［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［スキル］OK.　

　……。



　…………。



　蜂蜜に似た甘い味が和らいだ。
　入口の突破を試みたが、何度試してもそれは叶わなかった。
　あの日、ランドルフの指揮により 速やかにこの部屋は封鎖された。
　銀竜様の加護を。
　彼らは一様にそう唱え、封鎖が終わると去っていった。
　この国は、リオネルの国ほど 竜の信仰が深く伝わっていないと思っていた。
　その認識は正しくなかった。
　同時に『間違っている』とも断言し難かった。
　彼らは銀竜の信徒であり、銀竜による滅びを受け入れている。
　彼らは全員、一つの組織に属している。
　教えはおそらくリーダーにあたる、ランドルフ・アルストロメリアが広めている。
　彼らは銀竜の言葉に従っているのか ランドルフ・アルストロメリアに従っているのか 殆ど区別がついていないのかもしれない。

　―― オレ達の国と何が違うのだろう。
　　　　　　　　　　　せんのう
　そんな疑問は、長年の 信仰 がかき消した。
　ただ、彼らの言葉に不明瞭な既視感を覚えた、それだけだ。
　不意に『名無し』の時の記憶が甦った。
　初めて規律違反を犯した夜、『黒』と共に町を駆け回った時のことを。
　何故、今それを思い出したのか、分からない。

　ランドルフ・アルストロメリアは元より『不幸喰らいの英雄』の来訪を知っているようだった。
　「あんたの敵だ」と、明言した。どうして知っていたのか。
　理屈に則って考えることは苦手だったが、しかしそれしか出来ることが無く 随分と時間をかけて導き出してしまった。
　特に難しい話ではない。
　ランドルフ・アルストロメリア一味の手が及んでいて、リオネルの行動が筒抜けだった。それだけだ。
　この国の人間と比較すればリオネルは目の色も体格も珍しい方だ。
　だからこそ、彼らにとって特徴を掴みやすい。
　ディルと呼ばれていた少年の言葉に嘘はあったが、全てが嘘という訳ではなかったのかもしれない。
　例えば彼ら一味の規模については、本当のことを言っていたのかもしれない。
　情報屋から話を聴き出そうとした時の出来事を思い返しても納得出来てしまった。
　ランドルフ・アルストロメリアの影響力がかなり大きいと判断して、彼に逆らわない選択肢を取った ―― 対立し得る存在へ情報を流さないことを選んだ。
　もしかすると逆にこちらの情報を売った可能性もある。

　考えている間に救援は来ない。
　協力者はいない。



　蜂蜜に似た甘い味が和らいだ。
　閉じ込められたこと自体は、これが初めてではない。
　『不幸喰らいの英雄』に任命される直前も、『竜殺し』の嫌疑で捕まった。
　あの時は旧知の『黒』も同時に捕らえられていたが、今はここにリオネル一人。
　地下に窓は無い。時計も無い。
　そして面会にくる人間もいない。
　動くものの気配がない訳ではない、しかしそこに生気は無い。
　おそらく彼らは全てが銀竜の眷属だ。
　生きた人間を求めて歩き回っているのだろう。
　リオネルのいる冷たい部屋を見つける素振りは、見当たらない。



　蜂蜜に似た甘い味が和らいだ。
　部屋中に充満する鉄の臭いには幾許か慣れた。
　慣れたくはなかった。
　出口を探すために探索を続けたものの、見つかるのは人骨ばかり。
　ここはそういう部屋なのだろうか。
　考えても分からない。
　生き物の死を見ることが苦手なリオネルは 考えたいとも思わない。
　考えたことで現状が変わる訳でもない。





　蜂蜜に似た甘い味が和らいだ。
　閉じ込められて、数か月。
　水も食料も無い。
　それでもリオネルはすぐ死ぬことが出来なかった。
　≪不幸喰らう力≫。これは文字通り、各地の不幸を喰らい蓄える力でもある。
　水や食料に乏しいイェルデ共和国でも立ち止まらず歩き続けることが出来るように。
　何度も色の無い竜の夢を見た。
　早く銀竜を止めろ、と その一言ばかりを強く投げ続ける。
　銀竜を止めるために死ねと。
　それが分からない訳ではない。
　どうすればそれを実現できるかが、分からない。
　夕焼け色の英雄未満は、一人で進むことが得意ではない。
　今も昔も変わらない。
　調和竜の教えに従って生きて、死のうとしている。
　それを間違っていると考えることは出来ない。
　死ぬまで疑問は己に見えないままで。
　万が一間違っているのだと考えたとして、今の彼ではそこで止まってしまうだろう。










　蜂蜜に似た甘い味が消えた。
　蓄えた分が全て無くなった。

　―― また、集め直さなくては。

　そう考えた頃にようやく気付いた。
　いつの間にか気配が消えている。
　それが何を意味するのか、分からない。
　銀竜が正気に戻ったのか、それとも銀竜がすべてを灰塵にしたのか。
　この暗闇の中では、分からない。
　今が昼か夜かも分からない。
　救援は来ない。
　英雄未満の男には、何もない。
　助けの宛て等、何もない。










　……。



　…………。



　シメイを果たす前に死ぬ訳にはいかない。
　だからこそ、≪不幸喰らう力≫を己に振るった。
　ありとあらゆる汚物をかき集めて煮詰めたような、酷い味がした。
　二度とその力を、己に振るう気になれなかった。
　さもなくば餓えて死ぬと分かっていても。










　―― 今のオレを見たら、国の皆はどう言うのだろう。




　―― 何も言わないか、オレは罪人ということになっているんだから。




　―― 事情を知っている人は。





　―― ヴァネッサ教官も、『黒』も、きっと 鼻で笑うだろう。
















　その時が訪れるまで2年程かかった。

　最期まで、助けは来なかった。
　滅んだ国の片隅で、誰にも知られず。

　英雄未満の青年は何も出来なかった。

　命を落としたその直前にも、調和竜は語り掛けた。
　それまでとは違う言葉を。










「貴様はシメイを果たせなかった。
　貴様のせいで、この世界は滅ぶのだ。
　貴様をこの世界で眠らせはしない、―― 掃き溜めの地に堕ちよ」










　リオネルはそれを受け入れることしか出来なかった。

















　次に気が付いた時には、彼は荒れ果てた土地で 竜の姿になっていた。
　自らを否定した色無き竜と ごく似た、しかし彼の者には無かった枷を付けた姿だった。

ENo.285 日明と月夜 とのやりとり


ENo.978 杏里 とのやりとり

特に何もしませんでした。

百薬LV を 5 UP！（LV10⇒15、-5CP）
合成LV を 5 UP！（LV51⇒56、-5CP）

透(1491) とカードを交換しました！

アステリオス （ウルトラサウンド）


レインフォース を研究しました！（深度0⇒1）
レインフォース を研究しました！（深度1⇒2）
ドリンカー を研究しました！（深度0⇒1）

クリエイト：バンデージ を習得！
リザレクション を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シエ(11) は 匂辛夷 を入手！
スバル(138) は 天青石 を入手！
眞梨奈(155) は 雪花石膏 を入手！
不幸喰らい(546) は 雪花石膏 を入手！
スバル(138) は 立派な皮 を入手！
スバル(138) は ビーフ を入手！
不幸喰らい(546) は ものすごいお肉 を入手！
眞梨奈(155) は ものすごいお肉 を入手！
スバル(138) は ものすごいお肉 を入手！
眞梨奈(155) は ビーフ を入手！

スバル(138) に移動を委ねました。

ツクナミ区 P-8（山岳）に移動！（体調21⇒20）
ツクナミ区 Q-8（道路）に移動！（体調20⇒19）
ツクナミ区 R-8（山岳）に移動！（体調19⇒18）
ツクナミ区 S-8（山岳）に移動！（体調18⇒17）
ツクナミ区 T-8（山岳）に移動！（体調17⇒16）

［821 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［444 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［481 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［200 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［410 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［328 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［263 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［189 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［111 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［146 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［146 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［299 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［41 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［203 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［89 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［99 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［90 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［46 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［76 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［56 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［5 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［21 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［43 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［0 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［11 / 100］ ―― 《黒い渦》不運



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

Cross+Rose越しにどこかの様子を見ているエディアン。




　

　

　











いくつかの映像が映し出される。

　







　

不思議そうにするエディアンを見て、軽くため息をつく白南海。






　






　

　

　

チャットが閉じられる――