［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「……」

ベースキャンプからヒノデコーポレーションビル、ヨシバラと転戦し、再び探索に向かったメイヴィスらを見送った皆藤は、未だベースキャンプに留まっていた。
理由は単純だった。今の自分では同行した所で足手纏いにしかならないという判断だ。

天啓崎との闘いで失った両脚の代わりにメイヴィスから魔女の智慧をふんだんに用いた義足を当てがわれた。
それでも探索に出られる状態にないと判断したのは、精神的な物が大きかった。

このハザマに呼び出された相良伊橋高校女子バスケットボール部員は皆藤と顧問のメイヴィスを除くと4人。
斧寺 逸巳、樋水 るぅ、古音 ロネ、そして天啓崎 久遠。
奇しくもスターティングメンバ―と同じ5人がイバラシティの守護者として呼ばれていた。
斧寺は死んだ。樋水も死んだ。そして天啓崎は自らの手で殺した。
……もう彼女達は帰ってこない。それは同時に、『イバラシティ・アンジニティ、陣営関係なく全員でイバラシティに帰る』という自身の目的が崩れた事を意味していた。

皆藤の心に影を落とす事由はそれだけではない。
見下ろすと、金属質の光沢を放つ脚を模した魔導機械。
金属でできたそれは酷く重いが、親に貰ったそれとは比べ物にならない脚力を皆藤に齎している。
だがこれはあくまで代用品なのだ。外してしまえばコートの上を目にも止まらぬ速さで駆け回る事も、高みにあるゴールリングに向けて跳ぶ事も出来ない。
皆藤は両脚と共に、『プロバスケプレイヤーになる』という夢も断たれていたのだ。


ピロン。
失意の中に皆藤に、唐突にチャットが届く。

「皆ふじ、せん輩…？」

音声メッセージは、聞き覚えのある声で紡がれていた。
古音 ロネ。ソラコー女バス部の2年生にして、自分を除いた唯一の生き残りだ。
皆藤が端末に目を遣ると、断続的にメッセージが送られてくる。

「きこえて、ますか？私　です　古音ロネ、です」
「みな藤せんぱい　が　今ベースキャン　プにいるって聞いて。
それで　お願いしたい事があって　連らく　しました」
「もし　まだここにいるなら　ベースキャンぷの外れ　北西の隅に　来て　くれませんか？」

「……」

メッセージを受け取った皆藤は少し逡巡する。
古音も天啓崎と同様にイバラシティを裏切り、自分を不意打ちで始末しようとしているのではないか？と。
だがそれは杞憂だと、自分自身の感覚が知らせた。
この戦争、そして参加者である自分たちをゲームの盤上と駒として見ている存在は確かにいる。
そもそも自分がそう断定したのは、このゲームが厳正なルールの上に成り立っているからだ。
そしてそのルールは絶対。如何なる特例があろうと、アンジニティ陣営の参加者がイバラシティ陣営のベースキャンプに立ち入る事は出来ない。そのはずだ。

そうと決まれば、拒む理由は無い。皆藤は義足を操り、メッセージで伝えられた場所へと向かった。

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チナミ区Ｄ－２、北西端。
ここがイバラシティなら海を隔ててトーキョーシティやヨコハマシティが見える筈の海岸だが、ここから見えるのは水平線だけだ。
ベースキャンプの設備もないこの場所には、皆藤を呼び出した古音以外に人影はなく、ただただ紅い海が波打つ音だけが響いていた。

「……ロネっち？」

海の方へ体を向け、こちらに背中を見せて佇んでいた古音に声を掛ける皆藤。
古音もそれに気づいたようで、僅かに振り向き、微笑みかける。

「せんぱ　い。来てくれた　んですね。」
「……うん。頼みがあるんだって？」

くすんだグレーの地毛とでも言うべきか。そんな色合いの髪がふわりと揺れる。
そこから、バスケと言うぶつかり合いの激しい競技には向かなそうな優し気な横顔が覗いた。

「そうなんでス。先輩にお願いがあってきテもらったんです。先輩にしか、頼めなくて。」
「いいよ。ウチにできる事なら。言ってみ。」
「……」

ザッ。

皆藤が承諾すると、唐突に古音は、傍らの砂浜に突き立てていた、青い金属の槍を皆藤に向ける。

「……！」

だがその槍は、穂先が古音を、そして柄をまるで皆藤に差し出すように向けていた。

「……これ、どういうコト…？」

一瞬自分の方に刃を向けられたと思い身を強張らせたが、槍の向きに更に戸惑いを覚える。

「……私、せんぱイのいう通り、弱いハザマの生き物を倒して影響力をか　せごうとしたんでス。決闘を避けて。」

戸惑う皆藤を他所に、口を開く。





「そしたら、急にアナウんスが入って。いきなり、決闘はベースきゃんプでも避けられないって。
それで私も、無理矢理アンジニティの人と引き合わ　されて。」

「訳わからなイうちに戦わされる事になったんです。でも、その時の相手が、み　覚えある感じがして。」

「de……　もしかシてって、思っ　て。聞いて、確かめたんです。」

「『君、妹のリノ？』って。」

「私の予感は当たって　まシタ。わたシノＩＭＯＵＴＯは、妹と思っていた子は、リノは、アンジニＴＹだっタんです。」

「でも、あの子も私と同じように戦いヲ避けてたみたいで、決闘も嫌だって言ってました。
……姿は違ってても、あの子はリノだったん　でＳＵ。
優しくて、おとなしくて、オクビョウで。」

「でも……私、見捨てられなくテ。決めＴＡんです。」

「……あげちゃいましＴＡ。エイ…Ｅ、影響力。」
「……っ！！あ、ああぁ……！！」

そう言った古音は、泣き笑いとでも言える表情を皆藤に向ける。
その顔の右半分は皮が剥げたような赤に染まり、ドロリととろけている。
眼球は無く、代わりに暗い空洞に朧げな赤い灯が灯っているように見える。

古音の顔半分は、ハザマで最初に戦った生命…『ナレハテ』そのものだった。




「ごめん、ナサイ。わタシ、裏切りモノでスよＮＥ。わざと負けて、アンジニＴＹに影響力を差し出す様な事しちゃったんですから。」
「そんな事……無いっ！！
それより、その顔…！」

皆藤に指さされた箇所、即ちナレハテ化した顔に古音が触れる。
べちゃりと粘液が糸を引きつつ、指に赤い泥状の肉が付着した。

「ＳＯＵ。ソレガ、センパイにオネガイしたい事なんデス。」
「見てワカルとオモイマスケド、ワタシの影響力ハ、殆ど無くなりましタ。今の私はナレハテ化が進みきってしまってマス。」
「……もう、理性とか意識トカ、そういうのが無くなりそうなホドに。」

「ろ、ロネっち…」

「わ、タシ、嫌なんです。ナレハテなんかになりたくナイんです…！
だか、ら、ワタシが私でいられる内に…」
「ロネっち……嫌だよ、ダメだよ…！」

槍の柄が、更に突き出される。
それを見て皆藤は、古音の言わんとする事を悟った。

「ゴメンなさい、ごめんナサイ、ＧＯＭＥＮなさイ…！
でも、自分デはどうにもできないンデス……！知らない人にはこの顔を見られたくなくて、先輩にしか、頼めなくテ！！」
「……っ！！」
ぶんぶんと頭を振って拒否する。

「センパイ……！！」
「私を、ナレハテになる前に、殺しテＫＵＤＡサイ……！」

「……っ！！」

ドサッ、と槍が砂浜に落ちる。
それに視線を落とし、再び顔を上げると槍を持っていた手がぼとぼとと崩れ始めていた。
本当に時間がない、と察する。

「見て、ください…！モウ、時間がナイんです！！」
「……！!」
首を横に振る。

「オネガイ、です…！」
「…はぁっ、はぁっ！！」
首を横に振る……

「早くっ！！」
「……」
「……うわああああああああっ！！！」



古音の叫喚。
それに突き動かされた様に、皆藤は落ちた槍を拾い上げる。
そして…


ドスッ。

……溶けかけた古音の心臓を貫いた。

「ゥ……ア…」
「アリ、ガトウ……」

……皆藤の耳に、感謝のささやきが届いた。



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ザザーン……

赤い海の漣が響く。
砂浜にいるのは、皆藤千穂ひとり。
傍らには、取り落とされた槍と体の半分が解け落ちながらも安らかな顔を浮かべる古音ロネ。

その光景を前に、皆藤は茫然と立ち尽くしていた。




……やがて、顔を赤い空に向ける。
そして息を吸い込み……

ENo.194 リンネ とのやりとり


ENo.195 天使様 とのやりとり


ENo.388 ユイノ とのやりとり


ENo.415 【匿名】 とのやりとり


ENo.587 いちま とのやりとり


ENo.1491 透 とのやりとり


ENo.1659 あおい とのやりとり

ItemNo.2 駄物 を破棄しました。
ItemNo.3 不思議な装飾 を破棄しました。
ItemNo.4 エースユニフォーム を破棄しました。
ItemNo.5 エースシューズ を破棄しました。
ItemNo.7 駄物 を破棄しました。

ItemNo.6 バスケットボールサイズおにぎり を食べました！
　体調が 1 回復！（25⇒26）
　今回の全戦闘において 器用10 敏捷10 耐疫10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

バーテンダー をエイドとして招き入れました！

使役LV を 30 DOWN。（LV30⇒0、+30CP、-30FP）

変化LV を 35 UP！（LV0⇒35、-35CP）
合成LV を 7 UP！（LV33⇒40、-7CP）

ItemNo.25 人形 に ItemNo.39 小さな灯火 を合成実験し、滑々な青い塊 に変化することが判明しました！
　⇒ 滑々な青い塊／素材：強さ25／［武器］回復20(LV30)［防具］充填20(LV40)［装飾］列撃20(LV40)

ItemNo.38 小判 に ItemNo.39 小さな灯火 を合成実験しようとしましたが、LVが足りないようです。

メイヴィス(1603) により ItemNo.30 機巧脚用仕込み刃・断絶 に ItemNo.31 元宝草 を付加してもらいました！
　⇒ 機巧脚用仕込み刃・断絶／呪器：強さ786／［効果1］攻撃40 ［効果2］風纏20 ［効果3］自滅19【射程1】

カードを作成しましたが誰とも交換されず自分のものとなりました！

鋼鉄の機巧脚 （ソードブレイカー）


ガードフォーム を習得！
クリーンヒット を習得！
アジャイルフォーム を習得！
プロテクション を習得！
ディベスト を習得！
ガーディアンフォーム を習得！
リワインド を習得！
ワイドプロテクション を習得！
アブソーブ を習得！
血気 を習得！
インデュース を習得！
イクステンション を習得！
ブレイドフォーム を習得！
オーバーウェルム を習得！
旋風 を習得！
フォースフィールド を習得！
グラトニー を習得！
シュロム を習得！
ファントムシーフ を習得！
エレメントフィールド を習得！
千変万化 を習得！
ムスケルクラフト を習得！
鏡花風月 を習得！
奇想天外 を習得！
ナタナエル を習得！
超絶英雄 を習得！
ハーレクィン を習得！
強化合成 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

貴登子(260) は 丸太 を入手！
チホ(612) は 榧 を入手！
メイヴィス(1603) は 榧 を入手！
あおい(1659) は 榧 を入手！
メイヴィス(1603) は 甲殻 を入手！
あおい(1659) は 光小晶 を入手！
チホ(612) は 装甲 を入手！
貴登子(260) は 光小晶 を入手！

コヌマ区 E-1（森林）に移動！（体調26⇒25）
コヌマ区 F-1（森林）に移動！（体調25⇒24）
コヌマ区 G-1（森林）に移動！（体調24⇒23）
コヌマ区 H-1（山岳）に移動！（体調23⇒22）
コヌマ区 I-1（山岳）に移動！（体調22⇒21）

［837 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［454 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［498 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［203 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［406 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［325 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［245 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［182 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［98 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［148 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［135 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［266 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［32 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［123 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［67 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［81 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［62 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［34 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［49 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［68 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［51 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［0 / 100］ ―― 《荒波》強き壁



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　





突然チャットに現れるマッドスマイルちゃん。

　






疑いの目で見るふたり。

　








不満そうな顔で腕を組むエディアン。

　

　

　











チャットから抜けるマッドスマイルちゃん。

　

　

　

　

　

　




　




　

　

　

チャットが閉じられる――