［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　旅館からの帰り道。
　朝風呂まで堪能し、結果的にはチョイスイズグッドだった小旅行も終わりが近づいている。
　車内に流れるのは夏のヒットチューン。ラジオのボリュームを落とせないのは、どことなく気まずさを感じているからだ。
　昨晩、寝る前のこと。長旅や海での疲れ、旅先での高揚感、そしてここ最近抱えていた漠然とした不安感から不意に口走ってしまった、『貴方が居ないことなど考えられない』との告解紛いの独白と、それに対する上司の答え。
　一つの解決が次の問題を生む。心のつかえは次々に襲ってくるものだ──既に存在していた憂い事に対し、意識を向ける余裕が生まれただけかもしれないが。終わりは次の始まりだとかいう金言までも引用してみせるほど、彼の思考は哲学に囚われていた。

「──そういえば、一つ聞きたかったことが残っていたんですけども」

　切り出したのは彼からだった。鼻歌など歌い始めていた上司は驚いた様子もなく、

「何かしら。本部との対応に関しては今後──」
「あの時、『大丈夫』って言ってくれましたけど……あれ何が大丈夫なんですか？」
「……そういうこと聞いちゃう？」
「いや、一応。念のため……直感は違うって言ってるんですけど、ここ確認しておかないと不幸な行き違いが生じてしまうかもしれないと思いまして」
「そう。そうね。そうよね……」

　ラジオは天気予報に変わっていた。明日も晴れ、向こう三日も晴れ模様。暑く厳しい気温が続く。
　と、何かを噛みしめる様にしていた上司が、こらえ切れずに小さく笑いだした。フフフと小さく、そして徐々に大きく。

「え？　あれ？　僕なんか面白いこと言いました？」
「貴方はそうでなきゃいけないわよね。ええ、そうよね……ごめんなさい、緊張の糸が切れたというか、そういう感じ」
「つまり海で一泊したらリフレッシュして緊張の糸が切れて沸点が低くなっているということですか？」
「ええ。ごめんなさい。真面目に聞いてくれたのにね。こういうのが日常なんだって思い出したら、大仰に身構えてた自分が馬鹿らしくなっちゃって。本部と揉めても、別に死ぬわけじゃないものね」
「僕らは労働者ですけど、労働者は本来雇用主と対等な関係にあって、奴隷ではないということを思い出してもらえましたか」
「急に強めの主張が来たわね」
「僕はいつでも強いですよ」
「頼りにしてるわ。いつもね」
「頼りにして下さい。いつも」
「だからそう言ってるでしょ」

　バックミラーに映る海も、徐々に小さくなっていく。少し、また少しと非日常から遠ざかり、同じ距離だけ日常が近づいてくる。
　明日以降の予定は未定だ。今後の確認なんかしていない。ただ、いつもの様に職場に向かうのだろう。仕事など無くても、例え上司が来なくても、染みついた日常を変えるのは難しい。そんな直感だけがあった。

　一つ、決意したことがある。上司の言葉の真意を問うたのは、その意思を揺るがぬものとするための意味もあった。大事なところはごまかさず、今だ、と勝負をかけるための。
　夏の終わり、そして、上司の誕生日。意味のある日付にこそ、その時は相応しい。
──今年も、八月三十一日が来る。




　長らく愛用してきたVAPEも、ついに電池も切れた。
　三十時間以上も持ったのは奇跡だが、こんなことで近づく終わりを思うとは。

　三十時間も時間を浪費した結果、問題の根本的な解決には至っていないという事実が重くのしかかる。ワールドスワップの脅威を阻止することは難しいだろう。あの茅芽笹子が目的としている魔力の観測・回収も、それを補助すると大見得を切った彼の啖呵も、達成までの時間は残りわずかとなった。
　彼の立ち位置は流動的で複雑だった。元々彼が受けた任務は、茅芽笹子を助けること──別の世界の茅芽笹子と非公式に接触し、世界侵略阻止のための協力の要請をする。それが本来の上司である茅芽笹子の指令だった。別世界に存在する別の茅芽笹子との折衝は、彼と上司の独断であり、組織が侵略先として選んだ世界への機密漏洩事項となるため、失敗はもちろん明るみに出ることすら許されない。折衝に向かった直後に簀巻きにされて茅芽笹子ともどもアンジニティに更迭されたのは好都合だったとも言えるだろう。更に直後に続けて起こったワールドスワップによって、ハザマでのやり取りの全ては組織に対して秘匿され続けている。同時にそれは、世界侵略が組織が考えているものとは全く別の角度からも起こりうるという危機的な情報を得ることになり、なし崩し的に戦いに参加させられ、今に至る。
　とまれ、アンジニティで過ごした時間がほとんどなかったこともあり、見知らぬ新天地での生活の記憶を植え付けられた彼にとってみれば、思い入れのあるイバラシティに肩入れするのは当然の流れだった。陣営を偽っての活動に不安が無かったと言えば嘘になるし、ワールドスワップ後の記憶の処理によっては、新たな問題が生じることもあるだろう。それでも任務を遂行するにあたってイバラシティへの加勢を選んだのは、イバラシティでの生活が、そこに息づく住人が、彼にとって居心地の悪いものではなかったからだ。
　イバラシティでの生活は偽りだ。同じ人格、同じ記憶を持ち続けるイバラシティの住人とは違い、他の多くのアンジニティの住人と同じく、向こうでの生活は仮初の肉体を通じて経験される、夢か幻のようなものである。別の人生を送る自分の記憶は、ハザマの彼を常に苛み続けることになる。
　ハザマでは異能が強化される。強化された異能が暴走し、何も囁かなかったはずの《直感》の声が聞こえるようになった時、彼は正気を疑った。この異能が自分から生まれたものではなく、どこかの違う誰かが異能を介して自我に干渉しているのではないか。人という器から溢れた異能が、同じくどこかで溢れた誰かの自我を混濁させてしまっているのではないか。イバラシティの自我とハザマの自我は別物だ。一人に複数人の自我が宿っていることも、あり得ないとは言い切れない。ならば、異能の直感を受けた自分の判断は、本当に自分の判断と言えるのか否か──

　皮肉にも、それを解決させたのはイバラシティの彼だった。
　彼は決心したらしい。八月三十一日。終わりが近いことを知り、想いに気づき、望みを叶えるために踏み出すことを。
　考えるまでもなかったのだ。異能がどうあれ、直感がどうあれ、自我がどうあれ。不確かなものだけを見るのではない。確かなものを得るために、向こうの自分は決意した。
　終わりが近いのだから、何かを決めなければならない。それは彼だけではなく、自分もそうなのだ。

ENo.474 イデオローグ とのやりとり


ENo.831 Dr.笹子 とのやりとり

Dr.笹子(831) から 神舐瓜 を手渡しされました。

ItemNo.27 尿酸値に効果のないわかめ を使用しました！
　魔香のため、体調は回復しなかった。
　今回の全戦闘において 攻撃47 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

Dr.笹子(831) から 殺生石 を受け取りました。

ものすごいお肉（1500 PS）を購入しました。

幻術LV を 5 DOWN。（LV10⇒5、+5CP、-5FP）

百薬LV を 10 UP！（LV20⇒30、-10CP）
付加LV を 5 UP！（LV94⇒99、-5CP）

ItemNo.5 硬質ワイヤー"FLAME Ⅲ"４ に ItemNo.24 アンデシン を合成し、硬質ワイヤー"FLAME Ⅲ"４ を強化しました！（+27）
　⇒ Which,Yes or No?！［ 1 5 5 = 11 ］不発！
　⇒ 硬質ワイヤー"FLAME Ⅲ"４／暗器：強さ745／［効果1］強撃53 ［効果2］攻撃40 ［効果3］－【射程3】


フタバ(515) により ItemNo.36 神舐瓜 から射程3の呪器『硬質ワイヤー"Period.S"』を作製してもらいました！
　⇒ 硬質ワイヤー"Period.S"／呪器：強さ1932／［効果1］追風40 ［効果2］－ ［効果3］自滅19【射程3】

Dr.笹子(831) により ItemNo.38 ものすごいお肉 から健食『岩塩と肉～香草を添えて～』をつくってもらいました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 1 1 6 = 8 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 技巧料理！［ 4 4 2 = 10 ］成功！料理の強さが増加！
　⇒ 岩塩と肉～香草を添えて～／健食：強さ327／［効果1］攻撃50 ［効果2］防御50 ［効果3］増幅50

ItemNo.36 硬質ワイヤー"Period.S" に ItemNo.37 殺生石 を付加しました！
　⇒ 気づきアトリエ修練！［ 6 4 3 = 13 ］通常付加
　⇒ 特質強化！効果3のLVが19増加！
　⇒ 硬質ワイヤー"Period.S"／呪器：強さ1932／［効果1］追風40 ［効果2］攻撃60 ［効果3］自滅38【射程3】


レン(270) とカードを交換しました！

Cold Fall 4 （レスレクシオン）


領域残滓 を研究しました！（深度0⇒1）
領域残滓 を研究しました！（深度1⇒2）
リビルド を研究しました！（深度0⇒1）

コンテイジョン を習得！
グレイブシンプトム を習得！
ドリンカー を習得！
サイケデリア を習得！
アシッド を習得！
四百四病 を習得！
コンターギオ を習得！
災難即滅 を習得！
催眠術 を習得！
アンチドート を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

Dr.笹子(831) は 金の光焔 を入手！
Dr.笹子(831) は 金の光焔 を入手！
麺屋の龍人(1595) は 立派な皮+1 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『ツクナミ区 K-2：チェックポイント《小集落》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 偽黒初(77) の選択は ツクナミ区 K-2：チェックポイント《小集落》

MISSION!!
タニモリ区 P-4：草原 を選択！
　　 - 偽黒初(77) の選択は タニモリ区 P-4：草原

［792 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［433 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［464 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［201 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［399 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［326 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［267 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［197 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［117 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［147 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［152 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［310 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［49 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［225 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［106 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［110 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［112 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［56 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［88 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［81 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［16 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［45 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［92 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［100 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［100 / 100］ ―― 《黒い渦》不運
［21 / 100］ ―― 《線路》駆逐



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

星空が映る。

　

微かな波音と共に、弦楽器の優しい音色。

　

　

　

星空のなかに、黒い裂け目。

　

その裂け目にいくつもの小さな光の玉が吸い込まれてゆく。

　

　

　




　




　

　

　

チャットが閉じられる――

何もない、草原。

　

その中で異常に生い茂っている場所。

そこから顔を出す――

　






　

ゆっくりと目を開き、こちらに気づく。

　




無表情のまま、笑い声のようなものを発する。

ゆっくりとこちらへと歩みを進める。

　

少女の歩みを追うように、茂みが作り出される。

･･･身体中が危険を知らせてくる。