［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「さて」
何となく片付いた執務室を見回す。
まだ物は多いが、一時期を知る者からしたらかなり整理整頓が進んでいることがわかるだろう。

「さて、ですね。あらかた片付いちゃいましたし」
「つまりは、本丸、……物置と化した研究室と向き合わなくちゃいけない時が来たと言わけね」
それを告げると助手である男は大げさに考え込むそぶりを見せ、

「うーん、向き合う必要あります？世間じゃもうお盆休みですよ、学生なら夏休みですし」
「学生気分が抜けないほど、社会人短くもないでしょう貴方。それに、休みの間も片付いていない部屋の事を想っていたいというのなら止めないのだけれども」
「それは遠慮願いたいです。夏後半に思うべきことはすでに先約がありますので」
「なら……始めましょうか」
「そうですね、第一波で予想される雪崩は僕が押さえます。笹子さんはその隙に奥へ」
「何の作戦会議よって感じだけれども……、この前のちょっとした地震で、ものすごい音がしたからそういうこともあり得るものね。頼むわね」
「頼まれました」
そう言って研究室のプレートが掲げられた部屋への入室を試みる。
しかし、ドアが開く気配がない。何かが引っかかって開かなくなってしまっているようだ。

「……入室拒否されるとは思わなかったわね」
「これは僕も読めませんでした。ドアのくせに開かないっていどういうことだ」
「抗議、あるいは抵抗ね、部屋の」
「お、ホラーテイストの話ですか、それならいくつか持ち合わせが」
「止めましょう、そういう場合じゃないわ。良くない発想よ」
「……前から思ってましたけど、もしかして笹子さん怖い話が？」
「止め止め、進むわよ。この程度の障害で行軍を諦めるなんてあってならないわ」
「別に今更恥ずかしいことでもないと思いますが、あとそういう誤魔化し方あまり良くないと思いますよ」
そう言って二人は入室するための方法を議論する。
しかし、妙案は浮かばず。

「つまりこれは、部屋が片づけの時期は今ではないと我々に告げているんですよ。僕の直感もそう告げてます」
「部屋の片づけをしたくないだけでしょ、まあ、片づけは置いておくにしても、入室出来ないほどの閉鎖はまずいわ、何かあったときに持ち出す荷物とかあっちの部屋だし」
「今まで一度も持ち出す機会がなかったんですから、これからも持ち出す機会なんてそうないですって」
「平時ならそれで誤魔化されてあげるけど、今私たちの置かれてる状況を鑑みるとそれで納得してあげられないわね」
「大丈夫ですって、なくしたら素直になくしたと謝れば大体丸く収まりますから」
「収まらないアイテムが多いから鍵付きの部屋の鍵付きの棚に入ってるわけだけども」
二人で唸りながら思案を巡らせる。

「となると、やっぱ爆破ですって、扉をバーンと」
「大家さんの怒りが爆発するわね、間違いなく。流石にまだ追い出されたくないでしょう」
「じゃあやっぱドアを解体するしか……」
「最悪そうなっちゃうかしらね、できれば避けたいのだけれども」
「そもそもさっきも言いましたけどこのドア、開かないってどういう了見ですかね、いえ態度でなく物理として」
「この前の揺れでなんかこう良い感じに引っかかったとしか思えないわね」
「まあ、雪崩を心配する程度には入り口辺りに積み上げましたからね、我々も」
「積み上げるのは実績だけにしておくべきだったわね」
「実績であり足跡ですよ、我々がこの地で頑張って働いた証です。それこそ片付けに手が回らなくなるくらい」
「……なんか良いこと言ってる風だけど、誤魔化されてあげないからね、特に今日は」
「おっかしいな、今日の笹子さんは何時にもまして手ごわいですね。あ、いえ、先ほどのは心からの本心なのですが」
「より強大な敵の前だからふざけてる余裕がないのよ」
「そんな、無茶ですよ。このわずかに空いたドアの隙間からあちらに入り込んで引っかかってるものを退かしてくれる都合のいい手段なんて」
「……そうよね、液体みたいに向こう側に入り込んでパワフルに荷物を退かせる何かなんて」
「……居ますね」
「……居たわ」
そういうと助手は小さな水槽をドアの前に持ってくる。中の液体は水槽の揺れに合わせてただ揺れている。

「……笹子さん、そういえば最近動いてるのあまり見てませんでしたが、生きてますかこれ。なんか小さいですよ」
「え、……多分」
「ちゃんとごはんとかあげてます？明らかに元気がないように見えますが」
「いや、この前自分でおかゆ温めてたし大丈夫でしょう多分」
「えっこの子、そんなことまでできるんですか？」
「そこそこ器用よそれ、多分今は寝てるだけよ」
「……そこまで自我がある生き物……異能？ならもう少し丁寧に扱ってあげてくださいよ」
「大丈夫よ、ほらゾル、起きなさい、仕事よ」
そう言って液面をつつく。波紋はうねりになり、液面が持ち上がる。
持ち上がった液体の先端に赤い球体が移動し、首を振るように両者の方を確認すると、
トプンという音と共に、液体は平へと戻ってしまった。

「ちょ」
慌てた様子で液体を再度つつく、しかし、反応がない。
「あーほらーちゃんとお世話しないからですよ笹子さん、ボイコットですねこれは」
「……いや違うわこれ、液体が熱々になってる。この暑さで干上がりかけてるみたい」
「……より悪い方じゃないですかそれ、ちょっと待っててください、確か冷蔵庫に経口補水液があるので持ってきます」
大慌てで助手が冷蔵庫へと走る。
やはり真夏に日の当たるところに置いといたのが良くなかったと見える。大いに反省するべきだが今は反省している時ではない。
助手の持ってきた補水液の栓を抜くと、液体が機敏に反応し、それを受け取る。
液体は全身で浴びるように補水液を吸収する。みるみるうちに先ほどの倍程度の大きさを取り戻す。
そうして、水槽から這い出ると、流しへと向かい、蛇口をひねって勢いよく水を吸収し始めた。

「そうそう、こういう大きさでしたよ。あんな使い終わった消臭剤みたいな大きさじゃなかったですって」
「もう、動けなくなる前にちゃんと水分補給しなさいよ。え、日向で茹だってて動けなくなってた？……うーん、流石に悪かったわね」
そうして改めて液体に用件を伝える。了承した液体はドアの隙間からスルスルと研究室へと入っていき。

「大丈夫かしら、今度はあっちの中で力尽きられると、いよいよ助けようがないわよ」
「大丈夫じゃないですかね。ほら、引っ張れそうな尻尾もこっちにありますし」
「これって掴めるのかしらね」
「えっと、笹子さんの異能？ですよね？ちょっと僕にはわかりかねるのですが」
「え、……あぁ、そうね、そうだったわね確かに」
「？　どうかしましたか？」
「いいえ、何でもないわ」
扉の前でやり取りをしていると、部屋からガコンという音が響く。
そうしてガラッと扉が開かれる。腕を模った液体がどんなもんだいとでも言いたげにしている。

「でかしたわゾル」
「お手柄ですね、さっきまで片付け忘れた洗濯糊スライムみたいになってた存在と同一とは思えないですよ」
「……そうね、もうちょっと目をかけるようにするわ。基本自分の事は自分でできるからってつい油断してたわね」
「とりあえず今日は労いの意味を込めて彼の欲するものを与えてみましょうよ」
「それも良いわね、でも……先にこの部屋よ」
「……バレましたか」
「残念ながら今日の大目標は揺るがないわ。それにゾルも手伝えるコンディションみたいだし、どんどん手伝ってもらいましょう」
「あぁ、それはありがたいですね。どう見ても二人でやるよりも三人で、できるならもう一人くらい手が欲しいと思える有様ですし」
「じゃあ、下の階のあの子にも……」
「それは止めましょう。……いや、でも、逆に有りか？サクッと終わらせてエンジョイ田本に彼へのご褒美を一緒に買いに体で行くには時間が欲しいし」
「何ブツブツ言ってるの、さ、始めるわよ」

物置と化していた部屋を片付ける。それ自体はなんてことのない日常の一コマであるが、彼女はこの行いに一つの思いを抱いていた。
即ち清算。積み上げてきた足跡、それを然るべき場所に収め、然るべき時に正しく取り扱えるようにするための行為。


－－－－－－－－－－


────ここに一通の封筒が存在している。
数奇な運命をたどり、いくつもの可能性をその身に宿して、彼女の手元に存在している封筒である。
まだ封は切られておらず、その封蝋に押された印璽から差出人が彼女自身であることが伺える。
いつか来るその時までと、彼女は開けずにおいた。然るべき時が来る。そう己に言い聞かせてきた。
その手紙が、ふとした拍子、彼女の手元に滑り落ちた。まるで時が来たことを告げるかのように。
手に取り、そっと封筒を撫でる。
開けるまでもなく、何となくだが、書いてあることはわかっている。恐らくは『彼女』から、私への申し送り。
それとも、『彼女』から私へのメッセージだろうか。そのどちらにしても、時が満ちた。そう感じる。
何となく、封蝋を崩したくないと思い、はさみを用いて封筒を開く。蝋が割れぬように、ゆっくりと。
封入されていた便箋をそっと開く。書いてある事柄を慈しむように眺め、クスリと笑い、小さくうなづく。
華かてれいる内容は彼女の想像していたものとは違ったが、大きな驚きはなかった。
そして読み返してみれば、そう書かれているのが当然であるように感じられた。
十全、彼女は理解していた。まもなく為すべきことを為さねばならないと。
時が近づいている。三十余時間を戦い過ごした。その答えを世界が出そうとしている。
その時、私は私でいられるだろうか。『彼女』は『彼女』で居られるのだろうか。
便箋を丁寧に折りたたみ、封筒に戻す。もう一度宛名を眺め、愛おしそうに懐にしまう。
目を閉じて深呼吸し、顔を上げる。その顔は晴れやかであった。

ENo.77 偽黒初 とのやりとり

ItemNo.2 増殖試験管 を破棄しました。
ItemNo.14 アンテナ を破棄しました。
ItemNo.28 毛 を破棄しました。

偽黒初(77) に ItemNo.7 神舐瓜 を手渡ししました。

ItemNo.16 おさかなのようなもの を食べました！
　体調が 0 回復！（30⇒30）
　今回の全戦闘において 防御14 防疫28 復活42 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

偽黒初(77) に ItemNo.1 殺生石 を送付しました。

ものすごいお魚（1500 PS）を購入しました。

解析LV を 5 UP！（LV30⇒35、-5CP）
料理LV を 5 UP！（LV94⇒99、-5CP）

巳羽(473) の持つ ItemNo.6 銀の光焔 から射程1の宝珠『イグジスト・プレイヤー』を作製しました！

偽黒初(77) の持つ ItemNo.38 ものすごいお肉 から健食『岩塩と肉～香草を添えて～』をつくりました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 1 1 6 = 8 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 技巧料理！［ 4 4 2 = 10 ］成功！料理の強さが増加！
麺屋の龍人(1595) の持つ ItemNo.19 殺生石 から謎飯『ベゾアール石（食用）』をつくりました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 3 3 2 = 8 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 技巧料理！［ 4 4 5 = 13 ］成功！料理の強さが増加！
　⇒ 謎飯チャレンジ！［ 4 3 3 = 10 ］テヘ☆失敗失敗！料理の効果1～3が消失！

麺屋の龍人(1595) により ItemNo.1 ものすごいお魚 から料理『ものすごい清蒸魚』をつくってもらいました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 6 1 4 = 11 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 技巧料理！［ 2 3 5 = 10 ］成功！料理の強さが増加！
　⇒ ものすごい清蒸魚／料理：強さ558／［効果1］活力54 ［効果2］敏捷54 ［効果3］－

リン(1283) とカードを交換しました！

理力回路・過剰増幅Ⅱ （レスレクシオン）


百発百中 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

Dr.笹子(831) は 金の光焔 を入手！
Dr.笹子(831) は 金の光焔 を入手！
麺屋の龍人(1595) は 立派な皮+1 を入手！

偽黒初(77) に移動を委ねました。

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『ツクナミ区 K-2：チェックポイント《小集落》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 偽黒初(77) の選択は ツクナミ区 K-2：チェックポイント《小集落》

MISSION!!
タニモリ区 P-4：草原 を選択！
　　 - 偽黒初(77) の選択は タニモリ区 P-4：草原

［792 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［433 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［464 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［201 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［399 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［326 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［267 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［197 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［117 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［147 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［152 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［310 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［49 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［225 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［106 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［110 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［112 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［56 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［88 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［81 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［16 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［45 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［92 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［100 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［100 / 100］ ―― 《黒い渦》不運
［21 / 100］ ―― 《線路》駆逐



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

星空が映る。

　

微かな波音と共に、弦楽器の優しい音色。

　

　

　

星空のなかに、黒い裂け目。

　

その裂け目にいくつもの小さな光の玉が吸い込まれてゆく。

　

　

　




　




　

　

　

チャットが閉じられる――

何もない、草原。

　

その中で異常に生い茂っている場所。

そこから顔を出す――

　






　

ゆっくりと目を開き、こちらに気づく。

　




無表情のまま、笑い声のようなものを発する。

ゆっくりとこちらへと歩みを進める。

　

少女の歩みを追うように、茂みが作り出される。

･･･身体中が危険を知らせてくる。