［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「気づいたのよ。実は今、もしかして結構幸せなんじゃないか、って」

「毎日同じことの繰り返し。それを嫌う人もいるわ。でも、私は違う」

「たまに思うの。何もないことが一番……私の研究が必要になる時なんて、来ない方が良いに決まっているもの」

「ねえ。こんな日がずっと──」




「続けばいいんですけどね」

　ポツリと口からこぼれたものだったが。
　思ったよりもオフィスに響いたのだろう。発言の真意を探るべく、あるいは単に何を言ったのか聴き取れず、作業の手を止めることなく上司が尋ねてくる。

「何か言った？」
「いえ、独り言です。独り言ってことは何か言ったことにはなるわけですが、笹子さんに向けたわけではないので言わなかったカウントにしてもらえれば助かります」
「そう」

　五月六月は忙しい時期ではない。忙しい時期など存在しないが、さんさんと降り注ぐ太陽の光を受けて艶やかな彩りを主張する緑を窓越しに眺めていると仕事への気力が失われがちなため、ライフワークバランスの釣り合いが嬉しい季節ではある。先週末のバーベキューを思い出していたところ、午前の仕事時間が終了していたことは記憶に新しい。
　次に訪れるのは梅雨の季節だ。雨と湿度が気力を失わせる。夏は暑さが、秋は涼しさが、そして冬は寒さが気力を失わせるのだから、人生とはままならぬものである。

「さっきの話ですが」
「ん？」
「訂正します。独り言ですが、笹子さんに向けたものでもありました」
「手が動いてないと思ったらそんなことを考えてたの？」
「人生について考えていたんです。何もない日、今日みたいな日って、本当は幸せなんじゃないかなと……」
「……どうしたの、急に」

　今日も明日も、昨日のような日が続く。思い出にすら残らないような日々を続けられるのは、それだけで幸運なのだろう。持続可能性をうたったSDG湯（スーパー銭湯）も、そう馬鹿にしたものではない。
　人生とはままらないものである。だからこそ、それを人は幸福とは思わない。

「笹子さん。僕は思うんですよ」

　気づけないことに気づくのが彼の異能だ。
　直感は囁かない。彼の胸にある言葉、異能はそれを否定しなかった。

「こんな日がずっと──」




　それは相反する願いだ。
　彼と別の彼、即ちイバラシティとハザマの彼、二つの意志が交わることは決してない。

　イバラシティに暮らす自分は、自身を取り巻く環境の変化を望まない。まさか自分が己の存在を賭けて侵略者と戦う異世界の住人であるとは、夢にも思っていないだろう──彼もまた自分なのだから、思っていないと断言出来る。現状イバラシティの暮らしが永遠に続くこと、ともすれば永遠を誓おうとも考えていることも。
　上司との出会い、栄転（あるいは左遷）、そしてイバラシティでの充実した日々。彼の人生は幸せだった。《同人結社》の影響は声という形でしか届かない。その人生が偽りであると気づくことはないだろう。

　ハザマに生きる自分は、自身を取り巻く環境の変化を望んでいる。アンジニティの勝利でワールドスワップが終われば、世界のすり替えが生じ、イバラシティが乗っ取られる。それが消滅か上書きかは分からないが、手段を失いかねない。
　自分を拾ってくれた上司に報いる。彼女の決死の行動を支えるために尽くすと誓った。任務の失敗は計画の頓挫だけを意味するものではない。組織内に敵も多い上司だ。彼が戻らねば、彼女の思いは無駄になるどころか、彼女自身に危険が及ぶ。
　人生を賭けた大博打は、ハザマでの茅芽笹子との共闘により、最低限の目的は果たせた──今のところは。


　イバラシティの自分は、イバラシティの日々がずっと続けばいいと思っている。
　ハザマの自分は、ここではないどこかに行きたいと願っている。
　彼は判断を迫られている。
　仇敵同士が同じ天を戴かぬように、相反する二つの願いが両立することはない。





「貴方は、何処に居たいですか？」

　少女の撃破と、彼女の口から出た問いかけが、終わりを強く意識させる。

　ワールドスワップが順調に進んでいるかどうかについて、正確に見極める術を持つ者はいない。これはディーラー以外が場を支配できないのと同じで、仕組みとしてそうなっている。胴元はプレイヤーの越権をひどく嫌う。
　時間は経過しているらしい。それは間違いない。時計の針は常に進み続けている。終わりまでは数時間しか残っていない。そこを疑うのは賢明ではないだろう。不意打ちで明日にでも終わるとすれば、どんな抵抗も無意味だからだ。
　案内人たちの反応を見るに、ハザマを初めて訪れた際に伝えられたワールドスワップについての説明がどこまで本当かを判断するのは難しい。従わざるを得ないにしても、安易に鵜呑みにするには危険すぎる。と、直感もそう言っている。

　彼──偽黒初の目的は、ワールドスワップとは別にある。
　彼と上司の目的も別だ。彼にとっての最終目標と、上司にとっての最終目標は違う。部分的に一致することもあるからこそ、こうして共に戦っているわけだが。終わりが見えてしまえば、考えることもある。
　どこでどうするか。ワールドスワップに最後まで相乗りするか、損切を提案するか、そもそもその話を持ち出すか否か。まだ切っていないカードもある。遅きに失したきらいもあれど、最後まで行くのであれば、きちんと切るのが礼儀というものだ。
　何処に居たいか。
　単純な問いだが、答えるためには己と向き合う必要がある。何をしたいか、どうしたいか、それは何故か。直感に流されず、自問自答の熟慮の果てにこそ、結論は導き出される。




「僕も、僕が残ると思ってます。この目の真剣さに誓って。目の前の、今のこの笹子さんが残って欲しいという気持ちも嘘じゃない……」

　しばしの沈黙。
　彼の異能が、それは違うと否定したのか。それとも何か別の理由か──少なくとも、息継ぎにしては長すぎる時間。

「……Cross+Rose、ずっと聞いてくるじゃないですか。何処に居たいか……笹子さ、いや、茅芽さんなら、どう答えますか？」




　運命とは、無色透明の劇毒だ。その時が来て、人は初めて運命に気づく。

　気づくことなく生きているが、目の前には常に選択肢がある。
　大抵の場合、それは「はい」と「いいえ」の二択の連続だ。
　常にどちらかを選び続けることで、人は日々を過ごしている。どちらかを捨てながら運命を切り開いている。

　選べない問いに当たった時、人はそれが運命であると気づかされる。劇毒が迫っていたことを自覚させられる。
　どちらを選んでも損をする、どちらかを選べば大きく何かを失う。
　「はい」でも「いいえ」でも、AでもBでもなく、Cを選べる者。お仕着せの運命に抗おうとする者。
　物語はそれを、主人公と呼ぶ。

ENo.564 PSY.B.峰子 とのやりとり


ENo.831 Dr.笹子 とのやりとり

ItemNo.8 すっっっごいお肉 を食べました！
　体調が 2 回復！（13⇒15）
　今回の全戦闘において 攻撃37 防御37 増幅37 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

命術LV を 2 DOWN。（LV5⇒3、+2CP、-2FP）
付加LV を 29 DOWN。（LV69⇒40、+29CP、-29FP）
合成LV を 6 DOWN。（LV99⇒93、+6CP、-6FP）

武術LV を 1 UP！（LV39⇒40、-1CP）
変化LV を 3 UP！（LV37⇒40、-3CP）
響鳴LV を 3 UP！（LV37⇒40、-3CP）
解析LV を 5 UP！（LV35⇒40、-5CP）
料理LV を 40 UP！（LV0⇒40、-40CP）

Dr.笹子(831) の持つ ItemNo.12 金の光焔 に ItemNo.18 不思議な牙 を合成実験し、滑々なぶにゅぶにゅ に変化することが判明しました！
Dr.笹子(831) の持つ ItemNo.12 金の光焔 に ItemNo.24 何か柔らかい物体 を合成実験し、滑々なぶにゅぶにゅ に変化することが判明しました！
Dr.笹子(831) の持つ ItemNo.12 金の光焔 に ItemNo.44 防汚白衣 を合成実験しようとしましたが、LVが足りないようです。

運命の輪の子供(529) とカードを交換しました！

花の貌を持つ盗賊・カナエ （ヘカトンケイル）


技巧料理 を習得！
☆メナス を習得！
☆アルティメットフォーム を習得！
☆ディエスイレ を習得！
☆コンキスタ を習得！
☆メガトンパンチ を習得！
☆歌舞優楽 を習得！
☆カペルスウェイト を習得！
☆カタストロフィ を習得！
☆百術千慮 を習得！
☆エラト を習得！
☆神工鬼斧 を習得！
☆独具匠心 を習得！
☆喉飴作製 を習得！
☆初習得ボーナス：各FPが26増加した！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

偽黒初(77) は ビー玉 を入手！
Dr.笹子(831) は ライター を入手！
麺屋の龍人(1595) は ライター を入手！
Dr.笹子(831) は アンテナ を入手！
偽黒初(77) は リフレクター を入手！
Dr.笹子(831) は 書類+1 を入手！

Dr.笹子(831) がパーティから離脱しました！

ツクナミ区 R-14（草原）に移動！（体調15⇒14）
ツクナミ区 R-15（道路）に移動！（体調14⇒13）
ツクナミ区 Q-15（道路）に移動！（体調13⇒12）
ツクナミ区 P-15（草原）に移動！（体調12⇒11）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

Dr.笹子(831) をパーティに勧誘しました！
『ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 偽黒初(77) の選択は ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》
　　 - Dr.笹子(831) の選択は ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》
　　 - 麺屋の龍人(1595) の選択は ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》

MISSION!!
ツクナミ区 R-13：オオトラ が発生！
　　 - 偽黒初(77) が経由した ツクナミ区 R-13：オオトラ
　　 - Dr.笹子(831) が経由した ツクナミ区 R-13：オオトラ
　　 - 麺屋の龍人(1595) が経由した ツクナミ区 R-13：オオトラ

［807 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［438 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［477 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［198 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［406 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［326 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［265 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［191 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［116 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［145 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［149 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［307 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［47 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［210 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［92 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［106 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［96 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［46 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［81 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［71 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［11 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［24 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［54 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［10 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［100 / 100］ ―― 《黒い渦》不運



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　









　

ヴゥ･･･ン･････

チャット画面に何かが新たに映し出される。

　




　

　

　

　　　『次のワールドスワップのロスト候補者は53名。

　　　　――必要数を達成。次の発動が決定されました。』

　

　

　




　






少女が現れる。

　






　






　






　




　




　

　

　

チャットから消えるアダムス。

　

　

　




　






白南海もチャットから消える。

　




　

　

　

チャットが閉じられる――

ホルモン焼きのお店、オオトラ。

明かりの灯るお店、香ばしい良い匂いも漂ってくる。

　



店から男が出てくる。

　

こちらを睨みつける･･･