［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「オイラにとって親分は、恩人なんっスよ」

　ディル、と呼ばれていた少年は 案内の道すがら、リオネルにそんな話をした。

「オイラずっと人から人に渡る形であちこちを転々としていたんスけど、親分と会う前あたりだと採掘奴隷みたいなことしてたんっス」
「 ……イェルデは随分前に奴隷制度が廃止されていた筈だし、そんなの『鉱山役人』達が黙っていないんじゃないか」
「他の国の人なのに詳しいんスね。
　確かにそうなんっスけど～……オイラの元『持ち主』はモグリだったそうで。
　それに見て分かる通り、オイラはこの国で生まれ育った訳じゃねーっスから……多分、オイラが生まれたところだと そういうアレが廃止されてなかったんじゃねーっスかね」

　どこか曖昧な語調だが、『人から人に渡る』という言い方から この少年は物心がついた時には奴隷としての扱いを受けていたのかもしれないと感じるリオネルである。本来はどこの国の人間なのか自分でも分かっていないのかもしれない。

「その元『持ち主』達をぶっとばしたのが親分っス。今は前と比べてずっと自由に過ごせているんスよ。どうやってオイラ達を見つけて、どうしてオイラ達に居場所をくれたのかは、オイラも知らねーっス」

　それは、善意からの行動じゃないのか。
　そんな言葉が出る前に、少年は立ち止まった。目の前には扉。少年は、扉を5回ほど 均一な間を置いて叩いた ―― やがて扉の向こうから、硬いものを叩くような音が3回聞こえた。
　それが何かの合図だったのかもしれない。少年は扉を開かないまま話し出す。

「あの土人形を止めたいって言ってる人を連れて来たっス。
　旅人で、最前線のど真ん中でずーっと一人で持ちこたえてたっス」



「根っこの部分の話をしてるみたいっス」



　遠くから聞こえた声は涼やかな声質をしていた。
　数度のやり取りを経て、少年は改めてドアを開けた ―― なにやら首を傾げながら。
　少年に続くように、中に入っていく。そこはさほど広くない部屋だ。扉の突き当りの壁際、置かれた木箱の上に青年が座っている。
　黒い髪と 青く鋭い目。正装に身を包んだ、中背の ―― リオネルの基準で見れば中背で、この国の基準で言えば随分大柄な ―― 青年だ。
　背後で、扉の閉まる音。おそらくは案内の少年によるもの。
　青年は扉を見て頷き、話し出す。

「わざわざサンドリヨンから、遠路はるばるイェルデへようこそ。僕こそが、ランドルフ・アルストロメリアだ」

　酷く冷たい青年の目をじっと見つめた。その目を見ていると何故か最後に敵対した『黒』の目を思い出し、同時に 『竜守』であった時に対峙した悪漢の言葉が甦る ―― 『誰だって好きにしていいんだ』―― 何故、今この状況でそれらを想起したのかリオネル自身にも分からなかったし、分からなかったからこそ直ぐに忘れた。

「こちらの素性は把握しているんだな」
「ああ。灰色の目をした人間といえば、概ねサンドリヨン出身だろうし……それに、『不幸喰らいの英雄』といえば、この辺りでは有名な御伽噺だ。大半の連中は単なる御伽噺としか考えていないようだけれど、少なくとも僕や ―― 部下の『神力』使いたちは それが御伽噺じゃないことを知っている」

　実際のところ、彼の言葉には嘘が混ざっている ―― 配下のひとりと思われる少年は『不幸喰らいの英雄』のことなど存じていない様子だったのだが ―― リオネルにはそれが見えないまま、話を続ける。

「……今、話があった通り、オレは『銀竜』を止めるためにやってきた。リオネル・サンドリヨンという。
　表で暴れまわっている土人形のようなものも、『銀竜』が作り出したもの。それらを止めるために……≪点繋ぐ力≫を持つといわれる、ランドルフ・アルストロメリアを探しながら、『不幸喰らいの英雄』として各地で力を使ってきた」
「……僕らに対する用件だけに着目した言い方をすれば、僕らの力を借りたい、と」

　リオネルは頷く。

「『不幸喰らいの英雄』の物語を、単なる御伽噺と考えていないのであれば……このまま何もせずにいればどうなるか分かっているだろう？」
「ああ、僕は分かっているよ。分かっているけれど、君は本当にそれだけの目的でわざわざ来たのか。見返りどころか 成否に関わらず死ぬと分かっていて、その上で銀竜を止める ただそれだけのために？ 狂っている ―― それが正しいか間違っているかという話ではなく、狂っているよ」

　リオネルには、ランドルフの言葉の意味が理解できなかった。リオネルにとって
　問い正そうと口を開くが、幸か不幸かそれを遮るように 再び扉が開いた。

「ランドルフ！」
「おい、合図はどうした」
「言っている場合じゃない、3番倉庫にもアレが出やがった！」
「……よりによってあそこか。誰かやられていないか？」
「俺が見た時点だと、『末端』が何人か……」

　仲間の言葉を受けて、ランドルフはどこか気怠げに立ち上がる。

「……『眷属』か？」

　無視できなかったリオネルは、そう問いかけた。

「それがあの土人形どもを指しているんなら、そうだろうとも」
「同行させてくれ」

　その言葉に、今しがた報告にやってきた方の仲間が 得物をリオネルに向けた。得物を持つ手は震えていて、おそらくは非戦闘員なのだろうと分かる。

「アーヴィン。ナイフを下ろせ」
「しかし……！」
「彼、僕より強いよ。そんな相手に得物向けて、殺されたい？」

　その言葉に、アーヴィンと呼ばれた仲間はナイフを落とした。ランドルフは床に落ちたナイフを指さし ―― 直後、彼自身の身体とナイフの間に赤い鎖のようなものが現れた。鎖は急速に縮まり、引っ張られるようにナイフはランドルフの手元へ。

「同行を許可する。人を見る目には自信がある ―― 君は少々 宝石箱みたいな頭をしているようだが、それはともかくとして 意味もなく僕たちに害を成すことは無いだろう」



　彼らが3番倉庫と呼ぶその場所は、最前線からは随分と離れた場所にあった。

「この街はオイラたちの拠点のひとつなんっスよ」

　移動中に少年は語る。

「だもんで、何か所か倉庫みたいなのを持ってて 倉庫として使い始めた順に1番、2番、3番……って番号が付いてるんス。何を置いているか別に厳しく決めてる訳じゃねーんスけど、3番倉庫はオイラが最後に見た限りだと 武器が色々あった筈っス」
「『眷属』が武装化できてしまう……」
「あいつら、武装するほど賢いんスか？」
「個体差があって、武装して襲い掛かる例もある。……それにしてもオマエたち、『拠点のひとつ』って言うくらいだし、随分大きい集まりなんだな。こうなる前は何をしていた？」
「騎士サンからすると好ましくないかもしれねーっスけど……評判悪い上流階級から色々盗んで、困ってる人にまわしてたっス。けど今はそれどころじゃなくなってるっス」

　この会話だけでは、どこからどこまでが事実か否か判断出来ない筈である。しかし、この時のリオネルは、疑えなくなっていた。

「ディル、要らんことを喋りすぎるな」
「えー。これから協力するかもしれねーっていう相手なんっスよ。話しといた方がいいじゃねーっスかぁ」
「そうと決まった訳ではない、怪しい動きをした時はどんな手を使ってでも切り捨てる」

　少年の言葉を聞く限り、彼らは悪しき存在ではないが 正しい存在とも考え難い。リオネルの考え方からすれば、盗みという行動は罰せられるべきものだ ―― 喩え相手が暴利を貪る貴族の類いであろうと。
　しかし、盗品の使い道を全否定することは、出来なかった。リオネルは既にこの国の様子を嫌という程見ている。貧しい者や弱い者が、奪われ 果てには死んでいく姿も、弔われない亡骸も、何度も見ている。

　―― もしかすると『竜殺し』達も、本質は似たようなものだったのかもしれない。

　彼らを視ているつもりで、本当に視えていたのか何も分からなくなった。視えていなかったとして、詫びる機会も 改める機会も 二度と訪れないのだと遅ればせながら気づいた。

　―― せめてこの国に訪れた災厄は、オレの手で止めないと。
　―― それが出来たとしても、オレの間違いが消える訳じゃないけれど。

「……いつまでぼんやりしている？」

　声をかけたのはランドルフだ。

「同行を申し出ておいて集中力に欠けていては困る。……もう、3番倉庫は見えている」

ENo.285 日明と月夜 とのやりとり


ENo.978 杏里 とのやりとり

ItemNo.29 エナジー棒 を食べました！
　体調が 0 回復！（30⇒30）
　今回の全戦闘において 活力10 防御10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

守護者の姿が消え去った――

　

　

六角形の柱から天に向け、赤色の光柱が立つ。

どうやら次元タクシーで行けるようになったようだ。

シエ(11) に ItemNo.14 柚子 を送付しました。

百薬LV を 5 UP！（LV0⇒5、-5CP）
合成LV を 5 UP！（LV41⇒46、-5CP）

シエ(11) により ItemNo.28 栄養ドリンク から料理『魔剤メシ』をつくってもらいました！
　⇒ 技巧料理！［ 3 3 2 = 8 ］成功！料理の強さが増加！
　⇒ 魔剤メシ／料理：強さ150／［効果1］活力10 ［効果2］防御15 ［効果3］鎮痛20

雪之丞(1244) とカードを交換しました！

奥秘剣降魔条・黒龍剣之事 （ダークインパルス）


カーボナイズ を研究しました！（深度0⇒1）
ハデスポムグラネイト を研究しました！（深度0⇒1）
エレクトリックパレード を研究しました！（深度0⇒1）

クリエイト：ヴェノム を習得！
マナポーション を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

不幸喰らい(546) は 毒液 を入手！
眞梨奈(155) は 立派な羽 を入手！
シエ(11) は 立派な羽 を入手！
シエ(11) は 小判+1 を入手！
スバル(138) は ビーフ を入手！
不幸喰らい(546) は すごい羽 を入手！
不幸喰らい(546) は すごい羽 を入手！
眞梨奈(155) は すごい羽 を入手！
不幸喰らい(546) は すごい羽 を入手！

次元タクシーに乗り ツクナミ区 K-2：チェックポイント《小集落》 に転送されました！


スバル(138) に移動を委ねました。

ツクナミ区 L-2（山岳）に移動！（体調30⇒29）
ツクナミ区 M-2（山岳）に移動！（体調29⇒28）
ツクナミ区 N-2（山岳）に移動！（体調28⇒27）
ツクナミ区 O-2（山岳）に移動！（体調27⇒26）
ツクナミ区 O-3（山岳）に移動！（体調26⇒25）

採集はできませんでした。
　　 - スバル(138) の選択は ミナト区 G-8：チェックポイント《珈琲店》（ベースキャンプ外のため無効）

MISSION - 未発生：
　　 - スバル(138) の選択は ツクナミ区 K-2：チェックポイント《小集落》（ベースキャンプ外のため無効）

［821 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［448 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［490 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［196 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［408 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［323 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［249 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［181 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［104 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［146 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［145 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［287 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［40 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［181 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［80 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［97 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［73 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［45 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［66 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［55 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［1 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［62 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［0 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［20 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

･･･夜空が見える。

　

　

　

どこからともなく無数の光の玉が空へと浮かび上がり、

真っ暗な空間を星々のように彩りはじめる。

　

　

　

少しずつ、少しずつ、

光が寄り添い集まっていくように見える。