［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「結構楽しいですね。この……名前は思い出せないんですが、この二人零和有限確定完全情報ゲーム」
「そうね。性に合ってるかも……名前の方が短くないかしら」

　日程の都合上、この日が丁度空いていたというのもあるが。
　二月の中旬に控えているイベントと言えば、世間的にはヴァレンタインデーであり、その日の予定が両名とも存在しなかったというのは、偶然にしては出来すぎているだろう。
　先日の会話で突如浮上した予定には酷暑を乗り切ることがお題目として掲げられていたが、この際目を瞑ろう。例によって上司と二人で繰り出したボードゲームカフェは盛況で、周囲を見渡せば若い男女の客が多い。
　対面する上司が熱中しているのは、変則的な陣取りゲームだ。マス目に沿ってピースを配置し、相手の進路を妨害しつつ、自陣を先に繋いだ方が勝利となる。妨害と侵略のバランスや、布石となる配置など、シンプルながら奥の深いボードゲームだ。現在は上司が三連勝しており、今まさに連勝数が追加されようとしていた。

「我ながら、いい感じじゃないかしら。今日初めてプレイしたにしては」
「こういう知的な感じって笹子さんのイメージじゃないですか。ほら、知恵の輪とかも得意ですし」
「知恵の輪攻略なんて今まで一回も披露したことがないと思うのだけれど」
「そうですか？　でもほら、似たようなもんですよ」
「澄み切った目で断言されると弱いわね……」
「ところで今の僕たちって、他の人からはどう見えてますかね……いや、深い意味はないんですが」
「そんなの決まっているじゃない」

　思ったよりも速く思ったよりも力強い即答だったので面食らっているところに、上司が畳みかける。

「見て分からない方がおかしいとも言うわね。一目で分かるわよ」
「そ、そうですか？　そう思ってもらえるなら僕も──」
「優勢と、劣勢。盤面を見ただけで直感的に理解できるシンプルな作りだもの」
「そういうことではなくてですね……ほら、日取りもよろしくヴァレンタインじゃないですか。周りも概ね、カップルだらけで」
「そうね。そういうこともあるわよ。だってこれは男女問わず広く愛されるほど面白いもの」
「面白さについては納得できますが」
「会話で時間を稼ぐ手は悪くないわ……でも、ここからひっくり返す策は出るかしら？」
「……いえ、お手上げです。あとN手で詰みます。Nは任意の自然数です」
「判断が速い人は好きよ。自分で敗北を受け入れる度量、もっと多くの人に持ってて欲しいのだけれど」
「僕の度量、四連続で高まってません？」
「……もしかして、つまらなかったかしら？」

　ばつが悪いのだろうか。ボードに顔を向けたまま、目線だけこちらに向けて尋ねてくる。
　ふう、とため息をつくと、不安そうな上司に向かって小さく微笑んだ。

「こっちの台詞ですよ。差がありすぎて楽しめなかったんじゃないかと……互角に近い方が楽しいでしょう」
「なんだそんなこと。一人じゃ出来ないんだから、感謝こそすれどつまらないなんて。私が誘ったんだもの、そこまで無礼な人間じゃないわよ」
「……へへ」
「え、見たことない反応。しかも良い手を打ってきたわね……」

　とはいえ、流石に四連勝すると満足したのだろう。折角来たのだからと、今度は別のゲームを引っ張り出してきた。
　次にプレイするのはダイスの出目で役を作る変則ポーカーのようなゲームで、出目の大小と役に応じた得点を得られる一方、役が揃わなくても役を宣言しなければならない。一試合で作れる役の数は決まっているため、運の要素だけでなく、的確な損切りとリスク管理が求められる。

「こういうのは得意ですよ。運とか直感とかリスクとか」
「あら、怖いわね。でもどうかしら……流れは私にあるみたいね」
「初手で六揃えるのは嘘ですよ！　鉛入ってませんかそのサイコロ」
「イカサマの告発は己の指を賭けることになるわよ」
「ぐぬぬ……相手に干渉出来ない異能の脆弱性をついてくるとは……」
「出来なくて良かったわね。一緒に居ることに危険が無いもの」
「そういう考えもありますか。確かに精神干渉出来る奴と過ごすのは心が休まらないかもしれません」
「程度の問題と信頼関係でしょうけどね……それにしても貴方、さっきからダイスのキープが的確すぎやしない？」
「間違いそうになると違うと教えてくれるのが僕の異能！　《有有有利有利有利》！」
「キメ台詞として格好良くないわよ、それ」
「でも点数はかなりいけますよ」
「やっぱりあんまり心が休まらないかもしれないわ」
「そんなあ……」

　今度は笹子さんが連敗を喫する番だった。

　その後もいくつかのゲームをプレイし、運の要素が強いと勝ち、運が絡まないゲームで負けるを繰り返した結果、総合的な勝敗はほぼ互角となった。確率論的な収束というよりは、プレイスタイルとゲームチョイスによるものだろう。一方的な試合となる度に違うゲームへ切り替えていたためである。
　時計の針は速めの夕食の時間を指していた。昼食後に待ち合わせたのだから、半日丸々遊び尽くしたことになる。

「そろそろいい時間ね……どうする？　ラスト、何か一つ選ぶとしたら」
「よし。じゃあ賭けましょう。ラストは伝統に則り一億勝カウント。賭けバトルだ！」
「前提となる選択肢が物凄く広いのは貴方の長所の一つではあるかしらね」
「チョコ賭けましょうよ、チョコ。ヴァレンタインじゃないですか。チョコが欲しくないと言えば嘘になりますし、僕は嘘が嫌いです」
「一理あるわね……うん、今日は私の予定に付き合って貰ったことだし、ここは貴方に付き合うわ」
「二人ともルールを熟知していて、馴染みがあり、時間的にも速めに決着がつくゲームといえば……”””こいこい”””です」
「一杯雨流れ無し半年倍付けあり。最後くらい、運でも貴方に勝っておきたいところなのよね」
「そういう熱いところ、嫌いじゃないですよ」
「負けず嫌いなだけよ」
「勝つのは僕ですけどね」
「お楽しみはこれからよ」
「あ、僕が言おうとしてたのに」


────


　異能、《有有有利有利有利（アドアドアドバンテージテージ）》がハザマの力で強化されたのは、こちらの時系列でみればだいぶ前のことになる。一人分のキャパシティを超えて発動し続ける異能の代償として現れたものが頭痛だと思っていた。
　何度も何度も、繰り返すように確認する。直感は本来、人間の制御の外にある働きだ。直感に理由を求めてはいけないことは理解している。理性や経験則を超えた何らかの働き、それが直感だからだ。
　ある時から聞こえるようになった謎の囁きの正体が、強化されて一人分以上の直感出力を得てしまった異能による、存在しない別の自我の──あるいは別世界の己の直感による囁きだなどとの考えは、いかにも馬鹿げている。過去を裁断したような悪夢がその一環だというのも、普段なら一笑に付していただろう。逆説的な、ペテンめいた論法でしかないことは理解しているし、理由を求めてはいけないことも理解しているつもりだ。
　しかし、馬鹿げているからこそ恐ろしく、信じられないからこそ疑わしい。ハザマの自分、イバラシティの自分、そして、そうではない別の自分。自分は大丈夫だと、自分自身に何度も何度も言い聞かせた。
　暴走を続ける異能は、《有有有利有利有利》ではない。新たな名を与えて区別し、分析し、理解したことにして仕舞い込むことにした。これ以上同行者に心配をかけることは出来ない。《同人結社（ホールディングス）》と名付けたそれが、囁きを止めるその日まで──あるいは、直感が焼き切れるその日まで。
　ベースキャンプで目覚めてからというもの、何度異能を使おうとも、頭痛に苛まれることは無くなった。代わりに、囁き声はイバラシティの自分にまで聞こえるようになっていた。今は消失した代償が、忘れた頃に取り立てられるのではないかと、怯えることになった。
　本当に救いを求めている時にこそ、直感に囁いて欲しかった。己の異能であるのなら、己を助けて欲しかった。
　直感は、囁かない。

ENo.831 Dr.笹子 とのやりとり

ItemNo.1 駄物 を破棄しました。
ItemNo.5 守りの石 を破棄しました。
ItemNo.12 硬質ワイヤー"FLAME Ⅲ"２ を破棄しました。
ItemNo.17 服（衣替え） を破棄しました。
ItemNo.18 毛 を破棄しました。

Dr.笹子(831) から すごい液体（石）Mark.2 を手渡しされました。

梅の木たちを退けながら進んでいく。

すると梅の香りとは別の、何か甘い香りが漂ってくる･･･

　

香りを追ってゆくと、梅の花に囲まれた売店がある。

そこに、店員？と思われるふたり。




　

こちらに気づく。








どうやら団子を作っているようだ。

　






　

空中に突然現れるミヨチン。





　









　

お団子を受け取り、早速ひとくち。






両手でピースサインをするふたり。

　

　

　

　

　

団子を食べて嬉しそうなミヨチン。





笑みを浮かべる。

　




ピョンっとジャンプすると、空中で姿を消した。

　

　

　

･････身体の奥から、少し力が湧き出る感覚。


各CP･FPが2増加した！

裏葉(1288) に 200 PS 送付しました。

Dr.笹子(831) から 瑪瑙 を受け取りました。

お肉（50 PS）を購入しました。
お肉（50 PS）を購入しました。
お肉（50 PS）を購入しました。
エナジー棒（30 PS）を購入しました。

制約LV を 24 DOWN。（LV24⇒0、+24CP、-24FP）
変化LV を 4 DOWN。（LV35⇒31、+4CP、-4FP）
付加LV を 25 DOWN。（LV80⇒55、+25CP、-25FP）

領域LV を 35 UP！（LV0⇒35、-35CP）
合成LV を 32 UP！（LV49⇒81、-32CP）

ItemNo.1 すごい液体（石）Mark.2 に ItemNo.5 瑪瑙 を合成し、すごい液体（石）Mark.2 を強化しました！（+30）
　⇒ Which,Yes or No?！［ 3 6 1 = 10 ］不発！
　⇒ すごい液体（石）Mark.2／武器：強さ357／［効果1］体力20 ［効果2］体力20 ［効果3］－【射程2】

Dr.笹子(831) の持つ ItemNo.21 強化繊維白衣 に ItemNo.16 瑪瑙 を合成し、強化繊維白衣 を強化しました！（+30）
　⇒ Which,Yes or No?！［ 5 4 4 = 13 ］不発！

ハイド(1296) により ItemNo.14 人形 から聖衣『揃いの白衣』を作製してもらいました！
　⇒ 揃いの白衣／聖衣：強さ163／［効果1］耐狂25 ［効果2］－ ［効果3］－

ItemNo.14 揃いの白衣 に ItemNo.8 角 を付加しました！
　⇒ 気づきアトリエ修練！［ 2 6 6 = 14 ］通常付加
　⇒ 揃いの白衣／聖衣：強さ163／［効果1］耐狂25 ［効果2］閃撃25 ［効果3］－


烏の魔のもの(41) とカードを交換しました！

赤よりも焃き赫 （デスブロウ）


ソードブレイカー を研究しました！（深度0⇒1）
トキツカゼ を研究しました！（深度0⇒1）
空間掌握 を研究しました！（深度1⇒2）

ヘイルカード を習得！
プロテクション を習得！
ガーディアン を習得！
カウンター を習得！
スノードロップ を習得！
ワイドプロテクション を習得！
ツインブラスト を習得！
エスコート を習得！
治癒領域 を習得！
イクステンション を習得！
インヴァージョン を習得！
覇気 を習得！
サルベイション を習得！
フォースフィールド を習得！
一望千里 を習得！
デコイ を習得！
アルヒェ を習得！
エレメントフィールド を習得！
アジール を習得！
メンブリュウ を習得！
高速治癒 を習得！
奇想天外 を習得！
ワイヤースライス を習得！
ヘカトンケイル を習得！
ブリザード を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

Dr.笹子(831) は ボルト を入手！
Dr.笹子(831) は おさかな を入手！
Dr.笹子(831) は 禁断じゃない果実 を入手！
Dr.笹子(831) は 禁断じゃない果実+5 を入手！

現在のパーティから離脱しました！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

Dr.笹子(831) をパーティに勧誘しました！
麺屋の龍人(1595) をパーティに勧誘しました！
『ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 偽黒初(77) の選択は ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》

MISSION!!
シモヨメ区 Q-16：チェックポイント《苺畑》 が発生！
　　 - 麺屋の龍人(1595) が経由した シモヨメ区 Q-16：チェックポイント《苺畑》

［842 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［448 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［201 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［400 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［325 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［240 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［174 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［96 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［142 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［131 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［251 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［32 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［110 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［62 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［72 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［55 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［27 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［46 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［23 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　




　








　






着物の裾を上げ、脚を見せる。

表面がドロドロし、変色している。

　








ふたりの全身をじーっと観察するカグハ。






ふたりの裾を戻すエディアン。

　

　

　






　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！




（初発生のイベント戦：異能FP+5！生産FP+5！）