機会もあろうかと、お茶セットは持ち合わせておりますのよ！

カップが少し小さいところはご愛嬌ですわ。

とりあえず、コッチの片ァ付けてからのハナシだぜぇ。

揃いも揃って、縁起の悪そうな面ぁ並べてくれやがってよぉ。
ああいうアゴの長ぇのはよぉ、横っ面ぁブン殴ってやるにかぎるぜぇ。

馬刺とー、馬刺とー、馬刺とー、ジンギスカーン！

こここ、今晩のごはんは豪華やぞー…

ダイチのメグミに感謝しつつ、いっただっきまーす

羊頭の人間…？　エンブリオのようだけれど、キメラ兵の類だろうか？
まあ、人間の兵士よりは忠実で戦闘力が高いのかもしれないけれども。
ここまであからさまに人の気配を消しているのは、少し嫌な感じだな…

羊に馬・・・この兵舎は人間の兵士じゃなくて動物を使うの？
何がしたいのやら。

我が足音は死の足音・・・・・

我が足音は死の足音・・・・・

我が足音は死の足音・・・・・

お引き取りください・・・

・・・人間様をナメるんじゃねぇぜぇ。

フン・・・そんなに小間使いが欲しいのかよぉ。
俺ぁ興味無えしよぉ。ガラでも無ぇぜぇ。

………ップ、オッププェ

うぇー、喉詰まって死ぬかと思ったぞー

こないだ契約したガーゴイルがそうだったけれども、人造エンブリオは性に合わないな。
どこか他人の作為を自分の中に押し込められるような気がして気持ち良くない。
このシツジとやらとの契約は見合わせておくか。

それよりも、今はこの先の通路から漏れ聞こえる物音が問題だ。
この金属音はおそらく鎧の音…　正規兵が待ち構えているのか？

牛に羊か・・・フフッ、牧場じゃないか。
笑わせてくれるね。

こき使ってやるから覚悟しろよ？

用があんなら、今のうちに言っとけよぉ。

あっちからキノコの気配がするー！

どうやら、この先に多数の兵が詰めているようです。
ここは一旦退きましょう。今の私たちには戦力も情報も不十分だ。

先に行けそうだね。進めるのなら、進めるうちに進もうか？

食い物よりは素材が欲しいトコだぜぇ。

キノコかー？食べ物でもいいぞー？

これは一応、拾っておこうかな　

お金になりそうなら、拾っても問題ないだろう。

おいおい、ネズミーランドのお友達が混ざってやがるぜぇ？

どっちかっつーと敵側に近いようにも見えるがよぉ。
まったく、色んなのが集まってくるもんだぜぇ。

んー、モフモフとモフモフとジーチャンとマジョが何の用だー？モグモグ
キノコ持ってるのかー？モグモグあ、アタシまだらー！モグモグむぐむぐ

モグム、ヴッ

ヴ、ヴ、ヴ、フゴーッ

ここも人員の移動が頻繁な集団のようだな。
前回もそうだったけれども、そういった形態が普通なのだろうか？

ふーん、投げナイフか。面白いものを使うね、大道芸人みたいだ。

でもさ…まさか実力も大道芸人並じゃあないだろうね？
まあ、そんなことはないだろうけど・・・宜しく頼むよ。

……練習ね。

では、いざ尋常に、勝負

では、お疲れでしょうが少しお願いします

その前に準備運動だね！

これはフェアリー的な姿

癒す時はこれでいいかな！

悪魔的パワーも使えるよ！

もっと癒したいときはユニコーンだよね

寒い時はこういうのもありかな

準備運動終わりっ
さあ行くよ〜